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お前らが体験した怖いはなし part422


【すずり】
200 五月待つ審神者
現世の実家戻った時に、ストームグラスっておもしろグッズをもらった。
アルコールに化学物質みたいなのが色々入ってて、気温に反応して結晶化するのを見て天気が分かるやつ。
ネズミが湯呑みの縁に手をかけて立って中を覗き込んでるデザインで、色は入ってない透明なガラスで出来てた。
ストームグラスになってるのは湯呑みの方。ネズミが天気予報見てるみたいで可愛かった。
まあ精度はお察しなので、良い子の科学実験みたいな感じで楽しんでた。結晶が出来たりとかするのは普通に面白いし、スノードームみたいで綺麗だしな。
んで一ヶ月くらい経った頃に、たまに結晶が変な形になってる時があるのに気付いた。
あれって例えば「嵐だと葉っぱみたいな結晶になる」とかそういう傾向はあるけど、形は毎回違う。
でも俺が変だなって思ったやつは、決まった時間に必ず同じ形になる。
時間は夜の12時前後。ガラス容器の内側に、丸の左上にJを足したみたいな形で結晶が薄く付着してる。
最初は偶然かと思ってたんだが、たとえば他の結晶がない時とか一つの結晶になってる時でも、絶対に同じ形で内側についてる。大きさも同じ。場所は多分違うかもしれん。
もしかしたら容器の内側にかすかな凹凸があって、そこに結晶が引っかかってるのかな?とかも考えたが、他に結晶がない時でもついてるから真面目に意味わからんかった。
容器割って確認するわけにもいかんし、まあ不思議なこともあるわねで済ませてた。

こないだ風邪ひいて寝込んで、寝過ぎて深夜に目が覚めた。
俺は一人じゃないと寝れないタイプのポケモンだから、臥せる時も刀剣男士はあんまり部屋に来ない。
熱下がったっぽいし、あったかい飲み物でも飲みに行こうかなーとか考えながら一人でぼんやりしてたら、件のストームグラスにまた変な形ので結晶が付着してた。
病気の時に見るのはちょっとヤな案件だし、容器を振って結晶散らそうと思って立ち上がって、そこでようやくおかしなことに気付いた。
寝転がってたところから視点が高くなったせいで、あの白い変な形の位置がずれている。容器の外側に。
グラスの後ろにあった窓ガラスについているのが、グラスを透かして見えてた。
形も大きさもいつも通り同じ、でも今回は窓ガラスについてる。
おかしいだろ。あれ結晶の模様なのに窓ガラスにつくのは。
いつもは湯呑みの曲線に沿って歪んでた形が、平らなガラス面について、俺にはそれが子供の手形に見えた。
月もない、慣れた目の分だけ明るい夜の中でうっすら白く浮かび上がっていた手形は俺がそれと気付いた途端、ずるっと滑るように窓枠の角から伸びた。
いつもの薄く透ける結晶の集まりではない、本物の子供の手だった。
ここ四階だから本物の子供の手があるわけないのに。
わけわからんが過ぎて絶句したまま固まる俺の前で、手はぱっと離れてそのまま落ちていくみたいに消えた。
俺氏絶叫。
隣の部屋に詰めていた薬研氏がすっ飛んできて、ド深夜だというのに俺氏の支離滅裂な説明を聞き、夢でも見たんだろうと俺氏をあやして就寝させた。
後から鶴丸君に聞いた話によると、窓とか外とかちゃんと見回って何もいないか確認してくれたらしい。
もう何もいないから大丈夫だぜって鶴丸君が心強いことを言ってたけど、もぉってコトゎ、、、前ゎぃたってコト。。。。。。。
っら。。。。。。。。。さにゎってこんなんばっか。。。。。。。
201 五月待つ審神者
ストームグラスの付喪神だったのでは?
202 五月待つ審神者
ド深夜に持ち主の心臓に負荷かけてくる付喪神はちょっと……
203 五月待つ審神者
お前らの業界ではそうなのか知らんけど
物に宿ったやべえやつを俺はおばけって言うんだわ
覚えて帰れよ
204 五月待つ審神者
ちょうど子供のおばけの話が出てきて良い機会だからずっと心に秘めてた話するわ
どっかで誰かに話して気持ちに区切りつけたいとは思ってたんだわ

俺の友達にАってやつがいた。現世に住んでる一般人。
ある日、Аの元に友達のВから電話が掛かってきた。
「俺の部屋の四隅に盛り塩をしてほしい」
やけに切羽詰まった様子だったらしい。
どいうことかと聞いても、とりあえずやってくれ、とだけ言われる。
事情は俺が部屋に戻ってから話すから、と。
Вは悪ふざけでそういうことするやつでもないし、変な宗教って感じでもなさそうだった。
Аは二つ返事で了承し、Вの住むマンションに向かった。
Вはマンション一階のエントランス前で待っていた。
今どき珍しいインターフォン式のエントランスだが、部屋主が下まで下りて来る必要はない。
いよいよ何があったのかと不安になるАに、Вは自分の部屋のIDカードキーを渡すと、玄関入ってすぐ右側の部屋の四隅に頼むと言って、小袋に入った塩を10袋くらい渡して来た。
袋にはそれぞれ「清め塩」と印刷されており、事情は分からんがまあやばいことなんだろうなと、Аは引き受けたことをちょっと後悔した。
とはいえАはオカルトの類はあまり信じていないから、そういう方向での恐怖はなかった。それがあってВもАに頼んだんだろう。
マンションには何度も遊びに来ていて、間取りなんかは把握している。
Аは言われたことをさっさと済ませてВに「終わったぞ」と電話した。
数分してВがやってきて、忙しない様子で玄関扉に施錠するとすぐ盛り塩の部屋へ入ってきた。
指定された部屋にはパンや飲み物を買い込んだコンビニの袋が2つくらいあって、布団なんかも運び入れてあった。
飛び込んできたВはどことなく顔色が悪かったが、それでも他人が居ることで安心したのか、すぐに落ち着きを取り戻したようだった。
深くため息を吐きながらАの対面へどかりと座り、「実は」と前言通り事情を話し始めた。

なんでも、半月ほど前からВは不可解なものを見るようになったらしい。
大学へ通うのにВはバスを使っている。
自宅から大学までのエリアは片田舎で、ひと昔前の古い家屋や、この御時世に廃墟のまま整備されていない
家なんかも路線沿いに結構あるらしい。
道中で止まるバス停の一つの、丁度真横の家がそういう廃墟だった。
天気の良い日だというのに人が住んでいないというだけでその廃墟はやたら暗く、玄関のドアは半分外れて高く伸びた草の向こうにぽっかりと体内を覗かせている。
В自身もそこまでオカルトが怖い性質ではなく、廃墟写真なんかを見るのが好きだったのもあって、バスがそこへ止まる時はこれ幸いとばかりに廃墟を眺めていた。
その日もいつもと同じように、何人かの小学生がバス停で待っていて、車両が速度を落として停車する。
玄関が真横に来る席で頬杖をつき、今日の予定なんかを思い出しながら玄関の奥を眺める。
前時代的な狭い玄関ホールがあって、奥の方へ格子の枠に嵌った磨りガラスの引き戸があって少し開いている。
暗いせいで奥が何の部屋かは分からない。そこへ、白いものがちらっと揺れた。
支えていた手の平から頬が浮く。
ゆっくりとバスが動き出し、廃墟が後方へ流れていく。
Вは何度かまばたきをして、意味もなく携帯端末で時間を確認したりしながら静かに混乱していた。
一瞬だけ見えた白い何か。Вは子供の足だと思った。
右側から弧を描くように宙ぶらりんになった爪先が現れたのだ。
あんな廃墟に人がいるはずがない。
本当に一瞬だったし見間違いだった可能性は十二分にある。
しかしもしあれが見間違いでないなら、動き方からして子供は誰かに吊るされている。
警察に通報するべきだろうか。でも見間違いだったら……もし変なことに巻き込まれたら……。
色々なことが思考へ渦巻いた。
こっそり周囲の様子を伺ってもみたが、自分以外に子供の足に気付いた人間はいないようだった。
とはいえ無視するのも据わりが悪く、Вはいつもより三駅もはやく降車して警察に連絡した。
結論から言えば、廃墟には誰もいなかった。
そもそも誰の持ち家かも分からないほど古い家らしく、今回は緊急性があるということで立ち入ったが、それより以前に誰かが入った形跡もなかったらしい。
ただ、件の部屋の、丁度玄関から直線上にある場所へロープが結びつけてあった。
対応した警察はロープについてさらっと言及しただけで詳細は言わなかったが、Вは恐らく首吊り用のロープだったんだろうなと思った。
過去に子供が誰かに殺されて、その霊を自分が見たのかもしれない。
気味が悪いというのはもちろんだが、相手が子供ということもあって同情の気持ちの方が大きかったという。
そしてその日からだ。
暗がりに子供の足がぶら下がっているのを見るようになった。
それはたとえば、高速車両がトンネルに入った時の窓の反射の背後だったり、友達と飲んでいる時の居酒屋の無人の座敷席だったり、大学構内の影になっている階段裏だったり。
一瞬ちらっと暗がりが見えると、横から子供の足がぶらんとぶら下がるのだ。
いくらオカルトがあまり怖くないとは言ってもこれは流石にこたえる。
十日も過ぎた頃、ついに自宅のマンションでも見えるようになってВは音をあげた。
そういうのに詳しい友達の紹介で霊感がある占い師を頼り、対処法を聞いてきた。
それが今回のАとのことだった。
占い師曰く、やはり子供の霊が憑いているそうで、まあ弱い霊だから自分でも祓えますよ、と依頼料+五百円で大量の清め塩をくれた。
方法はさっき書いた通り、誰かに盛り塩で結界を張ってもらい、自分は玄関前で清め塩を体に振って霊を祓ってから急いで結界の中へ逃げ込む。
一晩も結界にこもっていれば、霊は元の場所に戻るらしかった。
巻き込まれておきながらどこか半信半疑だったАが「大変だったな」と他人事のように言えば、信じていないのが伝わったのか、Вが一呼吸置いてから続けた。
話している間ずっと、Вはちらりとも視線を上げなかった。
「さっき、玄関前で自分に塩をかけた時、子供の……いや、子供かは分からない。男女も……とにかく誰かの声がした。遍く満ちる、って」
「他の住人の声じゃなくてか?」
「分からない。そうかもしれない」
その晩はАも付き合いで泊まったが、特に何が起こるわけでもなかった。
まあそれで食ってる商売の人間からの助言だったわけだから、無事に祓えたんだろう。
朝になってАはВの部屋を出た。
学生が使うような安いマンションだ。
緑に塗られた古臭い木材に囲まれた狭い廊下に、申し訳程度に両端の窓から朝日が差している。
子供の霊は怖いのにこの環境は怖くないのかという感想で締めて帰路についた。

その何日か後、Вが死んだ。
Аがそれを知ったのは十日以上過ぎてからで、長いこと大学で顔を見ないので連絡したら返事がない。
何人かの共通の友人をあたるうち、どうやら死んだらしいということを聞いたのだった。
死因は分からない。
知っていた友人はВの家族から直接聞いたが、あまり詳しいことは教えてもらえなかった。
Вは自殺するような感じでもなかったし、事件に巻き込まれたのかもしれないな、と友人は言った。
身近な人間が死ぬというのが殆ど初めてだったАはショックですぐに言葉が出なかった。
その思考の空白に、「芽吹いたのか」とそんなことが浮かんだ。

俺もАから話を聞いただけだから何のこっちゃよく分からない
ただなんとなく、Вは子供の霊が原因で死んだんだろうなって気がしてる
205 五月待つ審神者
>>200君も死んじゃうの???
かわいそぉ……;;
206 五月待つ審神者
深夜にガチなやつ書く時は「ガチなやつです」って最初に書けって言われてるだろ遵守しろキレそう
お前のせいで本丸中の電気を消せなくなった
俺はキレてるし博多もキレる
207 五月待つ審神者
占い師が適当なこと言ってたせいで霊が祓いきれてなかったのかな?
子供自体は弱い霊だったけど何か別のものが呼び込まれてそれが"芽吹いた"ってことなのかな?
よぉわからん
今夜は部屋の電気消せないってことしかわからん
【Jelly-F】
208 五月待つ審神者
首吊り用のロープで思い出したんだけどさ、俺も子どもの怪異の話ひとつ持ってた
こっくりさん系の遊びでわっかになった紐を用意して、わっかの内側に沿って五十音を書いた紙を置いて
真ん中に鉛筆を置いてやるっていう、いわゆる降霊術系遊び知ってる人いないかな?
 
俺が子どもの頃に学校で流行ってた事があったんだけど、確か「○○くん」みたいな
男の子っぽい名前の遊びだった
俺もすっかりそんな遊びのこと忘れてたし今も名前のところは思い出せないんだけど
こないだ演練で会った審神者がその話しててビックリしたんだわ
だっててっきり俺の地元だけのローカル降霊術だと思ってたし
 
話してみるとちょっと違う事もあったんだわ
俺んところと違って輪の内側に沿って置くのはアルファベット26文字を書いた紙だったし
イエスとノーを書いた紙も置くって言ってて「うちよりハイカラじゃん」とか笑ってたんだ
でも相手の審神者の地元だとわっかの真ん中に置くのが鉛筆じゃなく
血の入った小皿って聞いた時はちょっと驚いたけど
 
その後しばらくは、友達とそれをやって本当に鉛筆が動いたとか、血の入った小皿が揺れたとか
わいわい話してたんだけど、段々相手の話がおかしくなってきた
 
「輪の中心に血の入った皿を置いて、○○○くんあそぼ、みたいに呼び出すじゃないですか。
これ、僕、これの名前を忘れてたんですけどこの間、思い出したんですよ。
刀剣男士の○○○と名前同じですよね、すごいと思いません?
うちにいる本人に話を聞いてみたんですけど、そしたら「それは俺だよ。やっと思い出してくれたんだ」
って言ってて。これって凄いと思いません?「あなたなら咲かせると思ったよ」って褒められちゃって」
 
ここら辺で俺は「何言ってんだこの人、コッワ……」って思ってたんだけど、口に出しては言わなかったんだよ
でも言わなかったのに、その人が急に真顔になって立ち上がって、そんで右手の人差し指で
俺の目の前に円を描いて見せて
「輪からまねく」
って言ったんだ
まねく、のところが間延びしててよく聞こえなかったから、違う言葉かもしれない
でもそれを聞いた途端、その人が円を描いたところの下に、小さな足先現れた……ように見えた
見えた気がしたんだけど、目を凝らしてもう一回見直そうと思ったら目の前で相手の審神者さんが倒れた
慌てて警備の人とか救急隊の人を呼んですぐに運ばれて行ったけど、あとで担当さんから
その人そのまま死んだって聞いた
 
倒れるまで何してたのかって聞かれたから、正直に「地元に伝わるこっくりさんの話してました」って言って
相手の審神者さんが話してた内容を伝えた
そしたら後日担当さんから、「俺さんってT県の轡芧に住んでたました?」って聞かれた
いいえって答えたら「そうですか」とだけ言って帰ろうとするから、なんでそんな事聞くんですかって
聞いたんだけど、「違うなら気にしなくて大丈夫です」って言われた
でも今も正直気になってる
209 五月待つ審神者
血の入った小皿を使うって聞いた時点でおかしいと気付け
あと首つり用のロープで思い出すようなこっくりさんが流行ってるお前の学校も十分ヤバい
210 五月待つ審神者
中途半端に地名を出すな俺の地元の近くじゃねえか名誉棄損で訴えるぞ
首吊りこっくりさんとか新しすぎてドン引きだわそんなもん俺んとこでは聞いた事もねえぞ
211 五月待つ審神者
「轡芧」って何て読むの?
くつわち?
212 五月待つ審神者
刀剣男士の名前を伏せているのはプライバシーの配慮?
213 五月待つ審神者
>>212
それ以外理由ないだろ
無いと言って下さい
214 五月待つ審神者
>>211
ひちよって読むらしいよ
調べてみたけど現世に普通にあるけど都会じゃなく、ちょっと田舎かな

>>212
いやそれ確かに名前を聞いたはずなんだけど、どうしても思い出せなくてさ
だから伏せた
何だったかな……濁音の入った名前だった気はするんだけど
215 五月待つ審神者
ほーーーーらもーーーーー聞いたはずなのに名前思い出せないとか
ぜったい怪異の所為じゃん!!!!
216 五月待つ審神者
名前を思い出せない刀剣男士で思い出したんだけど、ちょっと語らせてくれ
この前、友人から連絡が入った
そいつも審神者をしてるんだけど、現世で高校の時の同級生でもあったからわりと仲良かった
そいつからこないだ「現世の友人が死んだ」みたいな連絡が来た
俺の友達ではなかったけど、「そっか。落ち着いたら話聞くぞ」みたいな返事をした覚えがある
 
その後しばらく大阪城だの江戸城だのが忙しくて連絡を取ってなかったんだけど
ふと時間ができたから、「最近どう?」みたいなひねりも何もないメッセージ送ってみた
そしたらすぐに電話がかかってきた
「よお、久しぶりー」って電話に出たんだけど、何故かしばらく無言でさ
「おーい」って何回か呼びかけたらやっと「久しぶり」って返事があった
その声になんか元気がない気がして「元気ない気がするけど何かあったか?」って聞いたら
「あー」って言ってから「実は最近「ガリレオ温度計」っていうのを手に入れてさ」って話し始めた
なんでも現世の友人が亡くなった時、お葬式にも行ったらしいんだけど、その帰りに手に入れたらしい。
 
ガリレオ温度計って言うのは透明な液体の詰まったガラスの器の中にある、カラフルな浮きがいくつも入ってて
それが上下に移動するんだけど、その浮きに付いてるタグに温度が書いてあってそれを見ると
今の温度が分かる、ってやつ
オレも見るまではどんなのか知らなかった
 
友人はそのガリレオ温度計が気になって仕方がないらしい。
「なんかこのガリレオ温度計、特定の刀剣男士が近づくと必ず中の浮きが一回浮いてから沈むんだよな」
正直俺はその温度計の仕組みがよく分かってなかったから、「へー」ぐらいで流してた
でも友人は凄くそれが気になるらしく
「他の本丸の刀剣男士でも同じ事が起こるか気になるから、一緒に俺の本丸にきてくれない?」って言われた
でも俺のところにいない刀剣男士だったんだよね
だから
「あー、でもそいつオレのところにはいないわ」って言ったら
「じゃあせめて本当に浮いて沈むところを見て欲しい」って言われて、まあ最近会ってなかったしって思って
近侍の豊前を連れてそいつの本丸に行った
 
途中で買ったお土産のシュークリームを、向こうの近侍だった御手杵に渡すと、友人が「それみんなで食べてて」
って御手杵と豊前を大広間に案内して、しばらくふたりにして欲しいってオレだけ連れて執務室に行った
執務室に入ると、文机の横にあるサイドテーブルの上に、ガリレオ温度計が置いてあった
 
白い蛇が自分の尻尾をくわえて、丸くなってるようなデザインで、なんだっけ?「ウロボロス」みたいな感じ
で、胴体でかこまれたところに透明の液体の入ったガラスの器が入ってて、そこに赤青黄色黒橙緑みたいな
様々な色の浮きが10個ぐらい入ってて、確かに綺麗だった
見るまでは興味なかったんだけど、見た途端にすっごい綺麗で興味が出てさ、「カッコいいな」って言ったら
友達も自慢げに「だろ?」って言ってた
 
「これ、浮きの先に温度が書いたプレートが付いてるだろ?赤い浮きがいつも、あの子がくると動くんだ」
「へえ……」
「今、呼んだからそろそろ動くと思う」
そう言われてオレも楽しみになって、わくわくしながら赤い浮きを見守ってた
外の廊下をタタタっと歩く軽い足音がこっちに向かって近づいてくるにつれ、赤い浮きが本当に沈んでいった
おおーって感心してると、近づくにつれて今度はその浮きがふわふわと上に上がっていく
 
それを見守ってたんだけど、その時おかしな事に気が付いた
浮きの先にはコインみたいな丸い形のタグが付いててそれに温度が書いてあるんだけど
そのタグが赤い浮きに付いてるのだけくるくる動いて、温度が書いてある面が見えないんだ
オレはそれが気になって、ちょっと横からその浮きを覗き込んだんだ
 
そしたら浮きの先には温度が書いた丸いタグが付いてなかった
その代わりに、輪っかを掴んだ小さい手みたいなのが見えた、気がした
不思議に思ってもうちょっとしっかり見ようと頭を傾けたところで、目の前に突然銀色の何かが横切って
それを邪魔してきた
「大丈夫け!?」
豊前が、俺の体を引き寄せて、ガリレオ温度計の前に自分の刀を刺していた
一体何が起こったのかが分からなくて混乱してたら、隣で御手杵が「主!」って叫んでるのに気が付いて
友人の方を見た
友人はその状態でもずっとガリレオ温度計を見てた
でもオレが声を掛けると友人がぐるっと首だけでこっちを見た
それで「まだ足りない」って言ってそのまま倒れた
その時オレは何故か「ああ、これでもまだか」って何故か考えてた
なんでそんなこと考えたのか分からない
 
その後救急を呼んで友人を入院させてから、何があったのかを友人の御手杵に聞かれたから話してたんだけど
その時に御手杵に
「あんたの所にいない刀剣男士が近づくと浮きが動くって言ってたのか?それって誰だ?」
って聞かれてオレは「ああ、それは」って答えようとして、恐ろしい事に気が付いた
オレ、それが誰か思い出せなかった
 
確かに誰かの名前を言われて「オレのところにはいない」まで答えたはずなのに、それが誰だったか思い出せない
青ざめてるオレを見て何か察したのか、豊前が御手杵に「わりいけど、帰るわ」って言って
オレの手を引っ張って立ち上がった
御手杵も特に反対せずに、それどころか「うちの主が巻き込んじまったみたいで、悪いな」って謝ってきた
あれから友人はまだ昏睡状態で入院したままだ
 
あともうひとつ
友人が言ってた刀剣男士の名前思い出せないんだけどさ
確か濁音の入った名前だったはずなんだよ
オレが豊前を連れて行ったのって「名前は近いし豊前にしよう」って思ったからなんだ
217 五月待つ審神者
怪異ちゃんは速やかにひとの思考に紛れ込むのを止めて欲しい
それより濁音の入った名前って>>208にもそんな事書いてなかったっけ?
まさか同じ怪異?
218 五月待つ審神者
そういう怪異いなかったっけ?
未実装の刀剣男士の振りして本丸に入り込もうとするやつ
「片生い子」だっけ?
219 五月待つ審神者
>>218
「片生い子」は一応人の姿があって、どの刀剣男士にも似てないから未実装って言い張ってるのであって
思考に入り込むわけじゃないから違うと思う
220 五月待つ審神者
どうして怪異ちゃん人の記憶に入り込むの?
それなのにどうして忘れてしまうの?
221 五月待つ審神者
>>220
思い出したら死ぬからじゃないか
それよりも俺は>>216の話が>>200に似てるのが気になる
ストームグラスとガリレオ温度計が似たイメージだからか?
222 五月待つ審神者
>>221
お前には人の心がないのか
【夕凪】
223 五月待つ審神者
人の心なんぞ審神者が保ち続けられるとでも?俺含めて知人縁者皆赤ちゃんみたいなもんだよ。演練会場はバブさにデビュー会場みたいなもんだ。My哺乳瓶もある。オシャレなアクアクリスタルカラー。
224 五月待つ審神者
なになに~?怖い話~?俺あるよ~

当方、唯我独身審神者侍にて。婦女子との刹那の交歓交流等という、浮わついた触れあいなど言語道断。戦場に生きて戦場で死するを己に誓った漢。

であるのに見合い先で「子連れはお呼びじゃねぇ」って3回敗退してる。おかしいんだよ。会う女性皆「子どもの足が袖から出てる」っていうの。ちなみに紋付き袴で挑んだけれど、そんな火力強めなコーディネートはしてない。

普通さ、そんな状態の審神者男が現れたら「私が原因を突き止めます」って親身になってもいいもんじゃないの??せめて政府に相談しにいこっかって政府デートワンちゃんじゃないの???

俺を見るなりすっと目を細めて「ご縁がなかったということで」って綺麗に笑って辞去するってなに。子どもの足が袖から出てる男には人権がないの??あって??

意味わかんない。これ絶対怪異だと思う。毛利さんにお裾分けしたい。
225 五月待つ審神者
>>224
ヤバイじゃん
226 五月待つ審神者
安易に怪異と毛利先生に頼るな。
特に毛利先生の基準は厳しいぞ。うちの甥っ子2歳だというのに小さい子センサーから外された。

袖から足………ちぐはぐな感じ。縁起悪い忌みセンサーびんびん反応………
227 五月待つ審神者
小さい子センサーから外された2歳児にひどく動揺してる。その子人間なの?
228 五月待つ審神者
>>223
My哺乳瓶のメーカー教えて?
229 五月待つ審神者
哺乳瓶で思い出した。友人の話。

友人であり親戚、仮称A君はイケメンで頭よし、血筋よし、個人資産よしのハイスペック。群がる花は数知れずといった状態。

だが彼女たちは遅かったのだ…………………

A君の将来性を見越したうちの親戚は先手を打った。なんと自分の子ども(赤ちゃん)をA君に預けたのだ。
後年、子どもはA君嫁になり見事青田買いに成功した親戚はうはうは。俺の本丸で行われたA君関連のトトカルチョも大いに盛り上がった。

そんなA君がこの前一児のパパに。俺の本丸は歓喜に包まれた。
そして、俺は酔った。色んな理由を見つけては宴会へと昇華させる大般若先輩と、「A君がパパになったお祝いの品」を通販でしこたま買うくらいには酔っていた。

翌日本丸直送で届いた品は、とてもでないが成人既婚男子に渡せるものじゃなく……。夫婦お揃いのセクシーランジェリーとか………いやなんであれ本丸通販サイトにあったの??着るの?CPの話??怖………

お祝いの品は買い直そうってことになった。で、片っ端からクーリングオフしてったんだけど。一個だけクリスタルガラスのオブジェみたいなのがあってな………
俺はそれがとても気に入って、お祝いに送ろうかなって思ったんだ。だからこんちゃんにお願いしたんだけど。

「主様、本丸から現世へ贈り物はほとんど不許可ですよ。」

ガッデム!!!

「あとセクシーランジェリーKEDAMONOはクーリングオフが効きませんでした」

神は死んだ。
絶望に打ちのめされた俺だったが審神者の責務を果たさぬわけにはいかなかった。箪笥の奥にKEDAMONOをジップロック封印し、前を向いた。二度と酔って通販はせぬと誓った。

そんなある日。俺のもとへ先輩審神者が訪ねてきた。仮称B先輩な。

B先輩はよく遊びに来るタイプ。何しろ俺の本丸は酒宴最前線を維持し続けているので、誰もが一発芸ネタとツマミを最高の状態で提供できる。踏んできた酒宴の場数が違う。楽しいので皆来る。
 
ただB先輩が訪ねてきたその日は深夜に近く。だいぶ皆出来上がっていたので結構テンションが低めだった。大広間の襖や障子に何刃か刺さってはいたけれど爆睡してたから静かなもんだった。
とりあえず審神者部屋で飲もっかってなって。ただ起きてるのが俺と不寝番の大倶利伽羅だけ。しずか…………。

B先輩もあんまりしゃべらずぐいぐい紙コップで芋焼酎開けてた。まったりしてたらふと、「なぁ」って先輩が俺の文机の上を指差した。

「なぁ、あれ大事なもん?」

B先輩の指は、俺が誤通販したガラスのオブジェを指していた。このオブジェ、形が変わっててな。ヒックマンポンプっていうのに似てるってこんちゃんが言ってた。なんか真空にするポンプ。ただ画像検索してもこれと全く同じものは無かったし、ちょっと形状が別物。ヒックマンポンプって長細い感じなんだが、これは丸っこい感じ。

「見てもいいか」
 
いいよって言ったのにB先輩は動かない。グビッと酒を含んではちらっとオブジェを見る。それを何度か繰り返す。なんだろって思って先輩って呼び掛けても生返事。

「俺、もう大丈夫だと思ったんだ」

ポツリと先輩が言う。

「でも、もう無理しなくていいんだよな」
 
そう息を吐きながら言うと、先輩は帰るっていって出てった。出ていく先輩の手にいつの間にかガラスのオブジェが握られていた。ああって思った。盗まれたとかじゃなくて、きっともっと早く、こうしなきゃいけなかったんだって。納得した。ごめんなさいとすら思った。何でか全然わかんないけど。


気がついたら大倶利伽羅が、先輩の座ってた場所にいて、じっと俺を見てた。その姿を見たらなんだか無性に泣けてきて仕方なかった。からちゃんって濁音が混じった声で呼んでも、眉ひとつ動かさない。俺はしばらくずびずび鼻を啜るマシーンに徹した。

「駄目なときは駄目なものだ」

急に響く美声にすわ怪異かと思った俺悪くない。もちろんしゃべったのは大倶利伽羅。でもね俺の大倶利伽羅は本当に無口で、正直しゃべらない。じっちゃんから譲られた刀だったのもあって、しゃべってるの見たことない。

でも眼は雄弁なんだ。俺、慈愛ってものを大倶利伽羅の眼で知った。
そんな彼が言うんだからB先輩はよくわからないけど途方もなく頑張ったからもういんだってことなんだってわかった。

そもそもね。何度もB先輩が遊びに来てるって俺言ったけど、記憶まるでないの。B先輩って、誰だったんだろう。記憶いじられたのかな。初対面の何かと一緒に酒のんで号泣した存在になったってことだよね。人間複雑すぎ。俺の情緒可哀想すぎる。

それからしばらくして、ようやく俺の混乱も収まり、箪笥のKEDAMONOを炉へと葬った。A君の子どもがハイハイを始めたって話を小耳に挟む頃、大倶利伽羅に聞いてみた。あのガラスのオブジェ君にはどう見えたって。


「哺乳瓶、生きては、いないものの」


B先輩の手の中のきらきらオブジェ。俺には心臓に見えたけど。感じ方は人それぞれなのかな。
230 五月待つ審神者
友人の話じゃなくてお前の話じゃん。
231 五月待つ審神者
リア充は怪異に必ずぶち当たるものだと思っていたのにA君のハイスペックには及ばなかったのか
232 五月待つ審神者
KEDAMONOシリーズって人間からハムちゃんまでサイズ選べていいよね
233 五月待つ審神者
生きてない哺乳瓶ってなに
哺乳瓶って胎生なの
234 五月待つ審神者
A君とお嫁さんの年齢差毛利がめっちゃ気にしてるから答えたって
235 五月待つ審神者
こういう、何だろ、世界五秒前仮説みたいな怪異って多いの??さっきまで見しらーぬだったのに一瞬で旧友ってずるくない??俺にもそんな能力あってもよくない??
236 五月待つ審神者
>>228
ChuChuのイノセントバグタイプ
237 五月待つ審神者
ストームグラスとガリレオ温度計にヒックマンポンプ擬き…………
238 五月待つ審神者
>>237
何かの実験施設から流出したようなラインナップ
239 五月待つ審神者
>>237、238
実験施設というか、理科工作が好きな子どもが興味持ちそうなやつやね
240 五月待つ審神者
>>233
死者を何かに育てるモノ
【校倉】
241 五月待つ審神者
死者っつってんじゃん!!!!!
哺乳瓶を!?使うか!?死者が!?!?!?
242 五月待つ審神者
俺「死者って哺乳瓶つかうことあるの?」
青江「使いたければ使うんじゃないかな。哺乳瓶が必要なくらい小さい死者もいるわけだからね。
あとはまぁ…死んだからこそ曝け出せるものもあるよね……性癖のことだよ」
243 五月待つ審神者
死んでまで赤ちゃんプレイする必要ある?
死者ならもっと死者らしいことをしろ 人を呪うとか
244 五月待つ審神者
死んだ子供の足踏んだやつが呪われたみたいなネットホラーなかったっけ
結局そいつが子供殺した殺人犯だったみたいなやつ
245 五月待つ審神者
あった!いつだったっけかな
まとめサイトで読んだ覚えがある
そのまま「子供の足」とかいうタイトルじゃない?
246 五月待つ審神者
↓はいよ
ちなみに一般的な匿名掲示板の日常生活スレみたいなところだぞ

~~~~~~~~~~~~~~~~


491 :名無しさん:2211/06/16(日) ID:mpLz42Qq
さっき遊歩道ランニングしてたら子供の足ふんじゃった まずいかな?
492 :名無しさん:2211/06/16(日) ID:d1nyXomg
普通にまずいだろ
親は一緒にいなかったの?子供泣いてなかった?
493 :491:2211/06/16(日) ID:mpLz42Qq
いや足ってほんとに足だから、親とか泣くとかないし
494 :名無しさん:2211/06/16(日) ID:700pWmbV
は?何?
495 :491:2211/06/16(日) ID:mpLz42Qq
だからさー、ちっちゃい子供用のクツあんじゃん、マジックテープの、カラフルでさ、音とかなりそうなやつ
あれに子供の足が入っててさ、足首くらいまでで切れてたけど
走ってるときに足元よく見てなくて思いっきりふんじゃったんだわ
496 :名無しさん:2211/06/16(日) ID:8K3dnUK1
きもちわる
人形じゃないのって思うけど、誰かのイタズラとか
497 :491:2211/06/16(日) ID:mpLz42Qq
ああそっか、人形か
なんでか本物の子供の足踏んだんだと思い込んでたわ



510 :491:2211/06/24(日) ID:mpLz42Qq
また今日も子供の足を踏んだ
最近は家の中にも落ちてる



586 :491:2211/07/7(土) ID:mpLz42Qq
どうしたらふまないんだ



601 :491:2211/07/23(月) ID:mpLz42Qq
---ERROR このホストはBBx規制中です---



637 :名無しさん:2211/07/28(土) ID:wg59mK9R
千葉県こどもバラバラ遺体 殺害容疑で大学生逮捕
××市で6月に、こどもの切断遺体が発見された。
この事件で千葉県警は30日、近所に住む大学生の××××容疑者(21)を殺人の容疑で逮捕した。
被害にあったのは、××××ちゃん(6)と××××ちゃん(3)と見られており、
遺体はそれぞれ首を絞められて窒息死させられたあと、
切断されて×××市内の公園など数か所にわたり遺棄されたとみて調べている。
××容疑者は「身に覚えがありません」と容疑を否認しているという。

>>491 こいつじゃね?
~~~~~~~~~~~~~~~~

ちょっと省略したけどこんな感じ
491の書き込みには心配したり、釣りか?って疑うレスが付いたりしてたんだけど、2回目の書き込み以降、491本人は一切それに返答なし
ちなみにBBx規制中ってのは、主にNGワードの書き込みによる規制なんだよ
だからまぁ、ちょっと倫理的にダメなことを書き込んだと思われる
そんで上のニュース記事が貼られて以降、491の書き込みはパッタリ途絶えた
という訳で、ネットでは491がこの殺人犯で、罪の意識で幻覚を見てたとか、子供を殺した呪いを受けたとか、
そういう説がはびこって、まあまあな騒ぎになったんだよ
247 五月待つ審神者
うわマジか…事件はニュースで知ってたけど、こんな書き込みがあったのは知らんかった
248 五月待つ審神者
なんかワイドショーとかでも取り上げられてた気がする
『残酷な殺人犯のものと見られる書き込み、それは一体…!?』みたいな特集やってた
犯罪心理学に詳しい人が解説とかしてたよ
でも結局、書き込みしたのが本当に犯人かどうかは分からなかったんだよな
249 五月待つ審神者
これたぶん違う人
私この書き込みした491の人知ってる
犯人じゃないよ、うちら審神者に関係ある人
最後の書き込みのあと、不自然な自殺未遂起こした
250 五月待つ審神者
>>249 え…ほんとに言ってる?
つか不自然な自殺未遂ってどーいうこと?
251 五月待つ審神者
うん
身バレこわいからどういう関係かは書けないけど、時の政府関連で知り合った人だった
証拠が無いからその人が絶対>>246のスレの491だとは言えないけど…
とりあえずまぁ、便宜上その人のこと491って呼ぶね
最初の書き込みの少し後からかな、491はちょっとずつ様子がおかしくなってた
でも当時は激務だったから、疲れてるんだろうって周囲も思ってたらしい
しばらく経って、仕事が落ち着いた瞬間に急に行方不明になった

そんで、こっからは当時捜索に派遣されてた加州から聞いた話ね
慌てて捜索を始めたら、ほどなくしてとある本丸のゲートの使用履歴に、491の認証IDが残ってるのがわかった
使われてない本丸だったから、管理者以外は誰も出入りできないようにロックされてたはずなのに
そして、そこの本丸の庭沿いの一室で、491は梁にロープを通して首を吊ってるのが発見された

捜索班の全員で、急いで491の体を下ろして救護を呼んだ
体がかなり冷えてて、肌は全身が青白かった
でも491がロープを首から外された瞬間に、はっきり
「さく」
…って言ったのを加州は聞いたらしい
「裂く」なのか「策」なのか「咲く」なのかは分かんないけど
それで、まだ息があるって判断されたんだ
救急治療を受けて、なんとか一命はとりとめた
だけど後遺症で脳機能障害が残っちゃって、ほぼ植物状態みたい

ちなみに491の体だけど、吊られた状態で足首から下が無かったそうだよ
おかしい話だよね
首をくくってる状態で自分で足を落とす、なんてこと出来るわけないし
そもそも首をくくる前に足を落としてたら、立ち上がれないんだから首吊りができない
加州は「刃物とかで斬られたような傷じゃない」としか言わなかったけど、
もしかしたら吊られた状態で誰かに足を千切られたんじゃないかって思ってる
ちなみに491の両足は庭に埋められてたのが見つかった
252 五月待つ審神者
政府関係者って聞いて一気に他人事じゃなくなったでござる
つかなんだそのクソヤバ事件知らないんだが???
253 五月待つ審神者
オア……知らない方が幸せだった…
こわいからしばらく近侍は愛染くん極Lv.99に固定にしよ~…と思って呼んだら、このスレ見て
「なんか、嫌な符丁だな」
って言われた
やめてください
254 五月待つ審神者
確かに、子供関連の話多いな
あの世で流行ってんの?
255 五月待つ審神者
感染し(はやっ)てんじゃね
【K】
256五月待つ審神者
感染しないでやめて怪異ちゃんどおして流行に敏感なのマッハで廃れてお願い大典太さんちょっとよろしいですか主の隣に侍るお仕事をですね
257 五月待つ審神者
怪異ちゃんに効くワクチンの開発はまだですか
258 五月待つ審神者
「お呼びかな」って青江が来た。
呼ぶ前から来るのってヤバみが怖くてヤバい。
あっまって帰らないで隣で手を握ってて
259 五月待つ審神者
握ってるのが誰の手かちゃんと見た方がいいよネ
 
 
260 五月待つ審神者
さっきから連続で手っちゃんが人をKillしてる話ばっかりじゃんすか
全部同じ手だとしたらアグレッシブすぎん?
でも複数いるのも嫌……
複数居ないよな?な?
261 五月待つ審神者
手で思いだした。
年末にばーちゃんち行って、そんな感じのを見た、ような気がする。
豪雪地帯の田舎でさ、除雪の手伝いもしなきゃだよなって思ったから、同田貫つれてった。
雪国の窓って、二重窓かペアガラスなの知ってる?
一枚窓より断然あったかいの。
窓って一番外側が網戸だったりするだろ?
網戸の内側に窓ガラス、その次にも窓ガラスってのが二重窓な。
ペアガラスってのは最近あんまりないんだけど、ばーちゃんち古いから一部の出窓で使ってた。
ガラスを2枚、間に空気を挟むように重ねて、ちょっと見ただけでは一枚の窓ガラスみたいになってんだよ。

その日はすごく冷え込んでたと思う。
親戚のおっちゃん達は昼から居間で飲んだくれてて、俺は酔っぱらいに絡まれたくなくてばーちゃんの部屋に避難してた。

ばーちゃんの部屋は畳そっくりな材質で覆われた床暖敷いてあっていつもあったかくてさ。
ゴロゴロしながら携帯ゲームして、スナック菓子かじったりしてた。
窓を見たら何かすごくきれいな白い模様ができてた。
隣に座ってた親戚が「窓霜がすごいですね」って言って、あぁそうだこれ窓霜だって思いだしたんだよ。
真冬の現世に戻ってきたのが久しぶりだから忘れかけてたんだけど、窓霜って雪国出身者でないと知らないやついるんだっけ。
外の空気が部屋のあったかさでゆるんで窓で水滴になって、それがさらに外の空気で凍って、窓にレースの刺繍みたいな白い結晶が張りつくんだ。

俺はその自然の造形物をみながら、親戚の話をぼんやり聞いていた。
それは冬の怪談と言うか、言い伝えのようなもんで、田舎には多かれ少なかれこんな話あるんじゃないかな~みたいなやつで。  
親戚は窓を見ながら、ボソボソ話すんだ。

冬の間、たまに家の中で軽い足音が聞こえる事がある。
廊下が足の形に濡れてる時もあれば、うっすら霜が降りてるような足跡のこともある。
それはちょっと「そとのやつ」が出入りしてるだけだから放っておいたらいい。
害のあるもんでもないし、春になる前には出ていくからね。
だけどもし、手を見たら。

親戚の人は、確かそう言ったと思う。手を見たら。手形ではなく、手を。

手を見たら、ね。直視しないで、でも視界の端にはとめておいて、いなくなるのを待った方がいい。
しっかり見たと気付かれたら、入ってくる。
居なくなるのを待っていたほうがいい。
ほら、見ていないと、居なくなったってわからなくなるから。

親戚はそういって指をさした。
ばーちゃんの部屋の大きな二重窓ではなくて、タンスを挟んだ隣の小さな出窓。
半分ほど窓霜に覆われたペアガラスに、外の寒気が叩き付けられ、じわじわと白い霜が育つ。
雪の結晶がいくつもいくつも重なって、もはやどんな模様かもわからない状態になっているのに、なぜか右端の角に、それがあった。
小さな小さな手。手のひらだ。
直視してはいけないなんて言いながらそれを指さされたもんだから、俺はそれをしっかり見てしまった。
親戚が重ねて言うんだ。

しっかりと見たら入ってくる。

小さな手は、それでも最初はヘタクソな雪像のように平面だったのに、いきなり指をこちらにガオーってするみたいに向けて、ガラスをすり抜けてみえてさ。
俺は逃げ出したいのに体が動かなくて、視線もはずせなくて。

しっかりと見たら入ってくる。

手が、指先がすべてこちらをむけて、重たい雪をかき分けるようなゾロリという音を立ててこちらにむかって。

しっかりと見てしまったから、うちの本丸に入ってきちゃったんですよね。



パリンと音がして、温かい何かに抱え込まれて、耳元で俺を呼ぶ声がした。
主大丈夫か?無事か?何ともないか?何があった?
同田貫だった。

部屋は薄暗く、白い破片と水っぽいものが、隣の部屋の光を反射していた。
同田貫が酒の入った杯を叩きつけたらしい。出窓はもうほとんど窓霜に覆われていたけど、手のような造形があった形跡はなくて。

何があったかなんて俺にもわからない。強いて言えばおばけちゃんが出た。
俺はなんとか、何かを伝えなきゃと思って、あーとかうーとか言いながら出窓を指さそうとしてうまくいかない。
歯がカチカチと音を鳴らしていて、それは恐怖からではなくて自分の体が冷え切っているからだと気付いた。
話をしていた親戚もいなくて、俺は明かりも、床暖の電源もはいってない薄暗い部屋で一人でいたらしい。
どうしてだか「ふえた」と、ひとごとのように思った。

俺は酔っぱらいのおっさんたちの輪に引っ張り込まれ、熱燗とか飲まされて、さっき遭遇した出来事を話したんだけど、何せみんな酔っぱらいだ。
はぁはぁそうか、まぁ飲めと酒を継がれて終わりだ。
その夜はおっさんたちと雑魚寝して、二日酔いの頭で昼近くに起きて。
ばーちゃんは10年くらい前に亡くなってるからあの部屋に床暖を入れられることは無くなって久しい事を思いだし、話してた「親戚」が誰だかは思いだせず。

両親に聞いたら、本丸から忽然といなくなった審神者の親戚は居るらしい。
俺はあったこともない親戚。
失踪当時の本丸は冬の景趣だったって。

後になって同田貫に「窓に何かなかった?」って聞いたら、渋いお茶でも飲んだみたいな顔して「前足」って言った。
前足だって。俺には手に見えたんだけど。
これ以上考えてはいけないと思って「そっかー」とだけ言った。

そんだけ理不尽な体験をしたのに、このスレみるまでこの体験全く思いださなかったよ。
262 五月待つ審神者
増えないで!!!!!
263 五月待つ審神者
増えるって何?足跡???
雪国では足跡ちゃんの怪異が冬季限定で繁殖するんです?
九州住みの俺は勝ち組ってことでいいんですよね!!!!!
264 五月待つ審神者
冒頭で「見たような気がする」とかいっときながらバッチリはっきり見てんじゃねーーーか!
これが261の姿を見た最後になったりするんです?
審神者どうしてすぐ死んでしまうん???
265 五月待つ審神者
同田貫の筋肉は温かいというお話だね!
ハートフルな童話だね!
はいチュンチュン
【すず】
266 五月待つ審神者
審神者が目覚めると、小鳥が可愛らしく囀り、花々が美しく咲乱れるような、ちょっと不思議な本丸奇譚を探しています
267 五月待つ審神者
>>266
566 晩夏をたのしむ審神者
別本丸の審神者さんから教えてもらったんだけど

梅花が散り、桜花が咲初める穏やか春の日だった。
「酒の肴なら、何がいいだろう」などと審神者と刀剣が桜見物の宴会について談じながら、外縁を歩いていると、突然、審神者が外縁から転がり落ちた。
怪我がないだろうか、と、審神者に駆け寄って、異変に気づく。
審神者が庭に這いつくばり、土を貪っている。ざり、ざり、ざり、と、無我夢中になり、土を掬って、口に押込む。刀剣が審神者を呼ぼうと、腕を掴もうと、羽交締めにしようと、審神者が庭の柔らかな土壌を食べようとする。柔らかな黒々い土を求め、踠き、延々と「いおれ」と言う。
 
その審神者さん、不審死だったらしい
なにせ、内臓が変形していたから
567 晩夏をたのしむ審神者
地雷です
568 晩夏をたのしむ審神者
もっとにんげんの臓器を大事にしてくれ
569 晩夏をたのしむ審神者
「祈れ」が「いおれ」か?
570 晩夏をたのしむ審神者
 知らない日本語ですが
268 五月待つ審神者
>>267
人狼か? 吊ります
269 五月待つ審神者
地雷です
270 五月待つ審神者
小鳥が可愛らしく囀っていない
減点です
271 五月待つ審神者
不審死が「怪異ちゃんの仕業」を証明しています
272 五月待つ審神者
地雷です
273 五月待つ審神者
ちょっと不思議な怪談をお探しですか?
こちらです

よくない夢なら他人に語ってしまいなさい、と、云いますから、何もかも語ってしまいます。
眠っています。
夢のなか、暗闇のなか、寝具に横たわり、眠っていると、枕元から足音がしてきます。子どもの足音がまるで祭囃子のように、手拍子をとるように、私を囲むように、軽やかに鳴ります。
耳元に足音だけでなく唄がしてきます。子どもの声が、唄をうたいます。ゆうら、ゆうら、足音と唄がずっと。ずっと。ずっと。目を開けることさえできない私の周囲を足音と唄がするんです。ずっと。

何とうたっているのか、わかりません。
きっと、芽吹くんです。

夢から覚めて、目蓋を開けると、暗闇のなかにいます。真夜中ゆえの暗闇でなく、私を至近距離から睨みつけるものがあり、焦点が合わないゆえの暗闇です。
眼球です。暗闇から、眼球が、私を睨みつけています。
274 五月待つ審神者
怪異ちゃんが睨みつけてくるんですか?
やめてください
275 五月待つ審神者
お祓いされてください
276 五月待つ審神者
何が芽吹くんですか?
種か?
277 五月待つ審神者
>>251
咲く
278 五月待つ審神者
>>277
人狼か? 吊ります
279 五月待つ審神者
どこからどこまで夢ですか?
280 五月待つ審神者
眼球の怪異ちゃんをお探しですか?

審神者部屋の執務机に、金魚を模した硝子細工が置いてある。執務机があまり殺風景だとつまらんだろうって、現世から購入してきた硝子細工だった。
金魚の眼球部分に水晶が埋めこまれていて、きらきらしかった。執務机に置いてあるから、襖からさしこむ陽光を硝子が映射して、視界の端にきらきら映る。執務中だって、休憩中だって、視界の端に、きらきら、きらきら。綺麗だった。
でも、ある日突然気づいた。執務机にむかっていないのに、執務室にいないのに、視界の端がきらきらしていることに。
さっき金魚の眼球部分を見てみたら、水晶なんて嵌めこまれていなかった。視界の端は、まだきらきらしている。

いったいなんだろうなw
281 五月待つ審神者
つまり現在進行形なんですね
正気か?
282 五月待つ審神者
お祓いされてください
283 五月待つ審神者
>>280 >>200
硝子の外側から
284 五月待つ審神者
すみません、よくわかりません
285 五月待つ審神者
硝子とおなじく、映すから
286 五月待つ審神者
すみません、よくわかりません
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