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  <title>Ghost in mug.</title>
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    <title>無題</title>
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    <![CDATA[<div style="text-align: center; padding-top: 100px; padding-left: 55px;"><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/gim.png" alt="" /></div>]]>
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    <pubDate>Thu, 07 Nov 2030 15:23:12 GMT</pubDate>
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    <title>お知らせ</title>
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    <![CDATA[2025/04/24<br />
モバイル版の仕様変更により、スマホ記事の表示がバグっていたので調整しました。]]>
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    <pubDate>Wed, 23 Apr 2025 16:33:09 GMT</pubDate>
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    <title>＃刀剣男士とオカルトと審神者14d</title>
    <description>
    <![CDATA[<div class="moba"><strong>刀剣男士とオカルトと審神者14d(みちこさん篇)</strong><br />
<a href="https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17344258" title="pixiv" target="_blank">https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17344258</a><br />
　「まったまったの」に引きずられるせいで、まちこさんだったかみちこさんだったか分からなくなりがちなおばけ第一位。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;265 形見の鏡の話<br />
＞「うわ❤︎パワハラハゲじゃん❤︎髪も人望もないのカワイソー❤︎替えがきく社会の歯車の上に❤︎貧しい心❤︎貧しい毛根❤︎ざぁこ❤︎ざぁこ❤︎」<br />
　ここすき<br />
<br />
　鏡を形見分けされて幽霊の女の存在が判明し、しばらくしてから処分を決めたみたいに言ってたけど、実際は形見分けされた日から処分するって決めてた。<br />
　Еちゃんの言っていた通り当時は忙しかったので、処分を先送りにしていただけ。<br />
　家族親戚や本丸の刀剣男士への言い訳として幽霊話は渡りに船だった。もし幽霊が出なかったら日常的に立ち入らない部屋に放置してから折を見て適当に割って処分するつもりだった。<br />
　理由は祖母が嫌いだから。<br />
　Еちゃんにとって祖母は一片の情も残らない相手だった。周りには外面良くして「自分は家族のために尽くして苦労している」と吹聴し、家族でも祖父や父親や兄には媚びて、母親や自分や妹には横柄な態度で奴隷のような扱いをする。母親は自分の親の介護を理由にほとんど家に戻ってこなくなり、男連中は「もうすぐ死ぬ婆さんのやることだから」と取り合ってくれなかったので、高校入学と同時に小五の妹を連れて家を出た。審神者になる時は妹が家に帰りたくないと言ったので全寮制の中学に入れ、学費や生活費を出している。<br />
<br />
＞そう思ってЕちゃんを振り見た瞬間、彼女は能面のようにごっそりと感情を落として青江の言葉を聞いていた。<br />
　&uarr;これは、青江の言葉が<br />
＞「この鏡を手元に置きたいなら、ここの青江にでも斬らせればいい。そうでないならば完全に廃棄してしまうんだね」<br />
　&uarr;そうでないならば＝手元に置く気がないなら、だったので自分が最初から鏡を処分するうつもりなのを見透かされていると気付いて「この"男"も理解せず止めるのだろうか」という考えが過ぎったから。<br />
　Еちゃんは家族のことがあって、男は自分の味方にはならないと思っている。自分の刀剣男士に対してもそのせいでどこか信頼しきれずにいる。<br />
　刀剣男士は自分達に理由がないところで主が悩んでいるのをなんとなく肌で察して見守っている。「祖母が大嫌いだから形見でも鏡は捨てる」って事情を話したら普通に「それは捨てた方がいい」って同意する。<br />
<br />
＞「え、なんで？　青江なら斬れるんでしょ？　Еちゃんって自分の青江とあんまり仲良くないとか？」<br />
＞「主は御家族にたくさん愛されて、青江を信頼しているんだね」<br />
　&uarr;斬れない理由を青江自身じゃなくて周囲の環境にあるとなんの疑問もなく考えているから。<br />
<br />
＞宗三が細めた目をこちらへ流し、慈しむように優しく、優しく、笑って言った。<br />
＞「祖母が嫌いだからですよ」<br />
　&uarr;歌仙と青江は主の優しさや善性は得難いものだと思っているから、不必要な悪意からは隠してくれる。<br />
　　宗三は理不尽な悪意や動機のない憎悪に触れて傷付くことも主の力になると思っているから、主が知りたがったら教えてくれる。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;279 お祭りの話<br />
　お祭りのシーンすき。<br />
　女性はあの駅で死んだ一般地縛霊。<br />
　審神者と目が合ったのでついてこようとしたけど青江と鬼丸に邪魔されたので睨んでた。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;286 チッチちゃんとカピバラちゃんの話<br />
　夢現で審神者が駅の女を思い出したことで女がやってきた。<br />
　二十三時四十八分のドンという音はカピバラちゃんの威嚇。審神者たちはカピバラちゃんの主である友人が招いた客だけど駅の女は違うから。<br />
<br />
＞ず、ず、と緩慢な動作で、マホガニーの縁から白い指先が現れる。<br />
＞誰かが机に乗って、こちらを覗き込もうとしているのだ。<br />
　&uarr;ここまでは駅の女。<br />
<br />
＞ドン、と強く天板が打ちつけられる。<br />
　&uarr;カピバラちゃん(中身)が駅の女の背中に刀を突き立てた。<br />
<br />
＞驚いて跳ねた肩が机の内壁へぶつかる。そして。<br />
＞ごろんと。<br />
＞逆さまに鬼の顔が覗いた。<br />
　&uarr;カピバラちゃん(中身)が上から審神者の無事を確認するのに覗き込んだ。<br />
<br />
　カピバラちゃんの剥製は友人がフィールドワークに行った先で「チッチちゃんのお友達になってくれるかな？」ってぬいぐるみ感覚で買ってきた。<br />
　この剥製には鬼の面を被って刀を下げた男の怨霊が憑いてたが、あまりも霊感がないあまり何をしてもノーダメージの友人と、見えてるはずなのにマイペースに暮らすチッチちゃんが自分のことをひたすらカピバラちゃんとして扱うので「自分はカピバラちゃんなのでは？」と思い始めていたところ。<br />
　この審神者の一件で刀剣達はカピバラちゃんの中身に気付いたけど、無害そうなうちは放っておいてる。<br />
　カピバラちゃんは付喪神の刀剣男士(しかもいっぱいいる)には100割敵わないと理解してるので「自分は可愛いカピバラちゃんですけど」って刀剣がいる前では剥製の中に引っ込んで出てこなくなる。<br />
　チッチちゃんは「子分(自分より後に連れてこられてきたので)が怯えてる」と思って刀剣が庭に入ろうとすると威嚇する。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;300 人魚椅子の話<br />
＞蔵の内側で、たとえば何か、箱や袋に入れられた状態で誰かが呻いているような。<br />
　&uarr;全身に麻袋を被せられて絞首刑にされた。<br />
<br />
　ヨーロッパのとある町で謎の連続死が発生した際、魔女の仕業だとして少し離れた集落の人間が全員処刑された。その集落では民間療法としてセテチュームというハーブが栽培されていた。<br />
　セテチュームは根を切り落として麻袋に入れ、オークの根本に三日三晩埋めて灰汁抜きをした後に塩水で茹でて乾燥させたものを煎じて飲む。当時は発汗作用や血流を良くする作用があると考えられており、発熱した時の薬として使われていた。<br />
　件の連続死で町の医者が死んでしまい、集落の医者が呼ばれた。そこで熱病の薬としてセテチュームを使ったが、町のオークが墓地の近くに生えていたため「墓を掘り起こして人骨を薬として使っている」と噂が広まり、「怪しげな呪術を使うに違いない」「連続死もあの医者の仕業では」と町人に糾弾された医者は殺されてしまった。<br />
　しかし連続死は収まらず、集落の人間は全員魔女だとして皆殺しにされた。<br />
　魔女は死ぬ間際に目を合わせた人間を呪い殺すとして全身を麻袋で包み、縄で縛り上げて首を吊らせる。その時に足場として使われた椅子の一つが裏手おじの家に伝わる椅子だった。<br />
　視界を塞がれて平衡感覚を失い、椅子から足を踏み外した人間が苦痛から逃れようともがく。その時、一つに縛られた足がまるで魚の鰭のように暴れたから人魚椅子。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;312　貝殻の話<br />
　大御福丸が航海中、船員の一人が海に落ちたと海上にて船を停止させた。<br />
　夜間のためライトで照らすとバシャバシャと水飛沫が立っており、時折海中から手が何かを掴もうと伸ばされる。<br />
　船員は急いで救命用の浮き輪を近くに投げて掴まるように声をかけるが、パニックになっているのか聞こえていないようだった。<br />
　そこで小型のボートを下ろして数名で救出に向かった。<br />
　それを船上で見守りながら船長が「それで、落ちたのは誰だ」と聞いた。船員達は甲板に集まった人間を目で数え、小型ボートの人数まで数えてを何度か繰り返した。誰もが不可解な、理解が出来ないといった顔をしていた。<br />
「全員います」<br />
　だがそれはありえないことだった。<br />
　船が停止した地点は陸からかなり離れており、また、潮流の複雑な海域を超えたところにあるため船舶なしには辿り着けない。しかし周囲に船影はなく、加えて真夜中だ。遠泳でここまで来たとは到底考えられない。<br />
　船長は嫌な予感がして、救出に向かった船員を一度呼び戻そうと甲板の柵から身を乗り出した。<br />
　いつの間にか水飛沫は収まっており、下の船員が皆一様に動きを止めて海面を見ていた。<br />
「おおい、一度上がってこい」<br />
　ボートの船員はその声に立ち上がり、そして全員が一斉に海に飛び込んだ。<br />
　なんだなんだと上の船員も柵に寄ってライトを掲げる。飛び込んだ船員は一人も浮かんでこなかった。真っ黒なインクのような水がとぷとぷと波打ち、無人になったボートだけが色を持って揺れている。<br />
「せ、船長、どうしますか」<br />
　隣に立つ船員が海面を見張ったまま言う。<br />
　船長は厳しい表情で同じ場所を睥睨し、持っていた大型のライトを海へ落とした。大きな水飛沫が上がり、黒の内側を透かしながらライトが沈んでいく。深く沈んでいくにつれ細く消えていく光のその道中に、女が立っていた。<br />
　女は白い着物に坊さんの袈裟を引っ掛け、首のない赤ん坊を逆さに抱いてこちらを見上げていた。溢れそうなほど大きく開いた双眸はまばたきひとつせず、なんの感情もなくただただこちらへ向けられている。<br />
　なんだあれは。<br />
　立ち泳ぎをしている風でもない、海の中に立っているようにしか見えなかった。<br />
　誰もが言葉を失って女を見下ろしていた。と、船長が船の縁へ立った。<br />
「ああああああああああああああああああああああああああ！」<br />
　重たい絶叫を迸らせ、船長は海へ飛び込んだ。<br />
　周囲の船員が停止する間もない、一瞬のことだった。<br />
　いったい何が起きているのか、口々に船長を呼びながら何人かは海を照らし、もう何人かは救援信号を送りに管制室へ向かおうとする。混乱の最中、船長の隣に立っていた船員が船の縁に立った。<br />
<br />
　この近辺で女を見た人間は海に飛び込んで死ぬ。<br />
　貝から聞こえた子供は別の場所で溺れてここまで流されてきた。<br />
　死ぬ間際に船が見えて、自分を必死に呼ぶ父親の声を思い出して「居場所を伝えなくては」とその想いが貝に宿っていた。<br />
　そこまでガチガチの怨霊でもないけど、良いものではないのであんまり関わらない方がいい。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;329/&gt;&gt;335　みちこさん殺しごっこ<br />
　自分では薬研が"みちこさん殺しごっこ"の名前を出すくだりめちゃエモ最高〜〜〜！って思ってる。いつもえほん見てくれる花丸フレンズのみんなたちも私よりえほんに詳しい勢が多くて「みちこさんの名前が出た瞬間スマホ投げました」って好評で嬉しかったです(*&acute;◒`*)<br />
<br />
＞黄色い花<br />
　Аが好きだった花。<br />
　怪異ではあるけどほぼ無害なくらい些細なもの。青江が祓ってただのお花にしてくれてた。<br />
　委員長はАが好きだった花を見て気分が悪くなったのと、Аが死んでから黄色い花が届くっていう怪奇現象があるのに普通にその花飾ってる人間におまじないの良し悪しなんて分かるのか？　って疑念が湧いて帰った。<br />
　みちこさん殺しごっこのみちこさんは、どちらにしようかなってあったじゃんスレででてきたみちこさんと同一。なんで全然関係ない地域でおまじないになってるのかと言うと、元々数え歌の時点で全然関係ない地域に飛び火してるような怪異だから。この町ではおまじないに変遷したって話。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;349　白椿おじと謎の婚姻届の話<br />
＞私はなるべく女性を見ないようにしながら、離縁状を細長く折って枝へと結びつけました。<br />
＞間違っても解けないように、紙の両端を逆手に握って力一杯に締めた、直後、縄と女の首がそこにありました。<br />
＞私は縄で女の首を締め上げていたんです。<br />
　&uarr;ここすき<br />
<br />
　以前にみちこさん殺しごっこでみちこさんになった女性。<br />
　"みちこさん殺しごっこ"の「みちこさんへ」は、こいつをみちこさんに差し上げますという宛名。みちこさんに差し上げられた人間は近いうちに死に、みちこさんに取り込まれてみちこさんになる。<br />
　これは、Аや婚姻届おばけのように個々として出現するが、存在としてはみちこさんの一部であるということ。姿形はАで、生前の思考や言動もある程度なぞった性質を持っているが、怪異としては"みちこさん"である。Аという布をみちこさんという布にパッチワークのように繫げたのではなく、みちこさんという布の一部がАの性質になった。<br />
　白椿おじが離縁届を出そうとした時に首を絞めてたのは、この女性の死因が絞殺だったから。結婚前日、新郎の元カノに首を絞められて殺された。元カノは殺した後で恐ろしくなり、自殺に偽装するために山の木に吊るした。その時、妹から聞いていたみちこさん殺しごっこを思い出し、死体が消えるかもしれないと思って「みちこさんへ」と口にした。<br />
　白椿おじが結婚相手に選ばれたのに理由ない。みちこさんの一部になった女性が活性化した時に適当に選ばれたのが白椿おじだった。<br />
　女性が新郎のことを深く愛していた性質が反映され、あの女性の部分のみ「怪異の自分に魅入られてしまって死んでしまうのが可哀想。逃してあげたい」という意思がある。なので離"縁"届。ただ、意思はあるけど結局はみちこさんなので女性がどんなに逃してあげたいって思ってても、ターゲットになった相手は死ぬ。<br />
　今回は離縁したあとでみちこさんが認識出来ないようになったので助かった。<br />
<br />
<br />
■岩井先生<br />
　岩井先生は昔からこの町にいた怪異。<br />
　塾生の間でだけたまに語られる程度の噂話だったが、塾が潰れた時に元塾生だった高校生が小学生の妹に教え、妹が友達に教えて広まった。潰れたことで塾生以外の人間も入り込めるようになったため、岩井先生の儀式を行う人間が増えて広まりやすかった。<br />
　岩井先生は"祝い先生"で"呪い先生"。<br />
　呪いの儀式や幽霊のことを教えてくれるのではなく、岩井先生が教えたことが呪いや怪奇になる。<br />
　今回の金茶髪ちゃんのことも、岩井先生が『虹を探す幽霊』だと教えたからそうなった。岩井先生に聞く前は場の霊力異常で現れた浮遊霊だった。<br />
　塾の裏手の松の木におみくじを結ぶのは、あの場所が神域の一部だと認識されており「土地神が住んでいる場所の木に結んだ方が願いが叶う」といった土着信仰のようなものがあるため。元々あの場所には周辺の家々が共同で祀っている屋敷神のようなものの祠があり、祠が撤去されるまでは神社の祭りに合わせて飾り付けられていたり供物台などが設置されていたため、屋敷神と知らない人間は神社の一部だと勘違いしていた。<br />
　足跡が松の木に続いていたのは、岩井先生が生み出した呪いであるため岩井先生の居場所である塾に戻ってきていたから。足跡が途切れるのはあそこを境目に神域になるから。祓うほどの力はないが、ある程度まで呪いや霊を抑制している。<br />
　金茶髪ちゃんが翌日に送迎を断ったのは、委員長を裏切って自分だけ助かろうとした罪悪感に耐えられなくなったから。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;361　二回目のみちこさん殺しごっこ<br />
＞木陰で喋る委員長の端末は、子供の靴先と、己に寄り添うように置かれたうさぎの小さなぬいぐるみを青白く照らし出していた。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;367　 <br />
　岩井先生が委員長に教えたのは『人間の首を絞めながら「みちこさんへ」と唱えると、相手がみちこさんに捧げられて死ぬ』という呪い。<br />
　委員長がАでみちこさん殺しごっこをした時に発生した異常霊力は全て、岩井先生が委員長に作った呪いを実現させるために消費されたので傍目には霊力変動がなかったように見える。<br />
　委員長が他の児童に教えたのはぬいぐるみや人形などで代用していたため、霊力変動が発生してもそこまで激しくなりにくかった。霊感がある子供や、本当に呪った相手が死んだ時に大きな変動が発生した。<br />
　委員長の二回目のみちこさん殺しごっこで場の霊力が乱れたのは、もう霊力消費しなくても呪いは実在してるから。<br />
<br />
＞そんなことを考えているうちに、言いたいことが尽きたのか女性は静かになった。<br />
　&uarr;あーちゃんは下を向いていて気付かなかったが、自分がドアを殴ってないタイミングで音が鳴ったから母親はその音の方を見ていた。<br />
<br />
　玄関先に来てたのは、この町で呪いの儀式と混ざって変遷した部分のみちこさん。<br />
　委員長は自分をみちこさんに差し出した。Аを呪いで殺した時から自分もみちこさんで死ぬって決めてた。<br />
　みちこさん殺しごっこの成立に必要なのは"首を絞めること"で、首を絞めたものが死ぬ必要なはい。そのため委員長は、自分が首を吊った時点で呪いが成立して数分後に死ぬことで呪いが成就される、と考えていた。しかし自殺で死ぬのは呪いで死ぬことではないので、呪いが成立したのに呪いの対象が存在しない状態になった。<br />
　つまりこの町に、人を殺す呪いが活性化した状態で放たれた。おそらく無差別に誰かが殺されるが、差し出された人間を殺すまで非活性化しないため誰を殺しても止まらない。委員長を殺したら止まる。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;383　お別れ会<br />
・作文<br />
「将来の夢、五年三組、■■■■(Аの名前)」<br />
「私の将来の夢は、学校の先生になることです」<br />
<br />
・二回目のみちこさん殺しごっこ<br />
「金茶髪ちゃんと委員長は仲が良かったんだと思う。金茶髪ちゃんがランドセルにつけてたキーホルダーのぬいぐるみと同じものが委員長の自殺現場にもあって、ずっと見えるところに座らされてたから」<br />
<br />
・流れた音声について<br />
　黒髪ちゃんがやった。<br />
　放送委員会には放送室の合鍵がある。これは他の委員が鍵を返し忘れて帰宅したり、誰が持ってるか分からない時のために生徒間だけで共有されているもの。<br />
　この鍵を使って放送室に入り、タイマーを使っていじめ現場の音声が体育館に流れるようにした。<br />
　作文音声は知らない。<br />
<br />
・拍手<br />
　一人が拍手を始めて、それが伝播した。<br />
＞女子児童は拍手を止めずに体育館から連れ出され、箱の中から外へと音が広がっていく。<br />
　&uarr;呪いの流出の暗喩<br />
<br />
<br />
■うってのばして<br />
＞赤い木の一番低い枝に、黄色い花をつけた枝が括り下げられている。<br />
　&uarr;委員長<br />
<br />
　呪殺の不成立によりみちこさんの一部にならなかった委員長を正しく殺し直すための儀式。<br />
　でも青江以外は誰もこの儀式の正しい意味を知らない。<br />
<br />
＞「今は入らない方がいい。巻き込まれるから」<br />
＞きっと青江は今なにが起きているか、なにが起ころうとしているのか察しているんじゃないかと思う。止めるにはきっと手遅れで、俺を関わらせたくないから煮え切らない返事をしたのではないかと。<br />
＞町立小学校の教員だろう。<br />
＞そうして俺たちが避けた隙間ですれ違い、大股で一足飛びに広場へと飛び込んだ。<br />
＞青江は男性を止めなかった。<br />
<br />
　委員長を殺すまでみちこさん殺しごっこの呪いは非活性化しない。<br />
＞男性は一際大きな声で叫んで無理やり輪の中央へと入っていった。それから吊り下げられていた花を掴み、紐を括っている紅葉樹の枝ごと折り取って地面に叩きつけた。<br />
＞教員の足元へ、ヒースがぐったり横たわっている。叩き落とされた時に折れたのか、束ねられていた一本があらぬ方向へ捻じ曲がって花弁をぐちゃぐちゃに散らばらせている黄色い花。<br />
　&uarr;委員長は教員がころした<br />
<br />
＞まったまったのみちこさん　うってのばしてひっぱって<br />
＞まいて(？？？)て　じごくいき<br />
<br />
＞音は下まで落ちて根元の朽ち葉を圧し潰し、間髪入れずに地面を踏み荒らしながらどこかへ走り去っていった、ようだった。<br />
　&darr;じごくいき<br />
<br />
<br />
■いじめ主犯のАについて<br />
　Аの家は代々この町を取りまとめてきた家系であり、町長が据えられた現在においても「何かあれば庄屋さんに」という意識が町民に根付いている。<br />
　Аは一人娘であり、将来はこの家を継ぐ者としてずっと育てられてきた。また、А自身も現当主である祖父をとても慕っており、将来は祖父のように立派に当主を勤め上げるつもりでいた。<br />
<br />
　委員長が引っ越してきてすぐにいじめが始まったわけではない。<br />
　むしろ、村社会のような排他的な面がある土地で暮らすのは大変だろうと、Аは委員長一家を助けていた。庄屋の孫娘である自分が仲良くすれば、町民も倣って一家に仲良くすると分かっていたから。<br />
　しかしАは委員長一家が越してきた理由を知らなかった。祖父や大人たちはАに隠していた。<br />
　委員長の父親はАの祖父と借金返済の話し合いを行い、金額が金額であるため担保として高価な家財や土地の権利を一部預かることに同意した。この際、どの家財を担保とするのかまたは売却するのか、土地はどこを預けるのか、などの話し合いが長期化する可能性があり、ちょうど母親の勤務先が隣町に異動になったため一時的に町へ越してきた。<br />
　契約の中で、Аの祖父は妻(Аの祖母にあたる)の形見であるブローチを手放した。これは家財の中ではそこまで価値のあるものではなく、子供や孫に少しでも財産を残すためだった。<br />
　この頃から祖父は体調を崩し、委員長が五学年に上がった頃に他界した。<br />
　祖父が死んだ時に初めてАは借金や形見のブローチを手放した話を聞いた。<br />
　そして、祖父が他界した日、町立小学校では生徒会長を選ぶ選挙の結果が発表された。<br />
　生徒会長には五学年から立候補できる。Аはもちろん立候補し、周囲も当然Аが選ばれると思っていた。今まで五学年で当選した児童はおらず、Аは学校創立初の五学年生徒会長になり、将来この町を背負う娘としての手腕を培っていく。<br />
　しかし当選したのは委員長だった。<br />
　Аはショックを受けたが、委員長の学力が自分よりも優れていることは認めていたし、やや閉塞的な町に新たな風を吹かせるためには彼女の就任は意味のあることだとステージの上で祝福した。<br />
　そして誰もいない体育館の裏で、祖父との約束を守れなかった、自分はこの町を守らなきゃいけないのに、と声もなく泣いた。<br />
　Аの側で彼女の頑張りをずっと見ていた二人の親友も一緒に泣きながら「来年は絶対なろう」「どんなことがあっても、町のみんながАを応援してるんだから」と彼女を抱きしめた。<br />
　ひとしきり泣いて落ち着きを取り戻したАは、二人の前で子供のように泣いてしまったのが気恥ずかしくなった。「教室に忘れ物しちゃったから取りに行ってくる」と、ついでに顔を洗ってこようとクラスに戻り、中で同じクラスの男子数人が話すのを聞いた。<br />
<br />
　「お前さ、どっち投票した？」<br />
　「●●」<br />
　「マジ？　俺もどうせАが当選すると思ってシャレで●●に入れたんだけど」<br />
　「俺は●●の方が顔可愛いから入れた」<br />
　「お前やば(笑)」<br />
<br />
　絶対に生徒会長になるという祖父との約束を自分は守れなかった。<br />
　こんなくだならない理由で。<br />
　祖父は死んでもう二度と約束は果たせなくなった。<br />
　祖父は大事な、祖母の形見を手放した。<br />
　祖母の形見のブローチはヒースの花を象ったもので、『荒野でも咲く花、孤独な花。あの花が咲いていると、その荒野もヒースと呼ばれる。そして他に移されることを嫌う、繊細な花。まるであなたのようだ』と祖父が祖母にプロポーズした時に贈った。Аはこの話が大好きで、祖母が存命の時に何度も「聞かせてほしい」とねだった。祖父はそこまで気に入っているなら同じものをАにも贈ろうかと提案したが、「私もおじいちゃんみたいに素敵な人からもらうからいいの」とすまして言って、「そうかそうか」と頭を撫でられた。<br />
　そういう温かい思い出も、祖父の命も、約束も、自分の過去も未来も、全てをあの一家に奪われた。<br />
　そんな気がした。<br />
　庄屋の孫娘である自分が親しくすれば町民もそれに倣う。<br />
　委員長の名前はえりか。<br />
<br />
<br />
■金茶髪ちゃんと黒髪ちゃんについて<br />
　金茶髪ちゃんは委員長より少し前に引っ越してきた。<br />
　髪や目の色を理由にクラスメイトからなんとなく疎遠にされていて、唯一仲良くしてくれていたのが隣の席の黒髪ちゃんだった。<br />
　しばらくして委員長が引っ越してきて、町外の人間同士で通じるものがあり二人はすぐに親友になった。<br />
　当時の委員長は大人しいけれどよく笑う子供で、本やネットを通じて色々な話を知っていた。金茶髪ちゃんは人の話を聞くのが好きなタイプで、二人は時間を忘れてお喋りに興じることもあった。<br />
　委員長へのいじめが始まった時、庇おうとした金茶髪ちゃんを止めたのは黒髪ちゃんだった。<br />
　もし委員長を庇えば金茶髪ちゃんもターゲットにされる。それに金茶髪ちゃんの家にいるのはおばあさんだけで、おばあさんはこの町の他に行くところがないから被害にあうのは自分だけじゃない。だから表立って庇ったりするのはよくないと。<br />
　金茶髪ちゃんと黒髪ちゃんはАたちにバレないように、さりげなく委員長を助けようとした。けれど教師すら味方ではない環境でそれはとても困難なことで、結果的に委員長を見殺しにしてしまった。<br />
　お別れ会の日、乱が保健室を出て行った後で金茶髪ちゃんは「えりかちゃんに謝りに行きたい」と言い出した。<br />
　黒髪ちゃんは「今度は絶対成功する方法を考えるから、私を一人にしないで、委員長もあなたもいなくならないで」と懇願し、そうして二人で委員長をみちこさんにする方法を見つけた。<br />
<br />
<br />
■黒髪ちゃんについて<br />
　黒髪ちゃんは代々この町に住んでいる人間で、この町にうんざりしていた。<br />
　高校は県外に出て、そのまま町には戻らないつもりでいた。<br />
　そんな時に金茶髪ちゃんが転校してきた。<br />
　都会に住んでいた、外国人のような外見の女の子。<br />
　自分にはないものばかりで出来ている彼女が、黒髪ちゃんには光に見えた。自分がこの子をくだらない町から守らなくてはならない、といつも一緒にいた。ランドセルの色が偶然同じだったのも、運命に思えた。<br />
　少しして委員長が引っ越してきた。<br />
　金茶髪ちゃんはあっという間に委員長と仲良くなった。委員長も金茶髪ちゃんと同じく都会から来た子供で、流行や好きなもの、前の学校などとても話が合う。金茶髪ちゃんほど内気でも人見知りでもなく、自分が守らなくても、むしろ金茶髪ちゃんのことも委員長が守れるくらいしっかりしていた。<br />
　黒髪ちゃんはこの時はじめて自分の中にある排他的な悪意を見た。結局、自分もこの町と同じなのだと絶望した。<br />
　だから黒髪ちゃんは、自分の中に生まれる感情を全部無視した。無視すれば、存在しないことになる。自分はこの町の人間とは違うままでいたいから。<br />
　委員長がいじめにあっている時、夜中に委員長の家に行った。委員長の両親が仕事で留守にする日は町民の誰もが知っていた。<br />
　金茶髪ちゃんの家庭の事情があって表立っては助けられないことを謝罪し、けれど自分たちは味方であると話した。そして、いわい先生のことを教えた。<br />
　結果としていじめは無くなったが、委員長は孤立してしまった。<br />
　委員長はもう自分達とは仲良くしないだろうし、金茶髪ちゃんもいじめを止めなかった分際でまた仲良くなんて出来ないと思っている。そして金茶髪ちゃんは、委員長がひとりになったことをとても気に病んでいる。<br />
　だから黒髪ちゃんは下級生に教えた。<br />
　「嫌いな男子を呪いたいなら、委員長に相談すればきっと助けてもらえる」<br />
<br />
　金茶髪ちゃんを自殺させないために、黒髪ちゃんはまだ誰も戻っていない教室に彼女を連れて戻った。<br />
　そして委員長のロッカーの扉を開き、その裏側にテープで貼り付けられていたノートを剥がした。<br />
　委員長がАを呪う方法を書いたノート。もし委員長に誰かが悪戯しようとしたら、呪いのノートが見えるようになっている。Аの死後は誰も委員長に手を出さなかったから、きっとここにノートがあるのは本人と自分しか知らない。<br />
　正しい呪いの手順が分かれば、この町の人間に復讐ができる。<br />
　死人に会うことは出来なくとも、復讐の手段があることで「委員長のために誰かを殺すか」と金茶髪ちゃんは悩むだろう。そうすれば自殺を決意するまでの時間を引き伸ばすことが出来る。<br />
　ノートをめくると、最初のページにみちこさん殺しごっこのやり方が書いてあった。<br />
　Аにわざと見付けさせるために大きめに書かれた文字。<br />
　えりかちゃん、と呟いて金茶髪ちゃんが涙をこぼす。<br />
　黒髪ちゃんは他に何か、委員長の痕跡がないかという想いでページをめくった。<br />
　Аへの罠のために作ったノートだから、他には何も書かれていない。はずだった。<br />
　最後のページにまた、みちこさん殺しごっことは違う呪いの方法が貼り付けてあった。<br />
　コピー用紙に印刷されたそれは手書きではなく、誰が書いたのかは分からない。ただ、これは死んだ人を呼び戻せる方法だと思った。<br />
　この儀式をするためにはたくさんの人間が要る。<br />
　黒髪ちゃんは再び下級生に教えた。<br />
　「委員長が怨霊になってしまった。きっと無差別に私たちを殺しにくる&hellip;&hellip;だから委員長をみちこさんにして、呼び出さなければ現れないようにした方がいいかも」<br />
<br />
<br />
■お題<br />
歌仙兼定(極)/後ろ姿<br />
歌仙兼定/その背もたれはカーブしていた<br />
鶴丸国永/カピバラ<br />
乱藤四郎/金魚すくい<br />
乱藤四郎/マリオネット<br />
泛塵/貝殻<br />
山姥切国広(極)/黄色い花束<br />
大倶利伽羅/判子<br />
大倶利伽羅/繫いだ手<br />
鬼丸国綱/夢<br />
三日月宗近/虹<br />
にっかり青江/深夜のファミレス<br />
にっかり青江/ぶんぶんチョッパー<br />
薬研藤四郎/悪魔<br />
加州清光/天使</div>]]>
    </description>
    <category>chocolate</category>
    <link>https://ghostinmug.blog.shinobi.jp/chocolate/halovini14dm</link>
    <pubDate>Sun, 22 Jan 2023 19:53:35 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">ghostinmug.blog.shinobi.jp://entry/79</guid>
  </item>
    <item>
    <title>刀剣男士とオカルトと審神者14d</title>
    <description>
    <![CDATA[<strong>刀剣男士とオカルトと審神者14d(みちこさん篇)</strong><br />
<a href="https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17344258" title="pixiv" target="_blank">https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17344258</a><br />
　「まったまったの」に引きずられるせいで、まちこさんだったかみちこさんだったか分からなくなりがちなおばけ第一位。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;265 形見の鏡の話<br />
＞「うわ❤︎パワハラハゲじゃん❤︎髪も人望もないのカワイソー❤︎替えがきく社会の歯車の上に❤︎貧しい心❤︎貧しい毛根❤︎ざぁこ❤︎ざぁこ❤︎」<br />
　ここすき<br />
<br />
　鏡を形見分けされて幽霊の女の存在が判明し、しばらくしてから処分を決めたみたいに言ってたけど、実際は形見分けされた日から処分するって決めてた。<br />
　Еちゃんの言っていた通り当時は忙しかったので、処分を先送りにしていただけ。<br />
　家族親戚や本丸の刀剣男士への言い訳として幽霊話は渡りに船だった。もし幽霊が出なかったら日常的に立ち入らない部屋に放置してから折を見て適当に割って処分するつもりだった。<br />
　理由は祖母が嫌いだから。<br />
　Еちゃんにとって祖母は一片の情も残らない相手だった。周りには外面良くして「自分は家族のために尽くして苦労している」と吹聴し、家族でも祖父や父親や兄には媚びて、母親や自分や妹には横柄な態度で奴隷のような扱いをする。母親は自分の親の介護を理由にほとんど家に戻ってこなくなり、男連中は「もうすぐ死ぬ婆さんのやることだから」と取り合ってくれなかったので、高校入学と同時に小五の妹を連れて家を出た。審神者になる時は妹が家に帰りたくないと言ったので全寮制の中学に入れ、学費や生活費を出している。<br />
<br />
＞そう思ってЕちゃんを振り見た瞬間、彼女は能面のようにごっそりと感情を落として青江の言葉を聞いていた。<br />
　&uarr;これは、青江の言葉が<br />
＞「この鏡を手元に置きたいなら、ここの青江にでも斬らせればいい。そうでないならば完全に廃棄してしまうんだね」<br />
　&uarr;そうでないならば＝手元に置く気がないなら、だったので自分が最初から鏡を処分するうつもりなのを見透かされていると気付いて「この"男"も理解せず止めるのだろうか」という考えが過ぎったから。<br />
　Еちゃんは家族のことがあって、男は自分の味方にはならないと思っている。自分の刀剣男士に対してもそのせいでどこか信頼しきれずにいる。<br />
　刀剣男士は自分達に理由がないところで主が悩んでいるのをなんとなく肌で察して見守っている。「祖母が大嫌いだから形見でも鏡は捨てる」って事情を話したら普通に「それは捨てた方がいい」って同意する。<br />
<br />
＞「え、なんで？　青江なら斬れるんでしょ？　Еちゃんって自分の青江とあんまり仲良くないとか？」<br />
＞「主は御家族にたくさん愛されて、青江を信頼しているんだね」<br />
　&uarr;斬れない理由を青江自身じゃなくて周囲の環境にあるとなんの疑問もなく考えているから。<br />
<br />
＞宗三が細めた目をこちらへ流し、慈しむように優しく、優しく、笑って言った。<br />
＞「祖母が嫌いだからですよ」<br />
　&uarr;歌仙と青江は主の優しさや善性は得難いものだと思っているから、不必要な悪意からは隠してくれる。<br />
　　宗三は理不尽な悪意や動機のない憎悪に触れて傷付くことも主の力になると思っているから、主が知りたがったら教えてくれる。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;279 お祭りの話<br />
　お祭りのシーンすき。<br />
　女性はあの駅で死んだ一般地縛霊。<br />
　審神者と目が合ったのでついてこようとしたけど青江と鬼丸に邪魔されたので睨んでた。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;286 チッチちゃんとカピバラちゃんの話<br />
　夢現で審神者が駅の女を思い出したことで女がやってきた。<br />
　二十三時四十八分のドンという音はカピバラちゃんの威嚇。審神者たちはカピバラちゃんの主である友人が招いた客だけど駅の女は違うから。<br />
<br />
＞ず、ず、と緩慢な動作で、マホガニーの縁から白い指先が現れる。<br />
＞誰かが机に乗って、こちらを覗き込もうとしているのだ。<br />
　&uarr;ここまでは駅の女。<br />
<br />
＞ドン、と強く天板が打ちつけられる。<br />
　&uarr;カピバラちゃん(中身)が駅の女の背中に刀を突き立てた。<br />
<br />
＞驚いて跳ねた肩が机の内壁へぶつかる。そして。<br />
＞ごろんと。<br />
＞逆さまに鬼の顔が覗いた。<br />
　&uarr;カピバラちゃん(中身)が上から審神者の無事を確認するのに覗き込んだ。<br />
<br />
　カピバラちゃんの剥製は友人がフィールドワークに行った先で「チッチちゃんのお友達になってくれるかな？」ってぬいぐるみ感覚で買ってきた。<br />
　この剥製には鬼の面を被って刀を下げた男の怨霊が憑いてたが、あまりも霊感がないあまり何をしてもノーダメージの友人と、見えてるはずなのにマイペースに暮らすチッチちゃんが自分のことをひたすらカピバラちゃんとして扱うので「自分はカピバラちゃんなのでは？」と思い始めていたところ。<br />
　この審神者の一件で刀剣達はカピバラちゃんの中身に気付いたけど、無害そうなうちは放っておいてる。<br />
　カピバラちゃんは付喪神の刀剣男士(しかもいっぱいいる)には100割敵わないと理解してるので「自分は可愛いカピバラちゃんですけど」って刀剣がいる前では剥製の中に引っ込んで出てこなくなる。<br />
　チッチちゃんは「子分(自分より後に連れてこられてきたので)が怯えてる」と思って刀剣が庭に入ろうとすると威嚇する。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;300 人魚椅子の話<br />
＞蔵の内側で、たとえば何か、箱や袋に入れられた状態で誰かが呻いているような。<br />
　&uarr;全身に麻袋を被せられて絞首刑にされた。<br />
<br />
　ヨーロッパのとある町で謎の連続死が発生した際、魔女の仕業だとして少し離れた集落の人間が全員処刑された。その集落では民間療法としてセテチュームというハーブが栽培されていた。<br />
　セテチュームは根を切り落として麻袋に入れ、オークの根本に三日三晩埋めて灰汁抜きをした後に塩水で茹でて乾燥させたものを煎じて飲む。当時は発汗作用や血流を良くする作用があると考えられており、発熱した時の薬として使われていた。<br />
　件の連続死で町の医者が死んでしまい、集落の医者が呼ばれた。そこで熱病の薬としてセテチュームを使ったが、町のオークが墓地の近くに生えていたため「墓を掘り起こして人骨を薬として使っている」と噂が広まり、「怪しげな呪術を使うに違いない」「連続死もあの医者の仕業では」と町人に糾弾された医者は殺されてしまった。<br />
　しかし連続死は収まらず、集落の人間は全員魔女だとして皆殺しにされた。<br />
　魔女は死ぬ間際に目を合わせた人間を呪い殺すとして全身を麻袋で包み、縄で縛り上げて首を吊らせる。その時に足場として使われた椅子の一つが裏手おじの家に伝わる椅子だった。<br />
　視界を塞がれて平衡感覚を失い、椅子から足を踏み外した人間が苦痛から逃れようともがく。その時、一つに縛られた足がまるで魚の鰭のように暴れたから人魚椅子。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;312　貝殻の話<br />
　大御福丸が航海中、船員の一人が海に落ちたと海上にて船を停止させた。<br />
　夜間のためライトで照らすとバシャバシャと水飛沫が立っており、時折海中から手が何かを掴もうと伸ばされる。<br />
　船員は急いで救命用の浮き輪を近くに投げて掴まるように声をかけるが、パニックになっているのか聞こえていないようだった。<br />
　そこで小型のボートを下ろして数名で救出に向かった。<br />
　それを船上で見守りながら船長が「それで、落ちたのは誰だ」と聞いた。船員達は甲板に集まった人間を目で数え、小型ボートの人数まで数えてを何度か繰り返した。誰もが不可解な、理解が出来ないといった顔をしていた。<br />
「全員います」<br />
　だがそれはありえないことだった。<br />
　船が停止した地点は陸からかなり離れており、また、潮流の複雑な海域を超えたところにあるため船舶なしには辿り着けない。しかし周囲に船影はなく、加えて真夜中だ。遠泳でここまで来たとは到底考えられない。<br />
　船長は嫌な予感がして、救出に向かった船員を一度呼び戻そうと甲板の柵から身を乗り出した。<br />
　いつの間にか水飛沫は収まっており、下の船員が皆一様に動きを止めて海面を見ていた。<br />
「おおい、一度上がってこい」<br />
　ボートの船員はその声に立ち上がり、そして全員が一斉に海に飛び込んだ。<br />
　なんだなんだと上の船員も柵に寄ってライトを掲げる。飛び込んだ船員は一人も浮かんでこなかった。真っ黒なインクのような水がとぷとぷと波打ち、無人になったボートだけが色を持って揺れている。<br />
「せ、船長、どうしますか」<br />
　隣に立つ船員が海面を見張ったまま言う。<br />
　船長は厳しい表情で同じ場所を睥睨し、持っていた大型のライトを海へ落とした。大きな水飛沫が上がり、黒の内側を透かしながらライトが沈んでいく。深く沈んでいくにつれ細く消えていく光のその道中に、女が立っていた。<br />
　女は白い着物に坊さんの袈裟を引っ掛け、首のない赤ん坊を逆さに抱いてこちらを見上げていた。溢れそうなほど大きく開いた双眸はまばたきひとつせず、なんの感情もなくただただこちらへ向けられている。<br />
　なんだあれは。<br />
　立ち泳ぎをしている風でもない、海の中に立っているようにしか見えなかった。<br />
　誰もが言葉を失って女を見下ろしていた。と、船長が船の縁へ立った。<br />
「ああああああああああああああああああああああああああ！」<br />
　重たい絶叫を迸らせ、船長は海へ飛び込んだ。<br />
　周囲の船員が停止する間もない、一瞬のことだった。<br />
　いったい何が起きているのか、口々に船長を呼びながら何人かは海を照らし、もう何人かは救援信号を送りに管制室へ向かおうとする。混乱の最中、船長の隣に立っていた船員が船の縁に立った。<br />
<br />
　この近辺で女を見た人間は海に飛び込んで死ぬ。<br />
　貝から聞こえた子供は別の場所で溺れてここまで流されてきた。<br />
　死ぬ間際に船が見えて、自分を必死に呼ぶ父親の声を思い出して「居場所を伝えなくては」とその想いが貝に宿っていた。<br />
　そこまでガチガチの怨霊でもないけど、良いものではないのであんまり関わらない方がいい。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;329/&gt;&gt;335　みちこさん殺しごっこ<br />
　自分では薬研が"みちこさん殺しごっこ"の名前を出すくだりめちゃエモ最高〜〜〜！って思ってる。いつもえほん見てくれる花丸フレンズのみんなたちも私よりえほんに詳しい勢が多くて「みちこさんの名前が出た瞬間スマホ投げました」って好評で嬉しかったです(*&acute;◒`*)<br />
<br />
＞黄色い花<br />
　Аが好きだった花。<br />
　怪異ではあるけどほぼ無害なくらい些細なもの。青江が祓ってただのお花にしてくれてた。<br />
　委員長はАが好きだった花を見て気分が悪くなったのと、Аが死んでから黄色い花が届くっていう怪奇現象があるのに普通にその花飾ってる人間におまじないの良し悪しなんて分かるのか？　って疑念が湧いて帰った。<br />
　みちこさん殺しごっこのみちこさんは、どちらにしようかなってあったじゃんスレででてきたみちこさんと同一。なんで全然関係ない地域でおまじないになってるのかと言うと、元々数え歌の時点で全然関係ない地域に飛び火してるような怪異だから。この町ではおまじないに変遷したって話。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;349　白椿おじと謎の婚姻届の話<br />
＞私はなるべく女性を見ないようにしながら、離縁状を細長く折って枝へと結びつけました。<br />
＞間違っても解けないように、紙の両端を逆手に握って力一杯に締めた、直後、縄と女の首がそこにありました。<br />
＞私は縄で女の首を締め上げていたんです。<br />
　&uarr;ここすき<br />
<br />
　以前にみちこさん殺しごっこでみちこさんになった女性。<br />
　"みちこさん殺しごっこ"の「みちこさんへ」は、こいつをみちこさんに差し上げますという宛名。みちこさんに差し上げられた人間は近いうちに死に、みちこさんに取り込まれてみちこさんになる。<br />
　これは、Аや婚姻届おばけのように個々として出現するが、存在としてはみちこさんの一部であるということ。姿形はАで、生前の思考や言動もある程度なぞった性質を持っているが、怪異としては"みちこさん"である。Аという布をみちこさんという布にパッチワークのように繫げたのではなく、みちこさんという布の一部がАの性質になった。<br />
　白椿おじが離縁届を出そうとした時に首を絞めてたのは、この女性の死因が絞殺だったから。結婚前日、新郎の元カノに首を絞められて殺された。元カノは殺した後で恐ろしくなり、自殺に偽装するために山の木に吊るした。その時、妹から聞いていたみちこさん殺しごっこを思い出し、死体が消えるかもしれないと思って「みちこさんへ」と口にした。<br />
　白椿おじが結婚相手に選ばれたのに理由ない。みちこさんの一部になった女性が活性化した時に適当に選ばれたのが白椿おじだった。<br />
　女性が新郎のことを深く愛していた性質が反映され、あの女性の部分のみ「怪異の自分に魅入られてしまって死んでしまうのが可哀想。逃してあげたい」という意思がある。なので離"縁"届。ただ、意思はあるけど結局はみちこさんなので女性がどんなに逃してあげたいって思ってても、ターゲットになった相手は死ぬ。<br />
　今回は離縁したあとでみちこさんが認識出来ないようになったので助かった。<br />
<br />
<br />
■岩井先生<br />
　岩井先生は昔からこの町にいた怪異。<br />
　塾生の間でだけたまに語られる程度の噂話だったが、塾が潰れた時に元塾生だった高校生が小学生の妹に教え、妹が友達に教えて広まった。潰れたことで塾生以外の人間も入り込めるようになったため、岩井先生の儀式を行う人間が増えて広まりやすかった。<br />
　岩井先生は"祝い先生"で"呪い先生"。<br />
　呪いの儀式や幽霊のことを教えてくれるのではなく、岩井先生が教えたことが呪いや怪奇になる。<br />
　今回の金茶髪ちゃんのことも、岩井先生が『虹を探す幽霊』だと教えたからそうなった。岩井先生に聞く前は場の霊力異常で現れた浮遊霊だった。<br />
　塾の裏手の松の木におみくじを結ぶのは、あの場所が神域の一部だと認識されており「土地神が住んでいる場所の木に結んだ方が願いが叶う」といった土着信仰のようなものがあるため。元々あの場所には周辺の家々が共同で祀っている屋敷神のようなものの祠があり、祠が撤去されるまでは神社の祭りに合わせて飾り付けられていたり供物台などが設置されていたため、屋敷神と知らない人間は神社の一部だと勘違いしていた。<br />
　足跡が松の木に続いていたのは、岩井先生が生み出した呪いであるため岩井先生の居場所である塾に戻ってきていたから。足跡が途切れるのはあそこを境目に神域になるから。祓うほどの力はないが、ある程度まで呪いや霊を抑制している。<br />
　金茶髪ちゃんが翌日に送迎を断ったのは、委員長を裏切って自分だけ助かろうとした罪悪感に耐えられなくなったから。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;361　二回目のみちこさん殺しごっこ<br />
＞木陰で喋る委員長の端末は、子供の靴先と、己に寄り添うように置かれたうさぎの小さなぬいぐるみを青白く照らし出していた。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;367　 <br />
　岩井先生が委員長に教えたのは『人間の首を絞めながら「みちこさんへ」と唱えると、相手がみちこさんに捧げられて死ぬ』という呪い。<br />
　委員長がАでみちこさん殺しごっこをした時に発生した異常霊力は全て、岩井先生が委員長に作った呪いを実現させるために消費されたので傍目には霊力変動がなかったように見える。<br />
　委員長が他の児童に教えたのはぬいぐるみや人形などで代用していたため、霊力変動が発生してもそこまで激しくなりにくかった。霊感がある子供や、本当に呪った相手が死んだ時に大きな変動が発生した。<br />
　委員長の二回目のみちこさん殺しごっこで場の霊力が乱れたのは、もう霊力消費しなくても呪いは実在してるから。<br />
<br />
＞そんなことを考えているうちに、言いたいことが尽きたのか女性は静かになった。<br />
　&uarr;あーちゃんは下を向いていて気付かなかったが、自分がドアを殴ってないタイミングで音が鳴ったから母親はその音の方を見ていた。<br />
<br />
　玄関先に来てたのは、この町で呪いの儀式と混ざって変遷した部分のみちこさん。<br />
　委員長は自分をみちこさんに差し出した。Аを呪いで殺した時から自分もみちこさんで死ぬって決めてた。<br />
　みちこさん殺しごっこの成立に必要なのは"首を絞めること"で、首を絞めたものが死ぬ必要なはい。そのため委員長は、自分が首を吊った時点で呪いが成立して数分後に死ぬことで呪いが成就される、と考えていた。しかし自殺で死ぬのは呪いで死ぬことではないので、呪いが成立したのに呪いの対象が存在しない状態になった。<br />
　つまりこの町に、人を殺す呪いが活性化した状態で放たれた。おそらく無差別に誰かが殺されるが、差し出された人間を殺すまで非活性化しないため誰を殺しても止まらない。委員長を殺したら止まる。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;383　お別れ会<br />
・作文<br />
「将来の夢、五年三組、■■■■(Аの名前)」<br />
「私の将来の夢は、学校の先生になることです」<br />
<br />
・二回目のみちこさん殺しごっこ<br />
「金茶髪ちゃんと委員長は仲が良かったんだと思う。金茶髪ちゃんがランドセルにつけてたキーホルダーのぬいぐるみと同じものが委員長の自殺現場にもあって、ずっと見えるところに座らされてたから」<br />
<br />
・流れた音声について<br />
　黒髪ちゃんがやった。<br />
　放送委員会には放送室の合鍵がある。これは他の委員が鍵を返し忘れて帰宅したり、誰が持ってるか分からない時のために生徒間だけで共有されているもの。<br />
　この鍵を使って放送室に入り、タイマーを使っていじめ現場の音声が体育館に流れるようにした。<br />
　作文音声は知らない。<br />
<br />
・拍手<br />
　一人が拍手を始めて、それが伝播した。<br />
＞女子児童は拍手を止めずに体育館から連れ出され、箱の中から外へと音が広がっていく。<br />
　&uarr;呪いの流出の暗喩<br />
<br />
<br />
■うってのばして<br />
＞赤い木の一番低い枝に、黄色い花をつけた枝が括り下げられている。<br />
　&uarr;委員長<br />
<br />
　呪殺の不成立によりみちこさんの一部にならなかった委員長を正しく殺し直すための儀式。<br />
　でも青江以外は誰もこの儀式の正しい意味を知らない。<br />
<br />
＞「今は入らない方がいい。巻き込まれるから」<br />
＞きっと青江は今なにが起きているか、なにが起ころうとしているのか察しているんじゃないかと思う。止めるにはきっと手遅れで、俺を関わらせたくないから煮え切らない返事をしたのではないかと。<br />
＞町立小学校の教員だろう。<br />
＞そうして俺たちが避けた隙間ですれ違い、大股で一足飛びに広場へと飛び込んだ。<br />
＞青江は男性を止めなかった。<br />
<br />
　委員長を殺すまでみちこさん殺しごっこの呪いは非活性化しない。<br />
＞男性は一際大きな声で叫んで無理やり輪の中央へと入っていった。それから吊り下げられていた花を掴み、紐を括っている紅葉樹の枝ごと折り取って地面に叩きつけた。<br />
＞教員の足元へ、ヒースがぐったり横たわっている。叩き落とされた時に折れたのか、束ねられていた一本があらぬ方向へ捻じ曲がって花弁をぐちゃぐちゃに散らばらせている黄色い花。<br />
　&uarr;委員長は教員がころした<br />
<br />
＞まったまったのみちこさん　うってのばしてひっぱって<br />
＞まいて(？？？)て　じごくいき<br />
<br />
＞音は下まで落ちて根元の朽ち葉を圧し潰し、間髪入れずに地面を踏み荒らしながらどこかへ走り去っていった、ようだった。<br />
　&darr;じごくいき<br />
<br />
<br />
■いじめ主犯のАについて<br />
　Аの家は代々この町を取りまとめてきた家系であり、町長が据えられた現在においても「何かあれば庄屋さんに」という意識が町民に根付いている。<br />
　Аは一人娘であり、将来はこの家を継ぐ者としてずっと育てられてきた。また、А自身も現当主である祖父をとても慕っており、将来は祖父のように立派に当主を勤め上げるつもりでいた。<br />
<br />
　委員長が引っ越してきてすぐにいじめが始まったわけではない。<br />
　むしろ、村社会のような排他的な面がある土地で暮らすのは大変だろうと、Аは委員長一家を助けていた。庄屋の孫娘である自分が仲良くすれば、町民も倣って一家に仲良くすると分かっていたから。<br />
　しかしАは委員長一家が越してきた理由を知らなかった。祖父や大人たちはАに隠していた。<br />
　委員長の父親はАの祖父と借金返済の話し合いを行い、金額が金額であるため担保として高価な家財や土地の権利を一部預かることに同意した。この際、どの家財を担保とするのかまたは売却するのか、土地はどこを預けるのか、などの話し合いが長期化する可能性があり、ちょうど母親の勤務先が隣町に異動になったため一時的に町へ越してきた。<br />
　契約の中で、Аの祖父は妻(Аの祖母にあたる)の形見であるブローチを手放した。これは家財の中ではそこまで価値のあるものではなく、子供や孫に少しでも財産を残すためだった。<br />
　この頃から祖父は体調を崩し、委員長が五学年に上がった頃に他界した。<br />
　祖父が死んだ時に初めてАは借金や形見のブローチを手放した話を聞いた。<br />
　そして、祖父が他界した日、町立小学校では生徒会長を選ぶ選挙の結果が発表された。<br />
　生徒会長には五学年から立候補できる。Аはもちろん立候補し、周囲も当然Аが選ばれると思っていた。今まで五学年で当選した児童はおらず、Аは学校創立初の五学年生徒会長になり、将来この町を背負う娘としての手腕を培っていく。<br />
　しかし当選したのは委員長だった。<br />
　Аはショックを受けたが、委員長の学力が自分よりも優れていることは認めていたし、やや閉塞的な町に新たな風を吹かせるためには彼女の就任は意味のあることだとステージの上で祝福した。<br />
　そして誰もいない体育館の裏で、祖父との約束を守れなかった、自分はこの町を守らなきゃいけないのに、と声もなく泣いた。<br />
　Аの側で彼女の頑張りをずっと見ていた二人の親友も一緒に泣きながら「来年は絶対なろう」「どんなことがあっても、町のみんながАを応援してるんだから」と彼女を抱きしめた。<br />
　ひとしきり泣いて落ち着きを取り戻したАは、二人の前で子供のように泣いてしまったのが気恥ずかしくなった。「教室に忘れ物しちゃったから取りに行ってくる」と、ついでに顔を洗ってこようとクラスに戻り、中で同じクラスの男子数人が話すのを聞いた。<br />
<br />
　「お前さ、どっち投票した？」<br />
　「●●」<br />
　「マジ？　俺もどうせАが当選すると思ってシャレで●●に入れたんだけど」<br />
　「俺は●●の方が顔可愛いから入れた」<br />
　「お前やば(笑)」<br />
<br />
　絶対に生徒会長になるという祖父との約束を自分は守れなかった。<br />
　こんなくだならない理由で。<br />
　祖父は死んでもう二度と約束は果たせなくなった。<br />
　祖父は大事な、祖母の形見を手放した。<br />
　祖母の形見のブローチはヒースの花を象ったもので、『荒野でも咲く花、孤独な花。あの花が咲いていると、その荒野もヒースと呼ばれる。そして他に移されることを嫌う、繊細な花。まるであなたのようだ』と祖父が祖母にプロポーズした時に贈った。Аはこの話が大好きで、祖母が存命の時に何度も「聞かせてほしい」とねだった。祖父はそこまで気に入っているなら同じものをАにも贈ろうかと提案したが、「私もおじいちゃんみたいに素敵な人からもらうからいいの」とすまして言って、「そうかそうか」と頭を撫でられた。<br />
　そういう温かい思い出も、祖父の命も、約束も、自分の過去も未来も、全てをあの一家に奪われた。<br />
　そんな気がした。<br />
　庄屋の孫娘である自分が親しくすれば町民もそれに倣う。<br />
　委員長の名前はえりか。<br />
<br />
<br />
■金茶髪ちゃんと黒髪ちゃんについて<br />
　金茶髪ちゃんは委員長より少し前に引っ越してきた。<br />
　髪や目の色を理由にクラスメイトからなんとなく疎遠にされていて、唯一仲良くしてくれていたのが隣の席の黒髪ちゃんだった。<br />
　しばらくして委員長が引っ越してきて、町外の人間同士で通じるものがあり二人はすぐに親友になった。<br />
　当時の委員長は大人しいけれどよく笑う子供で、本やネットを通じて色々な話を知っていた。金茶髪ちゃんは人の話を聞くのが好きなタイプで、二人は時間を忘れてお喋りに興じることもあった。<br />
　委員長へのいじめが始まった時、庇おうとした金茶髪ちゃんを止めたのは黒髪ちゃんだった。<br />
　もし委員長を庇えば金茶髪ちゃんもターゲットにされる。それに金茶髪ちゃんの家にいるのはおばあさんだけで、おばあさんはこの町の他に行くところがないから被害にあうのは自分だけじゃない。だから表立って庇ったりするのはよくないと。<br />
　金茶髪ちゃんと黒髪ちゃんはАたちにバレないように、さりげなく委員長を助けようとした。けれど教師すら味方ではない環境でそれはとても困難なことで、結果的に委員長を見殺しにしてしまった。<br />
　お別れ会の日、乱が保健室を出て行った後で金茶髪ちゃんは「えりかちゃんに謝りに行きたい」と言い出した。<br />
　黒髪ちゃんは「今度は絶対成功する方法を考えるから、私を一人にしないで、委員長もあなたもいなくならないで」と懇願し、そうして二人で委員長をみちこさんにする方法を見つけた。<br />
<br />
<br />
■黒髪ちゃんについて<br />
　黒髪ちゃんは代々この町に住んでいる人間で、この町にうんざりしていた。<br />
　高校は県外に出て、そのまま町には戻らないつもりでいた。<br />
　そんな時に金茶髪ちゃんが転校してきた。<br />
　都会に住んでいた、外国人のような外見の女の子。<br />
　自分にはないものばかりで出来ている彼女が、黒髪ちゃんには光に見えた。自分がこの子をくだらない町から守らなくてはならない、といつも一緒にいた。ランドセルの色が偶然同じだったのも、運命に思えた。<br />
　少しして委員長が引っ越してきた。<br />
　金茶髪ちゃんはあっという間に委員長と仲良くなった。委員長も金茶髪ちゃんと同じく都会から来た子供で、流行や好きなもの、前の学校などとても話が合う。金茶髪ちゃんほど内気でも人見知りでもなく、自分が守らなくても、むしろ金茶髪ちゃんのことも委員長が守れるくらいしっかりしていた。<br />
　黒髪ちゃんはこの時はじめて自分の中にある排他的な悪意を見た。結局、自分もこの町と同じなのだと絶望した。<br />
　だから黒髪ちゃんは、自分の中に生まれる感情を全部無視した。無視すれば、存在しないことになる。自分はこの町の人間とは違うままでいたいから。<br />
　委員長がいじめにあっている時、夜中に委員長の家に行った。委員長の両親が仕事で留守にする日は町民の誰もが知っていた。<br />
　金茶髪ちゃんの家庭の事情があって表立っては助けられないことを謝罪し、けれど自分たちは味方であると話した。そして、いわい先生のことを教えた。<br />
　結果としていじめは無くなったが、委員長は孤立してしまった。<br />
　委員長はもう自分達とは仲良くしないだろうし、金茶髪ちゃんもいじめを止めなかった分際でまた仲良くなんて出来ないと思っている。そして金茶髪ちゃんは、委員長がひとりになったことをとても気に病んでいる。<br />
　だから黒髪ちゃんは下級生に教えた。<br />
　「嫌いな男子を呪いたいなら、委員長に相談すればきっと助けてもらえる」<br />
<br />
　金茶髪ちゃんを自殺させないために、黒髪ちゃんはまだ誰も戻っていない教室に彼女を連れて戻った。<br />
　そして委員長のロッカーの扉を開き、その裏側にテープで貼り付けられていたノートを剥がした。<br />
　委員長がАを呪う方法を書いたノート。もし委員長に誰かが悪戯しようとしたら、呪いのノートが見えるようになっている。Аの死後は誰も委員長に手を出さなかったから、きっとここにノートがあるのは本人と自分しか知らない。<br />
　正しい呪いの手順が分かれば、この町の人間に復讐ができる。<br />
　死人に会うことは出来なくとも、復讐の手段があることで「委員長のために誰かを殺すか」と金茶髪ちゃんは悩むだろう。そうすれば自殺を決意するまでの時間を引き伸ばすことが出来る。<br />
　ノートをめくると、最初のページにみちこさん殺しごっこのやり方が書いてあった。<br />
　Аにわざと見付けさせるために大きめに書かれた文字。<br />
　えりかちゃん、と呟いて金茶髪ちゃんが涙をこぼす。<br />
　黒髪ちゃんは他に何か、委員長の痕跡がないかという想いでページをめくった。<br />
　Аへの罠のために作ったノートだから、他には何も書かれていない。はずだった。<br />
　最後のページにまた、みちこさん殺しごっことは違う呪いの方法が貼り付けてあった。<br />
　コピー用紙に印刷されたそれは手書きではなく、誰が書いたのかは分からない。ただ、これは死んだ人を呼び戻せる方法だと思った。<br />
　この儀式をするためにはたくさんの人間が要る。<br />
　黒髪ちゃんは再び下級生に教えた。<br />
　「委員長が怨霊になってしまった。きっと無差別に私たちを殺しにくる&hellip;&hellip;だから委員長をみちこさんにして、呼び出さなければ現れないようにした方がいいかも」<br />
<br />
<br />
■お題<br />
歌仙兼定(極)/後ろ姿<br />
歌仙兼定/その背もたれはカーブしていた<br />
鶴丸国永/カピバラ<br />
乱藤四郎/金魚すくい<br />
乱藤四郎/マリオネット<br />
泛塵/貝殻<br />
山姥切国広(極)/黄色い花束<br />
大倶利伽羅/判子<br />
大倶利伽羅/繫いだ手<br />
鬼丸国綱/夢<br />
三日月宗近/虹<br />
にっかり青江/深夜のファミレス<br />
にっかり青江/ぶんぶんチョッパー<br />
薬研藤四郎/悪魔<br />
加州清光/天使]]>
    </description>
    <category>chocolate</category>
    <link>https://ghostinmug.blog.shinobi.jp/chocolate/halovini14d</link>
    <pubDate>Sun, 22 Jan 2023 19:51:35 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">ghostinmug.blog.shinobi.jp://entry/78</guid>
  </item>
    <item>
    <title>刀剣男士とオカルトと審神者13＃</title>
    <description>
    <![CDATA[<div class="moba"><strong>刀剣男士とオカルトと審神者13 </strong><br />
<a href="https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15568329" title="pixiv" target="_blank">https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15568329</a> <br />
　『棧会』っていうおばけで一冊書いたよ(ゝ&omega;・)ｖ <br />
　やべえ神のおばけちゃんと優しい神様の刀剣男士君の両方がいっぱい書けて大満足でしたね。 <br />
<br />
<br />
■棧会<br />
　建物が教会に似ているので"きょうかい"と読まれているが、本来は『さんげ』。<br />
　根源である西洋宗教的思想の懺悔が仏教の懺悔に入れ替わり、母神の現世顕現の戸となる器(骨組み)がそれに会う場所だから棧会。<br />
　設定書に書いてあったこの文章を一年以上経った今の私がそのまま書き起こしたんですが、完全に狂人の文章で引いています。<br />
<br />
　碑文に彫られた二つの文章について。<br />
　『我の罪を告白し、贖罪の証を捧げよ』<br />
　母神が人間へ告げている文章。<br />
　母神に生贄を捧げることは衆生救済、ひいては人間の贖罪である。<br />
　なので生贄は贖罪の証であり、また生贄は母神の骨子となる。贖罪の証＝生贄＝母神、のため"我"の罪と書かれている。<br />
<br />
　『此処を出るには誰か一人の名前を、寄進帳へ記せば良い。<br />
　　自分以外の、この場に居ない人間の名前でも構わない。』<br />
　この怪異が都市伝説化した後(2050年あたり)、棧会について調べていた記者が書いたもの。<br />
　記者は過去に、この怪異に巻き込まれた人間が他人の名前を寄進帳に書いて助かったことを知っていた。<br />
<br />
　都市伝説としての棧会について。<br />
　(※この怪異は生贄が増えるごとに変遷していくため、作中の描写と異なる場合があります)<br />
　木造の教会に似ている建物。<br />
　最奥の壁に母神の絵、その前に盃(水の入った棺桶)、その前に書見台があり寄進帳が開かれている。隣接するサイドテーブルには燭台と筆が置かれている。<br />
　碑文は盃の側面に嵌め込まれている。<br />
　明かりは燭台のみで、書見台周辺以外は真っ暗で何も見えない。燭台は固定されていて持ち運べない。<br />
　暗いだけで探索は出来る。<br />
　書見台に向いて木製の椅子が並ぶ。出入り口の引き戸は特に施錠されている風でもないが開かない。戸へ耳を当てると誰かが近付いてきて、向こう側から叩かれる。<br />
　天井がたかいので音がやや反響する。<br />
　携帯端末や手帳など、アドレス帳が見られるものだけ持ち込める。<br />
　怪異の内容は『贖罪の証として誰か一人を生贄に捧げ、母神の現世顕現のための楔を作る』。なので死ぬのは誰でもいい。<br />
　生贄が受理されると盃の水が赤くなる。<br />
<br />
<br />
■娓寧教<br />
　西洋宗教から変遷した土着信仰。<br />
　衆生救済のため母神であるゴライハザミヒメガミを現世へ顕現させる儀式を行う。<br />
　罪を犯した人間が贖罪の証として身を捧げ、母神が現世へ宿るための骨子となる。<br />
<br />
　<br />
■&gt;&gt;73 歌仙兼定(極)/風鈴 <br />
　怖いことの始まりの音として全部のお話に出てきたよ。 <br />
<br />
　各刀剣男士ごとの筆を使う描写を地味にこだわった。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;79 山姥切長義/リュウゼツラン <br />
　お花三題そのいち。花言葉を使って書いていて、その言葉は審神者の自覚する罪悪であり、一緒に怪異に巻き込まれた刀剣男士の主に対する評価です。 <br />
　今回採用した花言葉は『繊細』。 <br />
□刀剣男士視点 <br />
　この長義も棧会については知っていた。寄進帳に名前を書かれたものがどうなるかも、もちろん。 <br />
　長義にとって主の繊細さは美徳であり、同時に他人の心ない言葉ひとつで命を落としてしまうくらい危ういものだと思っている。 <br />
　現にこの主は現世で高校の同級生から長期に渡りモラハラじみた言動をとられて心を病み、二度と現世に戻れない。 <br />
　本丸位相は稼働を続けるほど神域化し、ずっと留まり続けることは人間として死んだも同然だと長義は認識している。 <br />
　つまり人間としての主を殺した同級生に忠臣として仇討ちした。 <br />
　審神者や刀剣男士の呪詛による対象者の死は罪にならない。 <br />
　主は長義が書いた名前も仇討ちも一生知ることはない。 <br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;85 同田貫正国/向日葵 <br />
　お花三題そのに。使い方はいっしょ。 <br />
　採用した花言葉は『崇拝』。 <br />
□刀剣男士視点 <br />
　お話の中で同田貫の心中を断定的に話す描写が多々あったが、この主は心の機微を汲み取るのが異常なまでに正確である。 <br />
　己の望みがそのまま通るため、同田貫は最初のうちは「あまりに叶いすぎるのも面白みがない」と感じていた。しかしどの刀剣、人間、式神に至るまで全ての存在に対して一貫して「心情を汲み取り、それを叶える」という態度を取っており、そこに一切の不安定さがないところが気に入り、主に心酔しはじめていると自覚がある。 <br />
　「俺はあんたが望むなら戦場以外で折れたっていいぜ」というセリフは正にそれ。 <br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;90 鶴丸国永/白薔薇 <br />
　お花三題そのさん。使い方はいっしょ。 <br />
　採用した花言葉は『私はあなたに相応しい』。 <br />
<br />
　椅子に座ってたのは骨子。<br />
□刀剣男士視点 <br />
　この主は「馬が合う」と鶴丸を近侍にしたり何かと頼るうち、己が鶴丸の影響を受けすぎていて良くないからと自制するようになった。 <br />
　しかし実際は逆で、鶴丸こそが主の影響を受けている。麻雀も未解決事件も、鶴丸が主に合わせたくて初めたこと。これは恋愛感情ではなく、それこそ「馬が合う」相手であり、持ち主がより使いやすい物でありたいという付喪神的な思考にもよる。 <br />
　主には自覚のないことだが、この主従は互いの思考を手に取るように把握している。&gt;&gt;85の同田貫の主との違いは、あちらは主から同田貫への一方通行であるのに対し、こちらは相互に思考を理解しあっている。 <br />
　主が「寄進帳に鶴丸が名前を書きたがる」と思う一方で、鶴丸側でも「脱出のために主は自分の名前を書くと言い出す」と知っていたため、思考回路全回転して依代の名前を書くことを閃いた。 <br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;97 豊前江/救い <br />
　豊前江とかいう救いの擬人化。 <br />
□刀剣男士視点 <br />
　審神者に危害を加える可能性が高いということで、こんのすけ経由でストーカーに関する情報は刀剣男士内で共有されている。 <br />
　審神者が講壇に立った時、本人にケリをつけさせてやりたいと思って見守っていたが、その手や肩が震えているのを見ていられなくなって共に名前を書いた。 <br />
　豊前が自分だけで書かなかったのは、きっとそうしたら「豊前に罪の肩代わりをさせてしまった」と主が一生悔い続けると思ったため。 <br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;112 &gt;&gt;117 御手杵/ピエロ <br />
　御手杵君の大好きなところいっぱい書けて僕は嬉しいわけ。 <br />
□刀剣男士視点 <br />
　この主は、 <br />
　「二人の人間の霊力を全部入れ替えたら、刀剣男士の主も入れ替わるの？？？」 <br />
　という人体実験の被害者。 <br />
　霊力を入れ替える際に他人の霊力に拒絶反応を示して受け付けず、霊力枯渇と記憶喪失を引き起こした。入れ替え相手は正常にこの主の霊力を取り込んだ。 <br />
　当時運営していた本丸は、刀剣男士側の心境はさておき、本丸位相の維持や運営は霊力に反応するため実験の結果は「入れ替えた霊力が尽きるまでは主の置き換えが可能」となり、入れ替えた相手が主として運営していた。 <br />
　非合法の実験であっため関係者は全て逮捕されたが、この主が記憶喪失＋霊力枯渇(時間が経てば霊力は溜まっていくが完全にすっからかんになったせいで時間がかかる)で審神者業継続が不可能であることと、入れ替え相手が既に本丸の主として登録されてしまっていたこと、非合法な実験ではあったが貴重なサンプルであるため現状維持で入れ替え相手の本丸運営を続けさせたい人間が上層部にいたことなどの理由が重なり、主は事実上の乗っ取りに関する情報は伏せられたまま"リハビリ"と称して交換相手の本丸で小規模運営を行なっていた。 交換相手の本丸は刀剣男士どころか初期刀すらいない、まっさらな状態だった。<br />
　御手杵は新本丸での初期刀として与えられ、上記の事情は全て政府から聞かされている。 <br />
　御手杵が寄進帳に書いたのは、霊力交換相手の名前。こちらは非合法実験に乗っかって他人の本丸を手に入れるつもりで実験に協力した人間であるため、主の仇であると認識していた。 <br />
　このあと主の霊力が回復したら、交換前の本丸の刀剣は主の元へ戻される。サンプルである交換相手が突然死んじゃったので。 <br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;123 山姥切長義/シュレディンガーの猫 <br />
　自分で言うのもなんだけど、めっちゃ最高にお題をお話に出来たって思いました。 <br />
<br />
　親戚に暴力を振るわれているというのは記憶の混乱による妹の妄言や思い込み。<br />
　妹の死が知らされていなかったのは、死んだのが審神者が名前を書く数分前だったから。<br />
　ここ数ヶ月は食事もほぼ取らなくなって、一日の大半を寝て過ごしていた。二週間前から入院しており、原因不明の高熱も続いていたためもう長くはないだろうとは言われていた。<br />
　「ただでさえ心労が絶えないのに、いつ死ぬともわからない状態だと審神者に知らせるのは酷だろう」「お国のために戦わねばならぬ人間が戻ってくるようなことがあってはならない」など、親戚や本家の話し合いで死んでから知らせようということになっていた。<br />
□刀剣男士視点 <br />
　用事があってたまたま次の間に来てたって言ってたけど、長義は主の妹のことに関与出来ないのをとても歯痒く思っており、もし主が助けを求めたらすぐ手を貸せるようにと主が現世と連絡を取る時はいつも次の間に控えていた。 <br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;130 泛塵/錆 <br />
　とっても分かりやすく書けてえらーい！ <br />
<br />
　戸の前で碑文の文章を読み上げると、神殿に招かれた人間が最も罪深いと考えている人間が生贄に選ばれる。<br />
　この審神者の場合は高校時代の不良の先輩。先輩とその仲間がよくたむろしていた廃屋のボーリング場で火災が発生し、数人の生徒が巻き込まれて死亡した。その先輩のタバコの不始末のせいだったと噂が流れたが、証拠もないことだからと審神者も最初はそこまで信じていなかった。しかし本人が「ワンチャン俺のせいあるわ」と笑ってたのを聞いて、どうしようもない人間だと思った。<br />
　審神者本人はこの先輩のことを憶えていなかったし、生贄を&hellip;&hellip;という時に思い浮かびもしなかったが、記憶にあってもなくても本人の中での『最も罪深いと感じた人間』であれば選ばれる。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;138 小狐丸/扇 <br />
　小狐丸は髪が長いので「暑い&hellip;」ってへばってたら三日月が扇を貸してくれた。 <br />
<br />
　水槽の前で神の名を唱えると、母神の骨子がある空間への道が開かれる。<br />
　そこはもう幾度もの儀式で場の霊力がおかしくなっており、踏み入れたら死ぬ。<br />
　今回は小狐丸が先に入ったことで生贄として寄進帳に載り、審神者が空間に踏み入れる前に生贄が達成されて帰された。<br />
　刀剣男士が生贄に選ばれた際、お守りでセーフになるかどうかは運。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;159 陸奥守吉行(極)/テセウスの船 <br />
　有名な船とか絵画かな？って思ってggったらもうこのお題を選んだ花丸フレンズからの「どろっどろのやべえおばけ作って下さい＾＾」というメッセージ性が強すぎてﾋｴｯてなっちゃったわけ。 <br />
<br />
　審神者と刀剣男士の髪を捧げたことでランダム生贄ガチャが発生し、一番罪深いと思ってる人間が生贄に捧げられてる。ふたりは確認していないが、髪を入れた時に寄進帳に名前が増えてた。<br />
□刀剣男士視点 <br />
　肥前は初期刀。 <br />
　主が候補生時代に肥前が世話を焼いていて、「本丸入りして二年以内に特命調査 文久土佐藩に参加する」という条件で初期刀として認められた。アル中の父親から虐待に近い扱いを受けており、他者に対して心を開くことが難しいと判断されたため特例中の特例。 <br />
　本丸入りしてからは肥前の橋渡しもあり、肥前がいなくても一人だけで刀剣男士と接することが出来るようになってきていた。 <br />
　陸奥守も主に接する時は小動物にするように慎重にしていたが、そもそも二人だけになることが全く無かった上に他の刀剣男士と喋ってるところなどを見られてビビられていた。 <br />
　棧会で主の髪を切ってしまったことでマリアナ海溝より深く落ち込んだものの、主がちょっとずつ話しかけてくれるようになったので嬉しい。 <br />
　肥前が陸奥守の"おそろい発言"に「うぜー」と言っていたのは、空元気のテンションもだが主が気にしていないことで陸奥守がうじうじしていたから。 <br />
　陸奥守は審神者が髪を伸ばしてきちんと手入れしてるのを知っていたし、綺麗な髪だなと思っていたので、切ることになってしまって悲しかった。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;169 鯰尾藤四郎(極)/レースのカーテン <br />
　2200年代の実家の仏間っぽさが中々出せたんじゃないかと思ってます。 <br />
□刀剣男士視点 <br />
　日歳小学校七不思議の時の主従と同じコンビ。 <br />
　この主は母親と絶縁している。そのため、つい数日前に母親が亡くなったことを知らない。 <br />
　本来は水桶に捧げられた(指を突っ込んだ)主が生贄になるはずだったが、四十九日中だった母親が身代わりになった。 <br />
　母親は絶縁されても仕方ないほど折り合いが悪かったし、自分が産んだ子供だとしてもこの主のことが好きではなかったが、己の意思で生贄の身代わりになった。これが愛情ゆえの行動なのか、母親はこうするだろうからという事務的な行動だったのかはもう誰にも分からない。 <br />
　青江は主と母親が嫌いあっていることも、数日前から主の側に母親の霊がいることも知っていた。それが「生贄を捧げたら出してやるって言われた」と主達が話す場所から戻ってきたら母親の霊だけ居なくなっていたから、 <br />
　「人間って本当にしょうがないね」 <br />
　って言った。 <br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;184 大包平/蝶 <br />
　このお話で文鎮が急に蛹として解像度爆上がりするくだりや1話目の歌仙と蝶々が繫がる感じが、一作品で共通の怪異を扱う小話集の醍醐味爆発してて結構気に入ってます。 <br />
<br />
　頭が蝶のやつは、神と怪異が混じったわけのわからないもの。正体は今まで生贄として捧げられてきた人間の残り滓。<br />
　刀剣男士と審神者ブーストで骨子(現世へ出るための戸)が完成し、現世に出て行った。<br />
　この後どうなるかは分からない。怪異化したため信仰がなくとも存在できる。<br />
<br />
　＞蝶は試しに一度羽ばたいてみせると俺の人差し指と親指へ順繰りに止まり、<br />
　＞脆弱な人間の人差し指と親指だけの抑止力は、しかし愛でられることを好む歌仙にはよく効く。<br />
　についての補足。<br />
　歌仙の時に主が「守ってくれ」と願ったので、捧げられた依代が母神の霊力を吸って災禍を昇華したため大包平とその審神者は無事で済んだ。<br />
　依代は極前だったが、ここに居たのが極の歌仙だったのでその形を模して蝶になった。せめてきみを守った刀の名を忘れてくれるな、と。<br />
<br />
<br />
■西洋宗教の伝来と娓寧教の衰退について<br />
　かつてこの地には娓寧教という土着信仰があった。<br />
　この地の氏神であるゴライハザミヒメガミを祀り、現世へ留めるために生贄を出す神事を執り行っていた。<br />
　しかし西洋宗教の伝来により、神とは天にて人間を慈しみ見守り、人間は神の僕として愛と繁栄を広めるべきという考えが流入した。定期的に生贄を出さなければならない娓寧教は次第に衰退し、やがて完全に形骸化した後で神事は行われなくなったように思われた。<br />
　しかし深く根付いた信仰は消滅せずに細々と伝わっており、また、1909年の大規模災害により再び氏神信仰が復活した。この時、人々に広まっていた西洋宗教思想と氏神信仰が混ざり合った。いわく、氏神は天におり、現世と繫がる戸を開くことで現世に復活する。<br />
　生贄により作られるのは氏神を現世に降ろすための器であり、現世へ招くための戸である。<br />
<br />
<br />
■神殿に訪れた順(審神者以外の一般人は除く)<br />
&gt;&gt;レス番号 刀剣男士/お題&rarr;生贄として捧げたもの&rarr;寄進帳を見たか<br />
<br />
&gt;&gt;79 山姥切長義/リュウゼツラン&rarr;審神者の高校生時代の同級生&rarr;見てない<br />
&gt;&gt;85 同田貫正国/向日葵&rarr;人形&rarr;見てない<br />
&gt;&gt;90 鶴丸国永/白薔薇&rarr;未励起の刀&rarr;見てない<br />
(※&uarr;ここまでは寄進帳は人名のみ)<br />
&gt;&gt;97 豊前江/救い&rarr;ストーカー&rarr;開いてあったページのみ見た<br />
&gt;&gt;112 &gt;&gt;117 御手杵/ピエロ&rarr;実験相手&rarr;見てない<br />
&gt;&gt;123 山姥切長義/シュレディンガーの猫&rarr;未励起の刀&rarr;見てない<br />
&gt;&gt;130 泛塵/錆&rarr;高校時代の先輩(引き戸)&rarr;見てない<br />
&gt;&gt;138 小狐丸/扇&rarr;小狐丸&rarr;見た。記帳されていた刀剣は本刃だと思ってた<br />
&gt;&gt;159 陸奥守吉行(極)/テセウスの船&rarr;髪&rarr;見てない。審神者が怪異のこと知ってた<br />
&gt;&gt;169 鯰尾藤四郎(極)/レースのカーテン&rarr;母親の霊&rarr;見てない<br />
&gt;&gt;73 歌仙兼定(極)/風鈴&rarr;未励起の歌仙の依代&rarr;見てない<br />
&gt;&gt;184 大包平/蝶&rarr;&times; &rarr;見た</div>]]>
    </description>
    <category>chocolate</category>
    <link>https://ghostinmug.blog.shinobi.jp/chocolate/halovini13m</link>
    <pubDate>Thu, 12 Jan 2023 15:23:34 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">ghostinmug.blog.shinobi.jp://entry/77</guid>
  </item>
    <item>
    <title>刀剣男士とオカルトと審神者13</title>
    <description>
    <![CDATA[<strong>刀剣男士とオカルトと審神者13 </strong><br />
<a href="https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15568329" title="pixiv" target="_blank">https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15568329</a> <br />
　『棧会』っていうおばけで一冊書いたよ(ゝ&omega;・)ｖ <br />
　やべえ神のおばけちゃんと優しい神様の刀剣男士君の両方がいっぱい書けて大満足でしたね。 <br />
<br />
<br />
■棧会<br />
　建物が教会に似ているので"きょうかい"と読まれているが、本来は『さんげ』。<br />
　根源である西洋宗教的思想の懺悔が仏教の懺悔に入れ替わり、母神の現世顕現の戸となる器(骨組み)がそれに会う場所だから棧会。<br />
　設定書に書いてあったこの文章を一年以上経った今の私がそのまま書き起こしたんですが、完全に狂人の文章で引いています。<br />
<br />
　碑文に彫られた二つの文章について。<br />
　『我の罪を告白し、贖罪の証を捧げよ』<br />
　母神が人間へ告げている文章。<br />
　母神に生贄を捧げることは衆生救済、ひいては人間の贖罪である。<br />
　なので生贄は贖罪の証であり、また生贄は母神の骨子となる。贖罪の証＝生贄＝母神、のため"我"の罪と書かれている。<br />
<br />
　『此処を出るには誰か一人の名前を、寄進帳へ記せば良い。<br />
　　自分以外の、この場に居ない人間の名前でも構わない。』<br />
　この怪異が都市伝説化した後(2050年あたり)、棧会について調べていた記者が書いたもの。<br />
　記者は過去に、この怪異に巻き込まれた人間が他人の名前を寄進帳に書いて助かったことを知っていた。<br />
<br />
　都市伝説としての棧会について。<br />
　(※この怪異は生贄が増えるごとに変遷していくため、作中の描写と異なる場合があります)<br />
　木造の教会に似ている建物。<br />
　最奥の壁に母神の絵、その前に盃(水の入った棺桶)、その前に書見台があり寄進帳が開かれている。隣接するサイドテーブルには燭台と筆が置かれている。<br />
　碑文は盃の側面に嵌め込まれている。<br />
　明かりは燭台のみで、書見台周辺以外は真っ暗で何も見えない。燭台は固定されていて持ち運べない。<br />
　暗いだけで探索は出来る。<br />
　書見台に向いて木製の椅子が並ぶ。出入り口の引き戸は特に施錠されている風でもないが開かない。戸へ耳を当てると誰かが近付いてきて、向こう側から叩かれる。<br />
　天井がたかいので音がやや反響する。<br />
　携帯端末や手帳など、アドレス帳が見られるものだけ持ち込める。<br />
　怪異の内容は『贖罪の証として誰か一人を生贄に捧げ、母神の現世顕現のための楔を作る』。なので死ぬのは誰でもいい。<br />
　生贄が受理されると盃の水が赤くなる。<br />
<br />
<br />
■娓寧教<br />
　西洋宗教から変遷した土着信仰。<br />
　衆生救済のため母神であるゴライハザミヒメガミを現世へ顕現させる儀式を行う。<br />
　罪を犯した人間が贖罪の証として身を捧げ、母神が現世へ宿るための骨子となる。<br />
<br />
　<br />
■&gt;&gt;73 歌仙兼定(極)/風鈴 <br />
　怖いことの始まりの音として全部のお話に出てきたよ。 <br />
<br />
　各刀剣男士ごとの筆を使う描写を地味にこだわった。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;79 山姥切長義/リュウゼツラン <br />
　お花三題そのいち。花言葉を使って書いていて、その言葉は審神者の自覚する罪悪であり、一緒に怪異に巻き込まれた刀剣男士の主に対する評価です。 <br />
　今回採用した花言葉は『繊細』。 <br />
□刀剣男士視点 <br />
　この長義も棧会については知っていた。寄進帳に名前を書かれたものがどうなるかも、もちろん。 <br />
　長義にとって主の繊細さは美徳であり、同時に他人の心ない言葉ひとつで命を落としてしまうくらい危ういものだと思っている。 <br />
　現にこの主は現世で高校の同級生から長期に渡りモラハラじみた言動をとられて心を病み、二度と現世に戻れない。 <br />
　本丸位相は稼働を続けるほど神域化し、ずっと留まり続けることは人間として死んだも同然だと長義は認識している。 <br />
　つまり人間としての主を殺した同級生に忠臣として仇討ちした。 <br />
　審神者や刀剣男士の呪詛による対象者の死は罪にならない。 <br />
　主は長義が書いた名前も仇討ちも一生知ることはない。 <br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;85 同田貫正国/向日葵 <br />
　お花三題そのに。使い方はいっしょ。 <br />
　採用した花言葉は『崇拝』。 <br />
□刀剣男士視点 <br />
　お話の中で同田貫の心中を断定的に話す描写が多々あったが、この主は心の機微を汲み取るのが異常なまでに正確である。 <br />
　己の望みがそのまま通るため、同田貫は最初のうちは「あまりに叶いすぎるのも面白みがない」と感じていた。しかしどの刀剣、人間、式神に至るまで全ての存在に対して一貫して「心情を汲み取り、それを叶える」という態度を取っており、そこに一切の不安定さがないところが気に入り、主に心酔しはじめていると自覚がある。 <br />
　「俺はあんたが望むなら戦場以外で折れたっていいぜ」というセリフは正にそれ。 <br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;90 鶴丸国永/白薔薇 <br />
　お花三題そのさん。使い方はいっしょ。 <br />
　採用した花言葉は『私はあなたに相応しい』。 <br />
<br />
　椅子に座ってたのは骨子。<br />
□刀剣男士視点 <br />
　この主は「馬が合う」と鶴丸を近侍にしたり何かと頼るうち、己が鶴丸の影響を受けすぎていて良くないからと自制するようになった。 <br />
　しかし実際は逆で、鶴丸こそが主の影響を受けている。麻雀も未解決事件も、鶴丸が主に合わせたくて初めたこと。これは恋愛感情ではなく、それこそ「馬が合う」相手であり、持ち主がより使いやすい物でありたいという付喪神的な思考にもよる。 <br />
　主には自覚のないことだが、この主従は互いの思考を手に取るように把握している。&gt;&gt;85の同田貫の主との違いは、あちらは主から同田貫への一方通行であるのに対し、こちらは相互に思考を理解しあっている。 <br />
　主が「寄進帳に鶴丸が名前を書きたがる」と思う一方で、鶴丸側でも「脱出のために主は自分の名前を書くと言い出す」と知っていたため、思考回路全回転して依代の名前を書くことを閃いた。 <br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;97 豊前江/救い <br />
　豊前江とかいう救いの擬人化。 <br />
□刀剣男士視点 <br />
　審神者に危害を加える可能性が高いということで、こんのすけ経由でストーカーに関する情報は刀剣男士内で共有されている。 <br />
　審神者が講壇に立った時、本人にケリをつけさせてやりたいと思って見守っていたが、その手や肩が震えているのを見ていられなくなって共に名前を書いた。 <br />
　豊前が自分だけで書かなかったのは、きっとそうしたら「豊前に罪の肩代わりをさせてしまった」と主が一生悔い続けると思ったため。 <br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;112 &gt;&gt;117 御手杵/ピエロ <br />
　御手杵君の大好きなところいっぱい書けて僕は嬉しいわけ。 <br />
□刀剣男士視点 <br />
　この主は、 <br />
　「二人の人間の霊力を全部入れ替えたら、刀剣男士の主も入れ替わるの？？？」 <br />
　という人体実験の被害者。 <br />
　霊力を入れ替える際に他人の霊力に拒絶反応を示して受け付けず、霊力枯渇と記憶喪失を引き起こした。入れ替え相手は正常にこの主の霊力を取り込んだ。 <br />
　当時運営していた本丸は、刀剣男士側の心境はさておき、本丸位相の維持や運営は霊力に反応するため実験の結果は「入れ替えた霊力が尽きるまでは主の置き換えが可能」となり、入れ替えた相手が主として運営していた。 <br />
　非合法の実験であっため関係者は全て逮捕されたが、この主が記憶喪失＋霊力枯渇(時間が経てば霊力は溜まっていくが完全にすっからかんになったせいで時間がかかる)で審神者業継続が不可能であることと、入れ替え相手が既に本丸の主として登録されてしまっていたこと、非合法な実験ではあったが貴重なサンプルであるため現状維持で入れ替え相手の本丸運営を続けさせたい人間が上層部にいたことなどの理由が重なり、主は事実上の乗っ取りに関する情報は伏せられたまま"リハビリ"と称して交換相手の本丸で小規模運営を行なっていた。 交換相手の本丸は刀剣男士どころか初期刀すらいない、まっさらな状態だった。<br />
　御手杵は新本丸での初期刀として与えられ、上記の事情は全て政府から聞かされている。 <br />
　御手杵が寄進帳に書いたのは、霊力交換相手の名前。こちらは非合法実験に乗っかって他人の本丸を手に入れるつもりで実験に協力した人間であるため、主の仇であると認識していた。 <br />
　このあと主の霊力が回復したら、交換前の本丸の刀剣は主の元へ戻される。サンプルである交換相手が突然死んじゃったので。 <br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;123 山姥切長義/シュレディンガーの猫 <br />
　自分で言うのもなんだけど、めっちゃ最高にお題をお話に出来たって思いました。 <br />
<br />
　親戚に暴力を振るわれているというのは記憶の混乱による妹の妄言や思い込み。<br />
　妹の死が知らされていなかったのは、死んだのが審神者が名前を書く数分前だったから。<br />
　ここ数ヶ月は食事もほぼ取らなくなって、一日の大半を寝て過ごしていた。二週間前から入院しており、原因不明の高熱も続いていたためもう長くはないだろうとは言われていた。<br />
　「ただでさえ心労が絶えないのに、いつ死ぬともわからない状態だと審神者に知らせるのは酷だろう」「お国のために戦わねばならぬ人間が戻ってくるようなことがあってはならない」など、親戚や本家の話し合いで死んでから知らせようということになっていた。<br />
□刀剣男士視点 <br />
　用事があってたまたま次の間に来てたって言ってたけど、長義は主の妹のことに関与出来ないのをとても歯痒く思っており、もし主が助けを求めたらすぐ手を貸せるようにと主が現世と連絡を取る時はいつも次の間に控えていた。 <br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;130 泛塵/錆 <br />
　とっても分かりやすく書けてえらーい！ <br />
<br />
　戸の前で碑文の文章を読み上げると、神殿に招かれた人間が最も罪深いと考えている人間が生贄に選ばれる。<br />
　この審神者の場合は高校時代の不良の先輩。先輩とその仲間がよくたむろしていた廃屋のボーリング場で火災が発生し、数人の生徒が巻き込まれて死亡した。その先輩のタバコの不始末のせいだったと噂が流れたが、証拠もないことだからと審神者も最初はそこまで信じていなかった。しかし本人が「ワンチャン俺のせいあるわ」と笑ってたのを聞いて、どうしようもない人間だと思った。<br />
　審神者本人はこの先輩のことを憶えていなかったし、生贄を&hellip;&hellip;という時に思い浮かびもしなかったが、記憶にあってもなくても本人の中での『最も罪深いと感じた人間』であれば選ばれる。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;138 小狐丸/扇 <br />
　小狐丸は髪が長いので「暑い&hellip;」ってへばってたら三日月が扇を貸してくれた。 <br />
<br />
　水槽の前で神の名を唱えると、母神の骨子がある空間への道が開かれる。<br />
　そこはもう幾度もの儀式で場の霊力がおかしくなっており、踏み入れたら死ぬ。<br />
　今回は小狐丸が先に入ったことで生贄として寄進帳に載り、審神者が空間に踏み入れる前に生贄が達成されて帰された。<br />
　刀剣男士が生贄に選ばれた際、お守りでセーフになるかどうかは運。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;159 陸奥守吉行(極)/テセウスの船 <br />
　有名な船とか絵画かな？って思ってggったらもうこのお題を選んだ花丸フレンズからの「どろっどろのやべえおばけ作って下さい＾＾」というメッセージ性が強すぎてﾋｴｯてなっちゃったわけ。 <br />
<br />
　審神者と刀剣男士の髪を捧げたことでランダム生贄ガチャが発生し、一番罪深いと思ってる人間が生贄に捧げられてる。ふたりは確認していないが、髪を入れた時に寄進帳に名前が増えてた。<br />
□刀剣男士視点 <br />
　肥前は初期刀。 <br />
　主が候補生時代に肥前が世話を焼いていて、「本丸入りして二年以内に特命調査 文久土佐藩に参加する」という条件で初期刀として認められた。アル中の父親から虐待に近い扱いを受けており、他者に対して心を開くことが難しいと判断されたため特例中の特例。 <br />
　本丸入りしてからは肥前の橋渡しもあり、肥前がいなくても一人だけで刀剣男士と接することが出来るようになってきていた。 <br />
　陸奥守も主に接する時は小動物にするように慎重にしていたが、そもそも二人だけになることが全く無かった上に他の刀剣男士と喋ってるところなどを見られてビビられていた。 <br />
　棧会で主の髪を切ってしまったことでマリアナ海溝より深く落ち込んだものの、主がちょっとずつ話しかけてくれるようになったので嬉しい。 <br />
　肥前が陸奥守の"おそろい発言"に「うぜー」と言っていたのは、空元気のテンションもだが主が気にしていないことで陸奥守がうじうじしていたから。 <br />
　陸奥守は審神者が髪を伸ばしてきちんと手入れしてるのを知っていたし、綺麗な髪だなと思っていたので、切ることになってしまって悲しかった。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;169 鯰尾藤四郎(極)/レースのカーテン <br />
　2200年代の実家の仏間っぽさが中々出せたんじゃないかと思ってます。 <br />
□刀剣男士視点 <br />
　日歳小学校七不思議の時の主従と同じコンビ。 <br />
　この主は母親と絶縁している。そのため、つい数日前に母親が亡くなったことを知らない。 <br />
　本来は水桶に捧げられた(指を突っ込んだ)主が生贄になるはずだったが、四十九日中だった母親が身代わりになった。 <br />
　母親は絶縁されても仕方ないほど折り合いが悪かったし、自分が産んだ子供だとしてもこの主のことが好きではなかったが、己の意思で生贄の身代わりになった。これが愛情ゆえの行動なのか、母親はこうするだろうからという事務的な行動だったのかはもう誰にも分からない。 <br />
　青江は主と母親が嫌いあっていることも、数日前から主の側に母親の霊がいることも知っていた。それが「生贄を捧げたら出してやるって言われた」と主達が話す場所から戻ってきたら母親の霊だけ居なくなっていたから、 <br />
　「人間って本当にしょうがないね」 <br />
　って言った。 <br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;184 大包平/蝶 <br />
　このお話で文鎮が急に蛹として解像度爆上がりするくだりや1話目の歌仙と蝶々が繫がる感じが、一作品で共通の怪異を扱う小話集の醍醐味爆発してて結構気に入ってます。 <br />
<br />
　頭が蝶のやつは、神と怪異が混じったわけのわからないもの。正体は今まで生贄として捧げられてきた人間の残り滓。<br />
　刀剣男士と審神者ブーストで骨子(現世へ出るための戸)が完成し、現世に出て行った。<br />
　この後どうなるかは分からない。怪異化したため信仰がなくとも存在できる。<br />
<br />
　＞蝶は試しに一度羽ばたいてみせると俺の人差し指と親指へ順繰りに止まり、<br />
　＞脆弱な人間の人差し指と親指だけの抑止力は、しかし愛でられることを好む歌仙にはよく効く。<br />
　についての補足。<br />
　歌仙の時に主が「守ってくれ」と願ったので、捧げられた依代が母神の霊力を吸って災禍を昇華したため大包平とその審神者は無事で済んだ。<br />
　依代は極前だったが、ここに居たのが極の歌仙だったのでその形を模して蝶になった。せめてきみを守った刀の名を忘れてくれるな、と。<br />
<br />
<br />
■西洋宗教の伝来と娓寧教の衰退について<br />
　かつてこの地には娓寧教という土着信仰があった。<br />
　この地の氏神であるゴライハザミヒメガミを祀り、現世へ留めるために生贄を出す神事を執り行っていた。<br />
　しかし西洋宗教の伝来により、神とは天にて人間を慈しみ見守り、人間は神の僕として愛と繁栄を広めるべきという考えが流入した。定期的に生贄を出さなければならない娓寧教は次第に衰退し、やがて完全に形骸化した後で神事は行われなくなったように思われた。<br />
　しかし深く根付いた信仰は消滅せずに細々と伝わっており、また、1909年の大規模災害により再び氏神信仰が復活した。この時、人々に広まっていた西洋宗教思想と氏神信仰が混ざり合った。いわく、氏神は天におり、現世と繫がる戸を開くことで現世に復活する。<br />
　生贄により作られるのは氏神を現世に降ろすための器であり、現世へ招くための戸である。<br />
<br />
<br />
■神殿に訪れた順(審神者以外の一般人は除く)<br />
&gt;&gt;レス番号 刀剣男士/お題&rarr;生贄として捧げたもの&rarr;寄進帳を見たか<br />
<br />
&gt;&gt;79 山姥切長義/リュウゼツラン&rarr;審神者の高校生時代の同級生&rarr;見てない<br />
&gt;&gt;85 同田貫正国/向日葵&rarr;人形&rarr;見てない<br />
&gt;&gt;90 鶴丸国永/白薔薇&rarr;未励起の刀&rarr;見てない<br />
(※&uarr;ここまでは寄進帳は人名のみ)<br />
&gt;&gt;97 豊前江/救い&rarr;ストーカー&rarr;開いてあったページのみ見た<br />
&gt;&gt;112 &gt;&gt;117 御手杵/ピエロ&rarr;実験相手&rarr;見てない<br />
&gt;&gt;123 山姥切長義/シュレディンガーの猫&rarr;未励起の刀&rarr;見てない<br />
&gt;&gt;130 泛塵/錆&rarr;高校時代の先輩(引き戸)&rarr;見てない<br />
&gt;&gt;138 小狐丸/扇&rarr;小狐丸&rarr;見た。記帳されていた刀剣は本刃だと思ってた<br />
&gt;&gt;159 陸奥守吉行(極)/テセウスの船&rarr;髪&rarr;見てない。審神者が怪異のこと知ってた<br />
&gt;&gt;169 鯰尾藤四郎(極)/レースのカーテン&rarr;母親の霊&rarr;見てない<br />
&gt;&gt;73 歌仙兼定(極)/風鈴&rarr;未励起の歌仙の依代&rarr;見てない<br />
&gt;&gt;184 大包平/蝶&rarr;&times; &rarr;見た]]>
    </description>
    <category>chocolate</category>
    <link>https://ghostinmug.blog.shinobi.jp/chocolate/halovini13</link>
    <pubDate>Thu, 12 Jan 2023 15:21:44 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">ghostinmug.blog.shinobi.jp://entry/76</guid>
  </item>
    <item>
    <title>刀剣男士とオカルトと審神者12＃</title>
    <description>
    <![CDATA[<div class="moba"><strong>刀剣男士とオカルトと審神者12</strong> <br />
<a href="https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15448385" title="pixiv" target="_blank">https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15448385</a> <br />
　お題企画はいつもえほん一冊ごとに共通のテーマを決めて書いてます。 <br />
　今回は『燃えるもの』。 <br />
　とはいえサンシャインサマー企画一冊目ということでいろんなお話を書こうと思って、そこまで厳密にはテーマに沿ってないです。 <br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;2 堀川国広/梅昆布 <br />
　コンロの前の何かと堀川君を結びつけた香り。 <br />
<br />
　梅を焼いてお酒を作る神様(ガチ神域住み寄りに近い)がたまたま通りすがってお酒を作っていて、その香りを審神者が現世のもの/自分の知っているもの(＝梅昆布茶)として理解してしまったため神様の一端への縁が出来た。<br />
　普通はこれくらいじゃ関わりなんて出来ないけど本丸は審神者の神域なので、「まあお邪魔してるしいっか」って神様さんサイドがボーダーライン緩くしてくれた。<br />
　本丸位相の清浄な場所でお酒が呑めてご機嫌なのもあった。<br />
　そして神域の主である審神者に呼ばれたのでお酒を分けようとしてくれた。<br />
　ただし当然ながら神や神の作ったものに人間が触れるのは不可能で、対価や代償が必要。今回は神様側から与えようとしたものであるという分のおまけがあって、全身を青い炎で焼かれるだけで受け取れた。<br />
　堀川が止めたので指先ちょっと焼かれてお酒も受け取らずに済んだ。<br />
　神様は酔っ払いだったから要らんなら要らんでも別におkって何もせず立ち去ってった。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;7 薬研藤四郎(極)/いい牛肉 <br />
　焼肉屋さんのお話だった。 <br />
<br />
　地縛霊。<br />
　もう自分がなんで死んだかも憶えてない。<br />
　もし審神者が女の姿を見ていたらついてきてた。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;14 御手杵/1本の糸 <br />
　自分で言うのもなんだけど、お題が分かりやすい上で意味わかんなく書けて満足してる。<br />
<br />
　死霊。<br />
　幽霊や怨霊とはちょっとちがう。死そのものの存在になった霊。<br />
　死霊に幽霊のような意識はなくて、今回ので言えば「飛び降りて死んだ」というただそれだけの存在。<br />
　審神者が「殺すことに一切躊躇がないタイプの」みたいなこと言ってたけど、正確には"死霊が人間を恨みつらみで殺そうとしてくる"のではなくて"触ったら死ぬ"っていうタイプ。<br />
　この審神者は優しすぎて、死ぬのは可哀想だとか助けてあげたいって想いが無意識の根底にあったせいで、死に続けてる死霊を『助けてあげなきゃ』って考えてしまった。死霊さんサイドが導いたり呼んだりはしてない。<br />
　ただ審神者が優しかったせい。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;18 源清麿/化粧水 <br />
　お題の通りのお話。<br />
<br />
　三面鏡の中にいた魂の塊。<br />
　三面鏡が合わせ鏡になった時の鏡像の中にいた。怨念の残滓が塊になったものなので表に出て来るほどの力はなかった。<br />
　<br />
<br />
■&gt;&gt;22 同田貫正国/蠱 <br />
　蠱には蠱毒で使われる虫の意味もあるので、複数のものが混じり合ってひとつに収束するという意味あいで書いたよ。 <br />
<br />
＞世界がぶつ切りになってるのと滑らかになってるのってあるだろ。俺にはそれが同田貫だった。<br />
(&uarr;ここで世界がぶつ切り云々の説明終わり)<br />
(&darr;今回の件の説明)<br />
＞すべての同田貫は別個体で性格や考え方が違うのに、すべての同田貫は同じ同田貫であるような。<br />
＞初めて会った同田貫であっても、よく見知った同田貫や久しぶりに会った同田貫として感じる。<br />
＞ひとつじゃなくて、確かにたくさん存在しているものがひと綴りになっている感覚。<br />
<br />
　ここすごく分かりづらくて申し訳なかったんですが、『同田貫がいっぱいいるのに一つである』ってことがぶつ切りなめらかのことじゃなくて、『審神者にとって同田貫がぶつ切りなめらかだった』ってことです。<br />
　哲学か？<br />
　ぶつ切りなめらかというのは、多くのものが一つになっていることではないです。<br />
　ぶつ切りとなめらかは別の状態だからです。<br />
<br />
＞「俺たちには『俺の同田貫はお前だけだ』なんつっといてよぉ」<br />
　ここすき<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;28 同田貫正国(極)/狢 <br />
　お題の通り。お話だと妖怪の名前になってた。 <br />
<br />
　同田貫君と石切丸君が教えてくれたのがこのおばけです。<br />
　山陰のとある地方で「ムジナ」と呼ばれている怪異は誰も姿をきちんと見たことないけど、「たぶんムジナっぽい」ってだけでそう呼ばれてる。<br />
　実際は人の形をした怪異。<br />
　同田貫君はそういう、人の形の妖が主にずっと付き纏ってるのが地雷だった。主は刀剣男士のための主なので。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;35 大倶利伽羅/シンデレラ <br />
　和風テイストのシンデレラとしてなかなか良く書けたのでは？って自画自賛してるよ。 <br />
<br />
　スレで住人たちが考察していた通り。<br />
　とある現世住み神様のお気にになってしまい、一緒に暮らしたらこういう綺麗なものとか美味しいものいっぱいあげるから安心してね〜〜〜と教えてくれてた。「こういうのあげるから一緒に来て」じゃなくて「(連れて行くことは決定事項として)こういう豪華なものいっぱいあるとこだからね」って言われてた。<br />
　本丸に入られたことは実はさしたる問題ではなかった。<br />
　迎えに来る準備が出来たからあのタイミングで現れた。<br />
　が、大倶利伽羅に邪魔された上に予想以上に刀剣男士の邪魔が強かったので「返せ」って言った。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;40 和泉守兼定/スキヤキ <br />
　すき焼きの大元は鋤の上で肉や野菜を焼いたものだから。 <br />
<br />
　古い映画に紛れ込んだおばけちゃんがBBQしえったおっさん。<br />
　そのおっさんのせいで心霊映像になり、引き寄せられたのが白黒の男(怨霊)。<br />
　おっさんはBBQしてるだけだけど、白黒は人間を殺そうとしてる。繰り返し何か言ってるのは審神者のことを呼んでた。<br />
<br />
Q.どうして兼さんが映画の中にいたの？<br />
A.兼さんだから映画にも出演するし世界も救う<br />
　だって兼さんだから<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;48 大典太光世/空気清浄機 <br />
　わかりやすいお題！えらいぞ！ <br />
<br />
　台座を探す人形。<br />
　自分のことを神だと思っている。<br />
　本丸は神域(別の神の領域)なので、神域に殺された。<br />
　押入れ開けたり人形の体を審神者のところに持ってきたのは本丸に間借りしてる神。もう死んでるけど死体が残ってたら嫌かな？　って死体持ってきてくれた。優しいね。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;54 太閤左文字/貨物列車 <br />
　未来の話なので交通機関周りも2020年代とは違う風に書いてるんですが、貨物列車はまあ割と原型留めたままずっと続いてるようなので未来でもそうだろうなって書きました。 <br />
<br />
　徳島に生贄を運ぶ怪異。深夜の高速車両や貨物列車がこの怪異に変わっていることがあり、乗り込んでしまうと生贄として徳島に運ばれる。<br />
　アナウンスの「◯◯名での到着です」は搭乗人数。<br />
　停車駅で降りる人数が決まってて、降りたら死ぬ。でも乗ってる人はこの怪異のこと知らないから、降りたら死ぬって分かんない。<br />
　車内では殺されたりしないし、怪異自体は運ぶだけ。何時間もずっと止まらず走り続ける異常な列車を駅で止めてドアを開くだけ。<br />
　歴修が指定した列車はおばけ列車と入れ替わってしまったので、審神者と太閤は遭遇しなかった。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;60 亀甲貞宗/堆積 <br />
　地層の積み上がってるのって何百何千年前からのものとかあってロマンチック〜！！！ <br />
　じゃあ一番下に何があったかとかもう分かんなくない？ <br />
　あっ(気付き) <br />
　ってなって書いたよ。 <br />
<br />
　記録には残されていない大量の殺人があった。<br />
　女性の首と手を縄で結び、一人目を斬って崖から落とす。二人目からは元気な状態のまま落とされる。<br />
　この地を治めていた領主が"罪人"の女を集めて処刑していた。領主に気に入られると一人目になれる。罪が本当かどうかはどうでもいい。<br />
　以来ここは霊域化し、自分のことを罪人だと思っている人間が迷いこむと"処刑"に巻き込まれる。<br />
　土地開発で谷は埋められ、処刑場は奥深くへ封じられた。<br />
　しかし数日前、罪悪感を強く持った自殺志願者の少女が二人で峡谷に訪れた。あまりに怪異の条件を満たしすぎていたため処刑が行われ、霊域が活性化した。<br />
　審神者が夢で谷の巻き戻りを見ていたのは活性化の影響。これは人死にが出たことで谷底から出て来ようとしているのではなく、単に活性化している怪異に関するものを審神者が見たというだけ。谷底に埋没している状態でも怪異は動作していて、発現したら霊域が活性化する。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;67 信濃藤四郎/エプロン <br />
　エプロンの返り血が信濃君の髪の色に変わるところで、怖いことから刀剣男士が守ってくれるって暗喩をやりたくて書いたよ。<br />
<br />
　審神者の母親を殺したのは近所のおじさんの息子。<br />
　人を殺すつもりで審神者の家に来た。審神者の家だったのは女二人の家庭だったのと、おじさんが妻に虐待があるのかもって話しているのを偶然聞いてたから。虐待するような女なら死んでもいいし、虐待されて可哀想な子供は死んだ方が救われる。<br />
　でも来てみたら娘の方は既に死んでいて、虐待した上に子供を殺すなんて許せないと母親を滅多刺しにして殺して逃亡した。<br />
　たまたま調査で付近に来ていた信濃が、家から逃亡する息子を目撃し、血の匂いがすると審神者を発見して保護した。</div>]]>
    </description>
    <category>chocolate</category>
    <link>https://ghostinmug.blog.shinobi.jp/chocolate/halovini12m</link>
    <pubDate>Wed, 11 Jan 2023 13:34:58 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">ghostinmug.blog.shinobi.jp://entry/75</guid>
  </item>
    <item>
    <title>刀剣男士とオカルトと審神者12</title>
    <description>
    <![CDATA[<strong>刀剣男士とオカルトと審神者12</strong> <br />
<a href="https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15448385" title="pixiv" target="_blank">https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15448385</a> <br />
　お題企画はいつもえほん一冊ごとに共通のテーマを決めて書いてます。 <br />
　今回は『燃えるもの』。 <br />
　とはいえサンシャインサマー企画一冊目ということでいろんなお話を書こうと思って、そこまで厳密にはテーマに沿ってないです。 <br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;2 堀川国広/梅昆布 <br />
　コンロの前の何かと堀川君を結びつけた香り。 <br />
<br />
　梅を焼いてお酒を作る神様(ガチ神域住み寄りに近い)がたまたま通りすがってお酒を作っていて、その香りを審神者が現世のもの/自分の知っているもの(＝梅昆布茶)として理解してしまったため神様の一端への縁が出来た。<br />
　普通はこれくらいじゃ関わりなんて出来ないけど本丸は審神者の神域なので、「まあお邪魔してるしいっか」って神様さんサイドがボーダーライン緩くしてくれた。<br />
　本丸位相の清浄な場所でお酒が呑めてご機嫌なのもあった。<br />
　そして神域の主である審神者に呼ばれたのでお酒を分けようとしてくれた。<br />
　ただし当然ながら神や神の作ったものに人間が触れるのは不可能で、対価や代償が必要。今回は神様側から与えようとしたものであるという分のおまけがあって、全身を青い炎で焼かれるだけで受け取れた。<br />
　堀川が止めたので指先ちょっと焼かれてお酒も受け取らずに済んだ。<br />
　神様は酔っ払いだったから要らんなら要らんでも別におkって何もせず立ち去ってった。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;7 薬研藤四郎(極)/いい牛肉 <br />
　焼肉屋さんのお話だった。 <br />
<br />
　地縛霊。<br />
　もう自分がなんで死んだかも憶えてない。<br />
　もし審神者が女の姿を見ていたらついてきてた。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;14 御手杵/1本の糸 <br />
　自分で言うのもなんだけど、お題が分かりやすい上で意味わかんなく書けて満足してる。<br />
<br />
　死霊。<br />
　幽霊や怨霊とはちょっとちがう。死そのものの存在になった霊。<br />
　死霊に幽霊のような意識はなくて、今回ので言えば「飛び降りて死んだ」というただそれだけの存在。<br />
　審神者が「殺すことに一切躊躇がないタイプの」みたいなこと言ってたけど、正確には"死霊が人間を恨みつらみで殺そうとしてくる"のではなくて"触ったら死ぬ"っていうタイプ。<br />
　この審神者は優しすぎて、死ぬのは可哀想だとか助けてあげたいって想いが無意識の根底にあったせいで、死に続けてる死霊を『助けてあげなきゃ』って考えてしまった。死霊さんサイドが導いたり呼んだりはしてない。<br />
　ただ審神者が優しかったせい。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;18 源清麿/化粧水 <br />
　お題の通りのお話。<br />
<br />
　三面鏡の中にいた魂の塊。<br />
　三面鏡が合わせ鏡になった時の鏡像の中にいた。怨念の残滓が塊になったものなので表に出て来るほどの力はなかった。<br />
　<br />
<br />
■&gt;&gt;22 同田貫正国/蠱 <br />
　蠱には蠱毒で使われる虫の意味もあるので、複数のものが混じり合ってひとつに収束するという意味あいで書いたよ。 <br />
<br />
＞世界がぶつ切りになってるのと滑らかになってるのってあるだろ。俺にはそれが同田貫だった。<br />
(&uarr;ここで世界がぶつ切り云々の説明終わり)<br />
(&darr;今回の件の説明)<br />
＞すべての同田貫は別個体で性格や考え方が違うのに、すべての同田貫は同じ同田貫であるような。<br />
＞初めて会った同田貫であっても、よく見知った同田貫や久しぶりに会った同田貫として感じる。<br />
＞ひとつじゃなくて、確かにたくさん存在しているものがひと綴りになっている感覚。<br />
<br />
　ここすごく分かりづらくて申し訳なかったんですが、『同田貫がいっぱいいるのに一つである』ってことがぶつ切りなめらかのことじゃなくて、『審神者にとって同田貫がぶつ切りなめらかだった』ってことです。<br />
　哲学か？<br />
　ぶつ切りなめらかというのは、多くのものが一つになっていることではないです。<br />
　ぶつ切りとなめらかは別の状態だからです。<br />
<br />
＞「俺たちには『俺の同田貫はお前だけだ』なんつっといてよぉ」<br />
　ここすき<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;28 同田貫正国(極)/狢 <br />
　お題の通り。お話だと妖怪の名前になってた。 <br />
<br />
　同田貫君と石切丸君が教えてくれたのがこのおばけです。<br />
　山陰のとある地方で「ムジナ」と呼ばれている怪異は誰も姿をきちんと見たことないけど、「たぶんムジナっぽい」ってだけでそう呼ばれてる。<br />
　実際は人の形をした怪異。<br />
　同田貫君はそういう、人の形の妖が主にずっと付き纏ってるのが地雷だった。主は刀剣男士のための主なので。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;35 大倶利伽羅/シンデレラ <br />
　和風テイストのシンデレラとしてなかなか良く書けたのでは？って自画自賛してるよ。 <br />
<br />
　スレで住人たちが考察していた通り。<br />
　とある現世住み神様のお気にになってしまい、一緒に暮らしたらこういう綺麗なものとか美味しいものいっぱいあげるから安心してね〜〜〜と教えてくれてた。「こういうのあげるから一緒に来て」じゃなくて「(連れて行くことは決定事項として)こういう豪華なものいっぱいあるとこだからね」って言われてた。<br />
　本丸に入られたことは実はさしたる問題ではなかった。<br />
　迎えに来る準備が出来たからあのタイミングで現れた。<br />
　が、大倶利伽羅に邪魔された上に予想以上に刀剣男士の邪魔が強かったので「返せ」って言った。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;40 和泉守兼定/スキヤキ <br />
　すき焼きの大元は鋤の上で肉や野菜を焼いたものだから。 <br />
<br />
　古い映画に紛れ込んだおばけちゃんがBBQしえったおっさん。<br />
　そのおっさんのせいで心霊映像になり、引き寄せられたのが白黒の男(怨霊)。<br />
　おっさんはBBQしてるだけだけど、白黒は人間を殺そうとしてる。繰り返し何か言ってるのは審神者のことを呼んでた。<br />
<br />
Q.どうして兼さんが映画の中にいたの？<br />
A.兼さんだから映画にも出演するし世界も救う<br />
　だって兼さんだから<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;48 大典太光世/空気清浄機 <br />
　わかりやすいお題！えらいぞ！ <br />
<br />
　台座を探す人形。<br />
　自分のことを神だと思っている。<br />
　本丸は神域(別の神の領域)なので、神域に殺された。<br />
　押入れ開けたり人形の体を審神者のところに持ってきたのは本丸に間借りしてる神。もう死んでるけど死体が残ってたら嫌かな？　って死体持ってきてくれた。優しいね。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;54 太閤左文字/貨物列車 <br />
　未来の話なので交通機関周りも2020年代とは違う風に書いてるんですが、貨物列車はまあ割と原型留めたままずっと続いてるようなので未来でもそうだろうなって書きました。 <br />
<br />
　徳島に生贄を運ぶ怪異。深夜の高速車両や貨物列車がこの怪異に変わっていることがあり、乗り込んでしまうと生贄として徳島に運ばれる。<br />
　アナウンスの「◯◯名での到着です」は搭乗人数。<br />
　停車駅で降りる人数が決まってて、降りたら死ぬ。でも乗ってる人はこの怪異のこと知らないから、降りたら死ぬって分かんない。<br />
　車内では殺されたりしないし、怪異自体は運ぶだけ。何時間もずっと止まらず走り続ける異常な列車を駅で止めてドアを開くだけ。<br />
　歴修が指定した列車はおばけ列車と入れ替わってしまったので、審神者と太閤は遭遇しなかった。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;60 亀甲貞宗/堆積 <br />
　地層の積み上がってるのって何百何千年前からのものとかあってロマンチック〜！！！ <br />
　じゃあ一番下に何があったかとかもう分かんなくない？ <br />
　あっ(気付き) <br />
　ってなって書いたよ。 <br />
<br />
　記録には残されていない大量の殺人があった。<br />
　女性の首と手を縄で結び、一人目を斬って崖から落とす。二人目からは元気な状態のまま落とされる。<br />
　この地を治めていた領主が"罪人"の女を集めて処刑していた。領主に気に入られると一人目になれる。罪が本当かどうかはどうでもいい。<br />
　以来ここは霊域化し、自分のことを罪人だと思っている人間が迷いこむと"処刑"に巻き込まれる。<br />
　土地開発で谷は埋められ、処刑場は奥深くへ封じられた。<br />
　しかし数日前、罪悪感を強く持った自殺志願者の少女が二人で峡谷に訪れた。あまりに怪異の条件を満たしすぎていたため処刑が行われ、霊域が活性化した。<br />
　審神者が夢で谷の巻き戻りを見ていたのは活性化の影響。これは人死にが出たことで谷底から出て来ようとしているのではなく、単に活性化している怪異に関するものを審神者が見たというだけ。谷底に埋没している状態でも怪異は動作していて、発現したら霊域が活性化する。<br />
<br />
<br />
■&gt;&gt;67 信濃藤四郎/エプロン <br />
　エプロンの返り血が信濃君の髪の色に変わるところで、怖いことから刀剣男士が守ってくれるって暗喩をやりたくて書いたよ。<br />
<br />
　審神者の母親を殺したのは近所のおじさんの息子。<br />
　人を殺すつもりで審神者の家に来た。審神者の家だったのは女二人の家庭だったのと、おじさんが妻に虐待があるのかもって話しているのを偶然聞いてたから。虐待するような女なら死んでもいいし、虐待されて可哀想な子供は死んだ方が救われる。<br />
　でも来てみたら娘の方は既に死んでいて、虐待した上に子供を殺すなんて許せないと母親を滅多刺しにして殺して逃亡した。<br />
　たまたま調査で付近に来ていた信濃が、家から逃亡する息子を目撃し、血の匂いがすると審神者を発見して保護した。]]>
    </description>
    <category>chocolate</category>
    <link>https://ghostinmug.blog.shinobi.jp/chocolate/halovini12</link>
    <pubDate>Wed, 11 Jan 2023 13:33:36 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">ghostinmug.blog.shinobi.jp://entry/74</guid>
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    <item>
    <title>＃徳島の廃校</title>
    <description>
    <![CDATA[<div class="moba"><div>　こんばんは、すずりです！</div><div>　先日、縁あってとある廃校を見学させて頂ける機会がありました(ㆁᴗㆁ✿)</div><div>　私が怪談を書いていることを知っている知人(以降、Кさん)が、話のネタになるかもしれないよということで廃校の管理者に話を通してくれたのです。<br />
　やさしい！！！！！！！！</div><div>​</div><div>「知り合いに廃校の管理してるおじさんが居るんだけどね、ちょっとそこ洒落にならんくらい怖いから覚悟して行った方がいいよ」</div><div>​</div><div>　丁度ネタ出しをしていた執筆予定作品の舞台が徳島県と廃校で、知人のお話はまさに渡りに船でした。</div><div>　しかしあまりにタイミングが良すぎて「<strong>クトゥルフTRPG始まってる</strong>」と不安になり、正直遠慮しようか迷いました。十数年前にダイスを二つ振って行動ポイントを決定するネットゲームで1・1を出しすぎて同卓していた外国人に「Twins」とあだ名を付けられたクソ運人間が生き残れるはずがない。</div><div>　とはいえ、人生でこういう体験も一度くらいはしておいた方がいいかもしれません。</div><div>　私は知人に「めっちゃ行くわ」と返事をし、廃校の管理者の方に取り次いでもらいました。<br />
<br />
</div><div>　さて、管理者の方からお話を伺ったところ、『いろいろと事情が複雑なため廃校の存在をあまり知られたくないが、校内で起きていることをインターネット等で書くのは問題ない』とのことでしたので御厚意に甘え、こうして記事を書いています。</div><div>　そういうわけで、学校名や所在地などは伏せさせて頂きます。</div><div>　徳島県のとある廃校、とだけ御承知下さい。</div><div>​</div><div>　管理者の方(以降、Аさん)の事前の説明によれば、</div><div>​</div><div>　・廃校は十年以上閉鎖しており、取材などで数度開けた以外は公開を行っていない。</div><div>　・窓や壁等に崩壊はなく、正面玄関以外に中へ入れる場所はない(他の出入り口はバリケード等で封鎖している)。また、昇降口がАさんの許可なく開けられるとセキュリティ会社へ通知がいくようになっている。</div><div>​</div><div>　という前提があり、</div><div>​</div><div>　・数年ほど前に校内の点検をした際、見覚えのない貼り紙などを複数発見した。</div><div>　・セキュリティ会社への通知はなく、裏口などのバリケードにも異常はなかったため、誰がいつどうやって侵入したのかは分からない。</div><div>　・貼り紙等は共通して『木至城小学校』関連のものであり、交霊術の手順などが書かれているものが多い。</div><div>　・各所に問い合わせを行なったところ、『木至城小学校』は実在しない。</div><div>​</div><div>　とのことでした。</div><div>　Аさんはなんとなく気味が悪くて貼り紙などを放置しており、その貼り紙が今回の見学の目的であるなら、発見した"木至城小学校"関連のものは回収してきて欲しいと頼まれました。</div><div>　知り合いの知り合いみたいな人間が勝手に色々触って大丈夫なのかと聞けば</div><div>「校内にあるのは教材なんかの、学校でしか使わないようなものだけで、盗まれたとしてもまあ粗大ゴミが片付いて良いので」</div><div>　と笑ってらっしゃいました。</div><div>​</div><div>　二〇二一年九月末日。</div><div>　ちょっと不気味な貼り紙がある以外は特に怖い噂などもない普通の廃校とのことでしたので、一人でも余裕だろうと私は単身で徳島県に乗り込みました。</div><div>　見学させて頂く前日の夜にホテルへ到着、翌日の午前中にАさんに御挨拶し、四日ほど滞在して帰宅、というスケジュールです。</div><div>　廃校をただ見て回るだけならば半日もかからないそうですが、今回は木至城小学校とかいう謎小学校のものを探しながらの行軍になります。使ってない場所だし何日でも見てっていいとАさんが仰られて、「じゃあ&hellip;&hellip;」と遠慮なくスケジューリングしました。</div><div>　徳島県民あったけぇなぁ！！</div><div>　探索一日目、Аさんに御挨拶に伺ったところ、</div><div>​</div><div>「どうせなら夜に見て回ってもいいよ」</div><div>​</div><div>　と言われました。</div><div>　書き忘れていましたが、私はお化け屋敷にすら入れないほどの怖がりです。</div><div>​</div><div>「いえ、大丈夫です(本心)」</div><div>「大丈夫大丈夫、どうせ使ってないとこだから。若い人は遠慮しちゃ駄目！」</div><div>「ｱｯ&hellip;&hellip;じゃあ、夜に、はい、ありがとう御座います(陰特有の押され弱さ)」</div><div>​</div><div>　徳島県民！！！！！！！！！！</div><div>　午後の日差しにまどろむ廃校を優雅にお散歩するつもりで来たため、家にあった小さいライトしか持ってきていませんでした。とはいえライトはライトだし、電気も通っていて照明が点くところもあるそうだし、まあいいかとライト(小)を過信して夜散歩に挑んだのでした。</div><div>　あと純粋に旅行先で重い物を増やしたくないというズボラ精神もありました。</div><div>​</div><div>　二十二時にホテルを出発。</div><div>　タクシーで廃校近くのコンビニへ移動し、そこからはАさんが案内して下さいました。</div><div>　廃校の外見のことは伏せますが、今後の人生で夜の廃校にだけは絶対に行かないと神に誓いました。</div><div>　Аさんは正面玄関を開錠すると、「最終日にまた返してくれればいいから」と鍵を預けて帰宅なさいました。</div><div>　おそらくКさんのことを信頼していて、その人の知り合いならばということもあったでしょうが、セキュリティ会社と契約したり出入り口を潰したりしている割には投げやりというか、「廃校がどうなってもいいのかもしれない」となんとなく感じました。</div><div>　その辺の事情に関しては私も詳細を知らないので、実際のところは分かりません。</div><div>​</div><div>　玄関を入ってすぐ左手の事務室は照明が点くと教わっていました。</div><div>　持ち込んだライト(小)を点灯させると、予想以上に照射範囲が狭くて暗い上に光が青白く、早々に詰みを確信しました。</div><div>　しかし色々な方の厚意で実現した今回の廃校ツアーです。</div><div>　アイカツのベストアルバムを流すことで自分がアイドル候補生であると錯覚を起こして恐怖感情を消し、スリッパへ履き替えて左右へ伸びる廊下を左折しました。</div><div>　事務室は本当にすぐ左にあって、問題の貼り紙もすぐ左にありました。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/5094F6E0-8CFC-4868-B313-F24607B224C1.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633354847/" alt="" /></a></div><div>　事務室の引き戸の横、左折してすぐの壁の角へ貼られていました。</div><div>　木至城小学校が実在しないことを無視すれば、上半分はよくある貼り紙です。</div><div>　そして下半分。</div><div>　これも、まあ、言ってしまえばこっくりさんの亜種のようなもので、よくあると言えばよくあるものです。</div><div>　一番最後の文章を追記した誰かはきっとヤスミさまHOWTOに欠けがあるのに気付き優しさから書いたんだろうなと思いました。思いましたが、それはそれとしてこんな文章をいきなり違う筆跡で書かれるのはエグいのでやめてくれと思いました。<br />
<br />
</div><div>　私は先に事務室の照明をマックス点灯させ、セーブポイントを作成してから件の貼り紙を剥がしました。</div><div>　回収後にこれらをАさんがどう扱うかは聞いていなかったため、破れたりしないよう丁寧に剥がします。薄いクッション材製の両面テープのようなもので四隅を止めてあるだけだったので、そこまで難しい作業ではありませんでした。</div><div>　貼り紙を剥がして何もなくなった壁を見た時、唐突にコナンくんになりました。</div><div>　貼り紙は私の目線の高さにありました。小学校の貼り紙にしては掲示位置が高すぎるのです。</div><div>　つまりこれは、大人が大人のために貼り付けたものであるということ。</div><div>　良かった&hellip;&hellip;存在を抹消された木至城小学校生徒がこの廃校に交霊術を書いた紙を貼り散らかしてる事実はないんだ&hellip;&hellip;。</div><div>　私は心がみっちゅなので閲覧対象者外です。</div><div>​</div><div>　一日目は事務室を中心に、付近の部屋を見て回りました。</div><div>　が初手の貼り紙が強すぎて、一時間ほど滞在したにも関わらず全然探索出来ませんでした。</div><div>　廃校は全体的に古めかしいというか、少なくとも昭和以前に建てられたのだろうなと感じました。それでいて、ところどころ新しいのです。</div><div>　たとえば生徒用のトイレは木の引き戸が出入り口についていて、個室の扉も塗装されていない木扉、床は黒色の石&hellip;&hellip;と昨今の建築ではお目にかかれないような見た目をしています。対して体育館は床に貼られたテープも真新しく、作りもややデザイン的というかセンスが近年のものっぽかったです。</div><div>　そういう風に、いかにもな昭和様式と現代様式がまるで継ぎ接ぎのようになっていました。</div><div>　昔からある学校で、老朽化した場所を少しずつ改修している途中で廃校になったのかもしれません。</div><div>　そうだとしたら、今後も使うから改修していたはずなのにどうして使われなくなってしまったんでしょうか。</div><div>​</div><div>　新旧の継ぎ接ぎが特に露骨だったのが多目的教室のプレートがある部屋でした。</div><div>　天井や床、教室前方の黒板は年季の入った見た目をしているのに、後方のロッカーやホワイトボードは傷ひとつないほど真新しく、箱に入ったままのプロジェクターも置いてありました。二箇所ある出入り口の前方は他の教室と同じ、上部が格子硝子になった木の引き戸で、後方の扉はダークブラウンのアルミドアで、私は最初別々の部屋なのかと思いました。</div><div>　手近なアルミドアから教室内へ入ってライトでぐるりと照らすと大きな机が六つ、等間隔に置かれていました。机の左右へは背もたれのない四角いシルエットの椅子が三つずつ並び、黒板の前へ普通よりやや大きめの教卓が一つ。</div><div>　視聴覚室のようなものだろうか。</div><div>　継ぎ接ぎ感のある内装も相俟って、珍しさにスマホのカメラを起動して前方へ向ける。</div><div>　パパパパパパ、と、真っ暗な教室内へ黄色い枠が無数に現れた。</div><div>　今までも何もないところを顔認識することはあった。いささか数は多いものの撮影範囲が暗くて広いせいだろう。</div><div>　そう深く考えずシャッターを押そうとして、「いやでも」と脳裏に閃く。</div><div>　現れた黄色い枠は縦に連続して三つずつの塊になり、ところどころへ現れた。</div><div>　たとえば、椅子に子供が座っていたらあれくらいの位置になるんじゃないか。</div><div>　肌が粟立つのを感じると同時にスマホのカメラモードを解除し、私は多目的教室から転がり出た。</div><div>　廃校になる以前にも以降にも幽霊が出る話はなかったとАさんは言っていた。</div><div>　今だって実際に何が見えたわけではない。顔認識機能が誤動作することなんてよくあることだ。</div><div>　けれど頭の中に、ずらりとこちらを見る子供の姿が浮かび上がって消えず、私は早々にこの日の見学を切り上げてしまった。</div><div>​</div><div>​</div><div>　見学二日目。</div><div>　この日は特別教室棟を中心に回った。</div><div>　時間は昨日と同じ二十二時出発で、大体二時間ほどかけて一階から三階まで確認した。</div><div>　学校の怪談と言えば&hellip;&hellip;の理科室や保健室、音楽室など錚々たるメンツが揃う棟にも関わらずスムーズに見学が進んだのは、なんのことはない、この棟はなんと電気が点くのである。</div><div>　明るい廊下から明るい教室へ入り、「懐かしいなぁ！」とノスタルジーな気持ちで設備を見て回る。</div><div>　当初予定していた廃校見学はこれだった。</div><div>　ありがとう徳島県。</div><div>　ありがとう四国電力。</div><div>　日付が変わる頃に事務室セーブポイントへ帰還し、このメンタルならもう一箇所くらい回れそうだなと見取り図を広げた。</div><div>　どこか丁度よさそうな、サクッと終われそうな一部屋があれば。</div><div>　クラス教室棟は絶対無理なので除外し、一階から順繰りに指先でなぞる。</div><div>　そうして今の自分にピッタリな場所を発見した。</div><div>　図書室だ。</div><div>　蔵書の全てを確認するとなれば一晩じゃ済まないが、別に読書をしに行くわけでもなし。</div><div>　もし木至城小学校関連のものが本の間に挟まっていたら、それはそんなところに挟む方が悪い。分かりにくい場所に配置されたイベントは往々にしてスルーされるのはそれ即ち世界の理。</div><div>　図書室は特別教室棟とクラス教室棟とを結ぶ二階渡り廊下の半ばにある。一階の同じ場所は正面玄関などで、つまりちょうどセーブポイントの真上だ。</div><div>　階段の壁にくっつく丸い照明の光は黄色っぽい暖色で、昼間の姿しか目にしないような建物の中に夜に入るとワクワクするのなんでだろうとご機嫌に上階へ向かった。</div><div>　渡り廊下の照明は点かなかった。</div><div>　忘れかけてたけどこれホラー日記なんだわ。</div><div>　明るい階段から遠去かるほどに心の三歳児が死に、明かり恋しさに振り向いて逆光で真っ黒になった人影が立ってたらどこに逃げればいいんだという妄想と戦い始めた頃に図書室は現れた。</div><div>　教室二つを横並びにしたくらいの大きさで、二箇所ある出入り口の引き戸の間はまるっと掲示板になっている。貼られているのは学生向けのポスターや学校新聞、図書関係のお知らせなどが主で、他にも優秀な作文などもあった。</div><div>　木を隠すにはうってつけの場所なので全ての掲示物をチェックしたけれど、ここには木至城小学校関連のものはなかった。</div><div>　掲示板の前を横切って奥まで来たので、そのままこちら側の引き戸へ手をかけた。図書室内を奥から見て向こうへ戻れば丁度いい。</div><div>　ガラ、と戸車が重たく回る。</div><div>　廊下へ細く、光が落ちた。</div><div>　そんなには強くない淡い光は、先ほどまで回っていた特別教室の照明の色と同じだった。おそらく正面の、奥の方の照明だけが点いていたらこれくらいの光量になる。</div><div>　私が図書室に来たのはこれが初めてだ。</div><div>　もしかしたら以前に見学をした誰かが消し忘れていて、本当に怖いのは電気代オチかなと現実的なことも考える。</div><div>　けれど、点灯する照明の位置の予想が正しいなら、それこそ正面玄関の真上の窓際周辺である。</div><div>　校内へ入る際に明かりはなかった。</div><div>　このまま帰ろうか本気で悩んだものの、逆に向こうからしたら「誰かが近付いて来て細く戸が開けられたきり静まり返った」という状況なのであちらはあちらで怖いだろうという前向きな姿勢で引き戸を開けてみることにした。</div><div>　単純に電気の接触が悪くて点いただけですって可能性もありますので！！！！！！！！！</div><div>　アイカツのベストアルバムの一番好きな曲でテンションをブチ上げ、思い切り引き戸を全開にした。</div><div>　戸車がガラガラと大きな音を反響させて、今までと同じ、そこにあったのは暗い夜の廃校だった。</div><div>　私は暑いのが苦手すぎて夏場によく幻覚を見る。つまりそういうこと。</div><div>　あー良かった幻覚で！</div><div>　真面目に医者にかかるかどうか検討しながら入室する。壁際を一通りライト(小)で照らすも、どうやら照明のスイッチは反対側にあるようだった。</div><div>　室内は普通の、よくある図書室だった。壁沿いに本棚がぐるりと並び、内側へ読書用のテーブルと椅子が置いてある。窓際の本棚は二段の低いもので、棚の上には空の花瓶と粘土工作がいくつか並ぶ。貸し出しカウンターは向こうの戸口側。</div><div>　私は本を読むのは好きだったけれど、借りたり返したりが面倒くさすぎて図書室とはあまり縁がない人生を送ってきた。唯一記憶にあるのは、小学校の時分に諸事情で下校時刻からしばらく時間を潰さなきゃいけなくなって図書室で本を読んでいた時のことだ。</div><div>　そろそろいいかな、と図書室を出たら偶然違うクラスの担任の先生が通りがかって、</div><div>「うわビックリした図書室のとしこさんかと思った」</div><div>　と驚かれた。</div><div>　先生、あの時のいたいけな子供は今ではエゴサすると『実際ちょっとすずり自体がそういう怪異かおばけだと思ってる派』が稀に出てくる人間になりました。</div><div>　窓際のテーブルへライト(小)を向ける。</div><div>　二&times;二で並ぶテーブルの、ここからみて右上にだけ物が乗っていた。<br />
　照明が点いていた箇所では？<br />
　このトラップを考えたやつは人間のメンタルを掌握しすぎていると戦慄しつつ歩み寄った。</div><div>　窓を背にした角の席へ本が一冊と、その下に作文用紙が一枚。そしてその近くへ折り紙の鶴と花が転がっていた。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/3F68966C-D3AB-407B-9DA2-6C67849284E5.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633356158/" alt="" /></a></div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/545F9849-05F4-4E6D-8F5A-0992D124A526.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633356180/" alt="" /></a></div><div>　ハードカバーの本には学校の蔵書にしては珍しく紙のカバーがかかっており、その裏面へ木至城小学校のシールが貼られていた。</div><div>　おばけって何の本読むの？</div><div>　という純粋な疑問から表紙を開く。そのすぐ下へ図書カードが挟まっていた。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/261AC353-B336-4F8A-A279-EA922B0335D7.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633356245/" alt="" /></a></div><div>　光源のライト(小)が青白すぎるせいで色が飛んで紙類が白色に写っていますが、実際は割と焼けて変色しています。</div><div>　昨日の禁止事項の貼り紙もそうで、どれも変色の程度は違うものの十年以上は経っていそうに見えました。</div><div>　紙の状態から、貸し出し日は一九五〇年ではなく昭和五〇年ではないかと感じた。本の間へ挟まれていたお陰であまり劣化しなかったというのを差し引いても、カードのデザインが後者の時代のものな気がする。</div><div>　廃校に六年四組は存在しないため、この図書カードも木至城小学校のものだろう。</div><div>　本の中身は古い怪談を子供向けに書いた児童書だった。『花のおよめさん』というタイトルで、表題作と三、四篇の物語が収録されている。斜め読みしたので細かいところは違うかもしれないが、花のおよめさんの内容はこうだ。</div><div>​</div><div>　とある村で、結婚式の数日前に花嫁が死んでしまった。</div><div>　身寄りのない花嫁の家は空き家になり別の誰かが住むようになったが、幽霊が出ると言ってみんな家を出て行く。</div><div>　この話を聞いた花嫁と結婚するはずだった男が、幽霊でもいいから一目会えるならばと花嫁の家へ行くと、その晩に花嫁の幽霊が現れた。二人は夜通し話し、いつの間にか寝落ちしていた男が目を覚ますと花嫁がいた場所に真っ白な花が生えていた。</div><div>​</div><div>　もっとウォーリーをさがせとか楽しいえほんを置いておいて欲しかった。</div><div>　作文は既に「ヤスミさま」の文字が見えていたのでこれも回収対象として、折り紙はどうしようとライト(小)を当てる。藤色の小さいサイズの折り紙で、やはり少し色褪せている。その花の方に、よく見ると黒い線が入っていた。</div><div>　汚れというより、裏側にインクが滲んだような、文字のような。</div><div>　私はライト(小)をテーブルへ置き、花を広げた。紙はパリパリと乾燥していて、けれど崩れるほどではなくしっかりしていた。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/3D793BFC-8BDF-44E8-B7A5-449B4307535C.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633356601/" alt="" /></a></div><div>　折り鶴の方には何も書かれていなかった。</div><div>　文面からして明らかに何らかのおまじないだ。</div><div>　十中八九これも木至城小学校関連のものだろうと判断し、これも回収することにした。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/FF1C29AA-9ADA-49EB-842A-911137461665.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633356696/" alt="" /></a></div><div>　この作文用紙はライト(小)のせいではなく、元から変色のない白色をしていた。</div><div>　本の下敷きになっていた作文用紙はこの一枚だけだった。一行目の文章からして、これより前の原稿用紙があるはずだ。<div>　これの前後の用紙がないかと机の下を覗き込んでみたが、それらしいものはなかった。<br />
　仕方なく、起の欠けた作文に目を通す。</div></div><div>　事務室横に貼ってあった禁止の紙には書かれていなかった作法がこちらにはある。また、かぎ括弧や幾つかの文字が反転していたり、先生に提出するものだろうに禁止されているヤスミさまを行ったことを書いていることに引っ掛かりを覚えた。</div><div>　振り返って窓から外を見る。</div><div>　校門からグラウンドを迂回して正面玄関へ続くアプローチに寄り添う空っぽの花壇と、駐車スペースの植込へ取り残された桜の木。</div><div>​</div><div>　図書室にあったのはこれくらいだった。</div><div>　事務室で荷物を整理して廃校を退出し、玄関のガラスドアへ施錠する。</div><div>　校門へ向かって歩きながら一瞬、図書室の窓を確認して明かりがあったら見えるかどうか確認しようか悩み、けれどあと二日残っているからと振り返らなかった。</div><div>　現状、深夜の廃校を歩き回れているのはなんやかんやでまだ決定的なものを目撃していないからだ。</div><div>　余計な藪をつつきたくはなかった。</div><div>​</div><div>​</div><div>　見学三日目。</div><div>　台風が接近していた関係でスケジュールを一日短縮し、この日を最終日にした。進路からは外れていたが、Аさんからも「古い建物で万が一があってはいけないから」と止められた。</div><div>　ということで、二日かけて回る予定だった場所を今日だけで回るべくいつもより二時間早く廃校へ乗り込んだ。</div><div>　残っているのはクラス教室棟と体育館とプール。</div><div>　体育館は建物が新しく、置き去りにされたボールカゴへ何故か卒業証書の筒が一つだけ入っていた(写真を撮ってありましたが、ホテルに戻って確認したら何故かこの写真だけありませんでした)。</div><div>　プールはかなり年代物で、プールサイドの地面は石板が割れてところどころ地面が露出していた。プール内は水が抜かれ、多少の落ち葉はあったが定期的に掃除をしているようだった。</div><div>　外渡り廊下を逆走してクラス教室棟へ戻る。</div><div>　クラス教室棟の構成は一フロアに教室が六つと予備用の空き教室が一つ、トイレが二つ。それが三階分積み上がっている。</div><div>　教室内は至って普通の、教卓と教師用のデスク、ファイルなどを収納する棚、生徒の机と椅子があって、窓際にオルガンがあって、教室後部へ生徒ロッカーと掃除道具ロッカーという構成。クラスによっては生徒ロッカーの上へ水槽があったり、日本史の漫画をブックスエンドで挟んであったりした。</div><div>　体育館への外渡り廊下から近い二年三組の教室を後ろから入って見学し、前からでて次の教室の後ろから入る。それを六度繰り返して、二階へ上がる。二階は三年一組の前から入って後ろから出て&hellip;&hellip;向こうの端まで進んで行く。</div><div>　異変があったのは四年三組の教室だった。</div><div>　上部に正方形の曇りガラスが嵌め込まれた引き戸を開ける、と目の前へ何かが滑り落ちた。</div><div>　心臓がエグい音を立てたせいで一瞬死んだかと思ったものの生きていたので、ライト(小)をそれへ向ける。落ちてきたのは『整理整とん』と書かれた藁半紙で、戸口のすぐ右手にある掲示板に貼られていたのが振動で剥がれたようだった。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/04FA2F81-13A6-4F54-899F-48EEF2172AF8.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633358175/" alt="" /></a></div><div>　画鋲で念入りに掲示しておいてくれ頼む。</div><div>　貼り直しておいた方がいいかなとしゃがみ込む。紙の表面にはテープがくっついておらず、じゃあ裏かと深く考えずにひっくり返す。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/B041B805-511E-4E2E-B8F6-62584E1E0E5F.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633358244/" alt="" /></a></div><div>　うわ出た、と思わず嫌そうな声が口をついて出た。</div><div>　裏面には二〜六学年に別々のヤスミさまのルールのようなものが書かれていた。どれも禁止の紙にはなかった内容だ。もしかしたら、禁止の紙のあれが基本の手順で学年ごとにローカルルールのようなものがあるのかもしれない。</div><div>　それにしても、木至城小学校も謎だがヤスミさまの扱われ方も謎だった。</div><div>　学校側でヤスミさまを禁止されていたら生徒はバレないようにするはずだ。学年ごとに異なるルールがあるのも、口伝で語り広まるうちに細分化したと考えれば得心がいく。</div><div>　しかし禁止の貼り紙や作文など、学校側の人間の目につく場所でヤスミさまに触れられている。単に生徒の悪戯かもしれないが。</div><div>　私は整理整とんの紙をもっとよく見ようと立ち上がる。教卓へ置こうと歩み寄って、そこへどこかで見たような折り紙を見付けた。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/A6188C0B-1F4B-40CB-B961-A18A3EB7C039.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633358450/" alt="" /></a></div><div>　昨日に図書室で見付けたものと色も形も同じ。ということは、これにも何か文字が書いてあるのかもしれない。</div><div>　内側に織り込まれた端を破らないように引っ張り出して開く。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/968F46B1-E98E-4805-9CDF-26F95BD347D6.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633358485/" alt="" /></a></div><div>　『赤い紙　青い紙</div><div>　　かごめのつるの</div><div>　　紫の紙</div><div>　　██先生が流産しますように』</div><div>　██の部分は先生の苗字で、どちらの紙にも同じ名前が書いてあった。</div><div>　図書室のものと同じ呪文、願い事の部分は異なる。</div><div>　赤い紙青い紙と言えばトイレの怪談の走りともなったあの話だが、確か紫と答えると赤と青の両方の紙を選んだことにさせられるとかいう亜種があった気がする。あれとは関係のないおまじないだろうか。</div><div>　なんにせよ発見した二つの願い事の内容がエグすぎるので、やばめの呪術ではありそうだ。</div><div>　私は貼り紙と折り紙の写真を一通り撮り、四年三組内の探索を始めた。</div><div>　といっても教室にあるものは他と同じで、生徒ロッカーも木製のオープンロッカーだからすぐに見終わる。</div><div>　このまま後ろの方まで移動して次の教室へ行くだろうし、と貼り紙たちも持って移動した。</div><div>　そうやって引き戸のところまでやって来て、廊下側最後尾の机にまた折り紙があった。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/5F0F23C4-9722-422A-9688-1A26423E4348.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633358651/" alt="" /></a></div><div>　適当に掴んで置いたような、赤色の花が五つ。</div><div>　パッと見で既に中に何か書いてあることが分かって、ヤスミさま禁止されたから代わりに流行ったのかな？　と呑気なことを考えながら開いた。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/8595EBEE-D1DC-4EEE-ACD0-2BF50AC825B2.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633358720/" alt="" /></a></div><div>　先生の名前はさっきの藤色の二つと同じだった。</div><div>　紙の二辺の切り口が細かく毛羽立っていて、大きなサイズの折り紙を四つに切ったのだろうと思った。</div><div>　赤色の花は五つあった。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/9A95B034-31A0-495B-B16E-177ABEA1E3C8.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633358787/" alt="" /></a></div><div>　この一枚だけ、他よりも変色が激しかった。毛羽立つのは左側の一辺だけで、何かしらの紙から切り離されたのは確かだが他四つとは別の紙。書いてあることもこれだけ異質だ。</div><div>　七枚の折り紙を並べて、ふと、唐突に閃く。</div><div>　これは花じゃなくて、くすだまのパーツじゃないか？</div><div>　つい最近にどこかで見かけたくすだまが確かこんな形をしていた気がする。</div><div>　ということは、何人もの子供が██先生の流産を願って、折って、それをひと塊にしようとしていた。そこに一枚だけ『鬼花』と鳥居の書かれたパーツが紛れ込んでいて。</div><div>　考えていたよりずっと不気味なことが起きていると思った。</div><div>　耳を塞ぐイヤホンの曲と曲の隙間を縫って、ガタガタと風が窓を揺らす。</div><div>　木至城小学校から"おまじない"が持ち出されている。</div><div>　何とも形容しがたい重たい空気が溜まる胸を抱え、私は紙をひとまとめにして持つと戸口へ向かった。</div><div>　歩き出してすぐ、机の角へコードが引っかかって左耳からイヤホンが抜ける。</div><div>　キュッ。</div><div>　遠くで高い音がした。</div><div>　リノリウムの床を上履きの底で擦った時のような音。</div><div>　はっと息を呑んで、引き手へ指先を差し込んだまま体が固まる。</div><div>　肩口から落ちたイヤホンからシャカシャカと音楽が漏れる以外は静寂が続く。さも初めからなんの音もしていませんでしたとばかりの沈黙をゆっくり数えるうちに、緊張と恐怖が解けて何度か忙しなく瞬きをした。</div><div>　左耳へ再びイヤホンを押し込み、素早く引き戸を開閉すると早足で階段を目指す。上下に二つ分岐するそれを迷わず下り、薄目で夜とすれ違いながら廊下を走る。</div><div>　耳の中で鳴るアップテンポの音楽はもう味方ではなくなった。音圧がふっと抜ける一瞬に、外から誰かの声が聞こえた気がする。今まで何度も聴いていた曲なのに初めて聞き取った音が、自分の名前を呼ぶ声のように脳へ引っかかる。</div><div>　渡り廊下の角を曲がり、少し先に事務室の明かりが見えてからはそれだけにピントを合わせて光の中へ転がり込んだ。</div><div>　今日までに回収した木至城小学校関連のものを入れた茶封筒の表面へ『Аさんへ　木至城小学校関連のものです』と大きく書き、今日の分も追加して一番戸口に近いデスクの引き出しへ入れる。</div><div>　ホテルへ持ち帰りたくないし、こんな時間にАさんの家に持って行くことも出来ない。</div><div>　廃校まで取りに来る手間をかけさせてしまうが、Аさんには「怖すぎて無理でした」と正直に謝ろうと決めて廃校を出た。</div><div>​</div><div>　暇になった四日目にこの文章を書いています。</div><div>　前評判通りめっちゃ怖かったです！！！</div><div>　すずりは怪談好きのド素人なのであまり考察とかは出来ませんが、なんとなくあの廃校に持ち込れた木至城小学校関連のものは誰かが作ったやつじゃないかなぁと思いました。</div><div>　あれらは、木至城小学校かはたまた違う名前の小学校かに『ヤスミさま』という交霊術があって、それを外に広めるためのものだった。前にも書きましたが生徒向けの禁止の貼り紙が大人の目線の高さにあったこと、禁止されているのに学校側に知られるようなところでヤスミさまの存在が語られていること、情報が断片的なようでいて『ヤスミさまは六年四組に所属していた生徒で、誰かに殺された』という結論に分かりやすく収束することに意図的なものを感じるというか&hellip;&hellip;。</div><div>　そうだとして、何故大っぴらに公開されていない廃校に情報を撒いたのか、折り紙のおまじないはなんだったのかは謎です。</div><div>　体育館の卒業証書の筒も、開けていたら中にヤスミさま関連の何かが入ってたかもしれませんね。</div><div>​</div><div>　今回は色々な方の優しさで廃校見学が実現しました。</div><div>　知人のКさん、快く許可を下さったАさん、バス乗り場を笑顔で教えてくれた交番のおまわりさん、美味しいラーメン屋さんを教えてくれたタクシーの運転手さん&hellip;&hellip;本当にありがとう御座いました。</div><div>　あと二十年くらいは夜の廃校は歩きたくないです！！！！！</div><div>　おわりでーす＾◯＾</div></div>]]>
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    <category>candy</category>
    <link>https://ghostinmug.blog.shinobi.jp/candy/stengtskolem</link>
    <pubDate>Mon, 04 Oct 2021 15:06:18 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">ghostinmug.blog.shinobi.jp://entry/73</guid>
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    <title>徳島の廃校</title>
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    <![CDATA[<div>　こんばんは、すずりです！</div><div>　先日、縁あってとある廃校を見学させて頂ける機会がありました(ㆁᴗㆁ✿)</div><div>　私が怪談を書いていることを知っている知人(以降、Кさん)が、話のネタになるかもしれないよということで廃校の管理者に話を通してくれたのです。<br />
　やさしい！！！！！！！！</div><div>​</div><div>「知り合いに廃校の管理してるおじさんが居るんだけどね、ちょっとそこ洒落にならんくらい怖いから覚悟して行った方がいいよ」</div><div>​</div><div>　丁度ネタ出しをしていた執筆予定作品の舞台が徳島県と廃校で、知人のお話はまさに渡りに船でした。</div><div>　しかしあまりにタイミングが良すぎて「<strong>クトゥルフTRPG始まってる</strong>」と不安になり、正直遠慮しようか迷いました。十数年前にダイスを二つ振って行動ポイントを決定するネットゲームで1・1を出しすぎて同卓していた外国人に「Twins」とあだ名を付けられたクソ運人間が生き残れるはずがない。</div><div>　とはいえ、人生でこういう体験も一度くらいはしておいた方がいいかもしれません。</div><div>　私は知人に「めっちゃ行くわ」と返事をし、廃校の管理者の方に取り次いでもらいました。<br />
<br />
</div><div>　さて、管理者の方からお話を伺ったところ、『いろいろと事情が複雑なため廃校の存在をあまり知られたくないが、校内で起きていることをインターネット等で書くのは問題ない』とのことでしたので御厚意に甘え、こうして記事を書いています。</div><div>　そういうわけで、学校名や所在地などは伏せさせて頂きます。</div><div>　徳島県のとある廃校、とだけ御承知下さい。</div><div>​</div><div>　管理者の方(以降、Аさん)の事前の説明によれば、</div><div>​</div><div>　・廃校は十年以上閉鎖しており、取材などで数度開けた以外は公開を行っていない。</div><div>　・窓や壁等に崩壊はなく、正面玄関以外に中へ入れる場所はない(他の出入り口はバリケード等で封鎖している)。また、昇降口がАさんの許可なく開けられるとセキュリティ会社へ通知がいくようになっている。</div><div>​</div><div>　という前提があり、</div><div>​</div><div>　・数年ほど前に校内の点検をした際、見覚えのない貼り紙などを複数発見した。</div><div>　・セキュリティ会社への通知はなく、裏口などのバリケードにも異常はなかったため、誰がいつどうやって侵入したのかは分からない。</div><div>　・貼り紙等は共通して『木至城小学校』関連のものであり、交霊術の手順などが書かれているものが多い。</div><div>　・各所に問い合わせを行なったところ、『木至城小学校』は実在しない。</div><div>​</div><div>　とのことでした。</div><div>　Аさんはなんとなく気味が悪くて貼り紙などを放置しており、その貼り紙が今回の見学の目的であるなら、発見した"木至城小学校"関連のものは回収してきて欲しいと頼まれました。</div><div>　知り合いの知り合いみたいな人間が勝手に色々触って大丈夫なのかと聞けば</div><div>「校内にあるのは教材なんかの、学校でしか使わないようなものだけで、盗まれたとしてもまあ粗大ゴミが片付いて良いので」</div><div>　と笑ってらっしゃいました。</div><div>​</div><div>　二〇二一年九月末日。</div><div>　ちょっと不気味な貼り紙がある以外は特に怖い噂などもない普通の廃校とのことでしたので、一人でも余裕だろうと私は単身で徳島県に乗り込みました。</div><div>　見学させて頂く前日の夜にホテルへ到着、翌日の午前中にАさんに御挨拶し、四日ほど滞在して帰宅、というスケジュールです。</div><div>　廃校をただ見て回るだけならば半日もかからないそうですが、今回は木至城小学校とかいう謎小学校のものを探しながらの行軍になります。使ってない場所だし何日でも見てっていいとАさんが仰られて、「じゃあ&hellip;&hellip;」と遠慮なくスケジューリングしました。</div><div>　徳島県民あったけぇなぁ！！</div><div>　探索一日目、Аさんに御挨拶に伺ったところ、</div><div>​</div><div>「どうせなら夜に見て回ってもいいよ」</div><div>​</div><div>　と言われました。</div><div>　書き忘れていましたが、私はお化け屋敷にすら入れないほどの怖がりです。</div><div>​</div><div>「いえ、大丈夫です(本心)」</div><div>「大丈夫大丈夫、どうせ使ってないとこだから。若い人は遠慮しちゃ駄目！」</div><div>「ｱｯ&hellip;&hellip;じゃあ、夜に、はい、ありがとう御座います(陰特有の押され弱さ)」</div><div>​</div><div>　徳島県民！！！！！！！！！！</div><div>　午後の日差しにまどろむ廃校を優雅にお散歩するつもりで来たため、家にあった小さいライトしか持ってきていませんでした。とはいえライトはライトだし、電気も通っていて照明が点くところもあるそうだし、まあいいかとライト(小)を過信して夜散歩に挑んだのでした。</div><div>　あと純粋に旅行先で重い物を増やしたくないというズボラ精神もありました。</div><div>​</div><div>　二十二時にホテルを出発。</div><div>　タクシーで廃校近くのコンビニへ移動し、そこからはАさんが案内して下さいました。</div><div>　廃校の外見のことは伏せますが、今後の人生で夜の廃校にだけは絶対に行かないと神に誓いました。</div><div>　Аさんは正面玄関を開錠すると、「最終日にまた返してくれればいいから」と鍵を預けて帰宅なさいました。</div><div>　おそらくКさんのことを信頼していて、その人の知り合いならばということもあったでしょうが、セキュリティ会社と契約したり出入り口を潰したりしている割には投げやりというか、「廃校がどうなってもいいのかもしれない」となんとなく感じました。</div><div>　その辺の事情に関しては私も詳細を知らないので、実際のところは分かりません。</div><div>​</div><div>　玄関を入ってすぐ左手の事務室は照明が点くと教わっていました。</div><div>　持ち込んだライト(小)を点灯させると、予想以上に照射範囲が狭くて暗い上に光が青白く、早々に詰みを確信しました。</div><div>　しかし色々な方の厚意で実現した今回の廃校ツアーです。</div><div>　アイカツのベストアルバムを流すことで自分がアイドル候補生であると錯覚を起こして恐怖感情を消し、スリッパへ履き替えて左右へ伸びる廊下を左折しました。</div><div>　事務室は本当にすぐ左にあって、問題の貼り紙もすぐ左にありました。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/5094F6E0-8CFC-4868-B313-F24607B224C1.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633354847/" alt="" /></a></div><div>　事務室の引き戸の横、左折してすぐの壁の角へ貼られていました。</div><div>　木至城小学校が実在しないことを無視すれば、上半分はよくある貼り紙です。</div><div>　そして下半分。</div><div>　これも、まあ、言ってしまえばこっくりさんの亜種のようなもので、よくあると言えばよくあるものです。</div><div>　一番最後の文章を追記した誰かはきっとヤスミさまHOWTOに欠けがあるのに気付き優しさから書いたんだろうなと思いました。思いましたが、それはそれとしてこんな文章をいきなり違う筆跡で書かれるのはエグいのでやめてくれと思いました。<br />
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</div><div>　私は先に事務室の照明をマックス点灯させ、セーブポイントを作成してから件の貼り紙を剥がしました。</div><div>　回収後にこれらをАさんがどう扱うかは聞いていなかったため、破れたりしないよう丁寧に剥がします。薄いクッション材製の両面テープのようなもので四隅を止めてあるだけだったので、そこまで難しい作業ではありませんでした。</div><div>　貼り紙を剥がして何もなくなった壁を見た時、唐突にコナンくんになりました。</div><div>　貼り紙は私の目線の高さにありました。小学校の貼り紙にしては掲示位置が高すぎるのです。</div><div>　つまりこれは、大人が大人のために貼り付けたものであるということ。</div><div>　良かった&hellip;&hellip;存在を抹消された木至城小学校生徒がこの廃校に交霊術を書いた紙を貼り散らかしてる事実はないんだ&hellip;&hellip;。</div><div>　私は心がみっちゅなので閲覧対象者外です。</div><div>​</div><div>　一日目は事務室を中心に、付近の部屋を見て回りました。</div><div>　が初手の貼り紙が強すぎて、一時間ほど滞在したにも関わらず全然探索出来ませんでした。</div><div>　廃校は全体的に古めかしいというか、少なくとも昭和以前に建てられたのだろうなと感じました。それでいて、ところどころ新しいのです。</div><div>　たとえば生徒用のトイレは木の引き戸が出入り口についていて、個室の扉も塗装されていない木扉、床は黒色の石&hellip;&hellip;と昨今の建築ではお目にかかれないような見た目をしています。対して体育館は床に貼られたテープも真新しく、作りもややデザイン的というかセンスが近年のものっぽかったです。</div><div>　そういう風に、いかにもな昭和様式と現代様式がまるで継ぎ接ぎのようになっていました。</div><div>　昔からある学校で、老朽化した場所を少しずつ改修している途中で廃校になったのかもしれません。</div><div>　そうだとしたら、今後も使うから改修していたはずなのにどうして使われなくなってしまったんでしょうか。</div><div>​</div><div>　新旧の継ぎ接ぎが特に露骨だったのが多目的教室のプレートがある部屋でした。</div><div>　天井や床、教室前方の黒板は年季の入った見た目をしているのに、後方のロッカーやホワイトボードは傷ひとつないほど真新しく、箱に入ったままのプロジェクターも置いてありました。二箇所ある出入り口の前方は他の教室と同じ、上部が格子硝子になった木の引き戸で、後方の扉はダークブラウンのアルミドアで、私は最初別々の部屋なのかと思いました。</div><div>　手近なアルミドアから教室内へ入ってライトでぐるりと照らすと大きな机が六つ、等間隔に置かれていました。机の左右へは背もたれのない四角いシルエットの椅子が三つずつ並び、黒板の前へ普通よりやや大きめの教卓が一つ。</div><div>　視聴覚室のようなものだろうか。</div><div>　継ぎ接ぎ感のある内装も相俟って、珍しさにスマホのカメラを起動して前方へ向ける。</div><div>　パパパパパパ、と、真っ暗な教室内へ黄色い枠が無数に現れた。</div><div>　今までも何もないところを顔認識することはあった。いささか数は多いものの撮影範囲が暗くて広いせいだろう。</div><div>　そう深く考えずシャッターを押そうとして、「いやでも」と脳裏に閃く。</div><div>　現れた黄色い枠は縦に連続して三つずつの塊になり、ところどころへ現れた。</div><div>　たとえば、椅子に子供が座っていたらあれくらいの位置になるんじゃないか。</div><div>　肌が粟立つのを感じると同時にスマホのカメラモードを解除し、私は多目的教室から転がり出た。</div><div>　廃校になる以前にも以降にも幽霊が出る話はなかったとАさんは言っていた。</div><div>　今だって実際に何が見えたわけではない。顔認識機能が誤動作することなんてよくあることだ。</div><div>　けれど頭の中に、ずらりとこちらを見る子供の姿が浮かび上がって消えず、私は早々にこの日の見学を切り上げてしまった。</div><div>​</div><div>​</div><div>　見学二日目。</div><div>　この日は特別教室棟を中心に回った。</div><div>　時間は昨日と同じ二十二時出発で、大体二時間ほどかけて一階から三階まで確認した。</div><div>　学校の怪談と言えば&hellip;&hellip;の理科室や保健室、音楽室など錚々たるメンツが揃う棟にも関わらずスムーズに見学が進んだのは、なんのことはない、この棟はなんと電気が点くのである。</div><div>　明るい廊下から明るい教室へ入り、「懐かしいなぁ！」とノスタルジーな気持ちで設備を見て回る。</div><div>　当初予定していた廃校見学はこれだった。</div><div>　ありがとう徳島県。</div><div>　ありがとう四国電力。</div><div>　日付が変わる頃に事務室セーブポイントへ帰還し、このメンタルならもう一箇所くらい回れそうだなと見取り図を広げた。</div><div>　どこか丁度よさそうな、サクッと終われそうな一部屋があれば。</div><div>　クラス教室棟は絶対無理なので除外し、一階から順繰りに指先でなぞる。</div><div>　そうして今の自分にピッタリな場所を発見した。</div><div>　図書室だ。</div><div>　蔵書の全てを確認するとなれば一晩じゃ済まないが、別に読書をしに行くわけでもなし。</div><div>　もし木至城小学校関連のものが本の間に挟まっていたら、それはそんなところに挟む方が悪い。分かりにくい場所に配置されたイベントは往々にしてスルーされるのはそれ即ち世界の理。</div><div>　図書室は特別教室棟とクラス教室棟とを結ぶ二階渡り廊下の半ばにある。一階の同じ場所は正面玄関などで、つまりちょうどセーブポイントの真上だ。</div><div>　階段の壁にくっつく丸い照明の光は黄色っぽい暖色で、昼間の姿しか目にしないような建物の中に夜に入るとワクワクするのなんでだろうとご機嫌に上階へ向かった。</div><div>　渡り廊下の照明は点かなかった。</div><div>　忘れかけてたけどこれホラー日記なんだわ。</div><div>　明るい階段から遠去かるほどに心の三歳児が死に、明かり恋しさに振り向いて逆光で真っ黒になった人影が立ってたらどこに逃げればいいんだという妄想と戦い始めた頃に図書室は現れた。</div><div>　教室二つを横並びにしたくらいの大きさで、二箇所ある出入り口の引き戸の間はまるっと掲示板になっている。貼られているのは学生向けのポスターや学校新聞、図書関係のお知らせなどが主で、他にも優秀な作文などもあった。</div><div>　木を隠すにはうってつけの場所なので全ての掲示物をチェックしたけれど、ここには木至城小学校関連のものはなかった。</div><div>　掲示板の前を横切って奥まで来たので、そのままこちら側の引き戸へ手をかけた。図書室内を奥から見て向こうへ戻れば丁度いい。</div><div>　ガラ、と戸車が重たく回る。</div><div>　廊下へ細く、光が落ちた。</div><div>　そんなには強くない淡い光は、先ほどまで回っていた特別教室の照明の色と同じだった。おそらく正面の、奥の方の照明だけが点いていたらこれくらいの光量になる。</div><div>　私が図書室に来たのはこれが初めてだ。</div><div>　もしかしたら以前に見学をした誰かが消し忘れていて、本当に怖いのは電気代オチかなと現実的なことも考える。</div><div>　けれど、点灯する照明の位置の予想が正しいなら、それこそ正面玄関の真上の窓際周辺である。</div><div>　校内へ入る際に明かりはなかった。</div><div>　このまま帰ろうか本気で悩んだものの、逆に向こうからしたら「誰かが近付いて来て細く戸が開けられたきり静まり返った」という状況なのであちらはあちらで怖いだろうという前向きな姿勢で引き戸を開けてみることにした。</div><div>　単純に電気の接触が悪くて点いただけですって可能性もありますので！！！！！！！！！</div><div>　アイカツのベストアルバムの一番好きな曲でテンションをブチ上げ、思い切り引き戸を全開にした。</div><div>　戸車がガラガラと大きな音を反響させて、今までと同じ、そこにあったのは暗い夜の廃校だった。</div><div>　私は暑いのが苦手すぎて夏場によく幻覚を見る。つまりそういうこと。</div><div>　あー良かった幻覚で！</div><div>　真面目に医者にかかるかどうか検討しながら入室する。壁際を一通りライト(小)で照らすも、どうやら照明のスイッチは反対側にあるようだった。</div><div>　室内は普通の、よくある図書室だった。壁沿いに本棚がぐるりと並び、内側へ読書用のテーブルと椅子が置いてある。窓際の本棚は二段の低いもので、棚の上には空の花瓶と粘土工作がいくつか並ぶ。貸し出しカウンターは向こうの戸口側。</div><div>　私は本を読むのは好きだったけれど、借りたり返したりが面倒くさすぎて図書室とはあまり縁がない人生を送ってきた。唯一記憶にあるのは、小学校の時分に諸事情で下校時刻からしばらく時間を潰さなきゃいけなくなって図書室で本を読んでいた時のことだ。</div><div>　そろそろいいかな、と図書室を出たら偶然違うクラスの担任の先生が通りがかって、</div><div>「うわビックリした図書室のとしこさんかと思った」</div><div>　と驚かれた。</div><div>　先生、あの時のいたいけな子供は今ではエゴサすると『実際ちょっとすずり自体がそういう怪異かおばけだと思ってる派』が稀に出てくる人間になりました。</div><div>　窓際のテーブルへライト(小)を向ける。</div><div>　二&times;二で並ぶテーブルの、ここからみて右上にだけ物が乗っていた。<br />
　照明が点いていた箇所では？<br />
　このトラップを考えたやつは人間のメンタルを掌握しすぎていると戦慄しつつ歩み寄った。</div><div>　窓を背にした角の席へ本が一冊と、その下に作文用紙が一枚。そしてその近くへ折り紙の鶴と花が転がっていた。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/3F68966C-D3AB-407B-9DA2-6C67849284E5.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633356158/" alt="" /></a></div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/545F9849-05F4-4E6D-8F5A-0992D124A526.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633356180/" alt="" /></a></div><div>　ハードカバーの本には学校の蔵書にしては珍しく紙のカバーがかかっており、その裏面へ木至城小学校のシールが貼られていた。</div><div>　おばけって何の本読むの？</div><div>　という純粋な疑問から表紙を開く。そのすぐ下へ図書カードが挟まっていた。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/261AC353-B336-4F8A-A279-EA922B0335D7.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633356245/" alt="" /></a></div><div>　光源のライト(小)が青白すぎるせいで色が飛んで紙類が白色に写っていますが、実際は割と焼けて変色しています。</div><div>　昨日の禁止事項の貼り紙もそうで、どれも変色の程度は違うものの十年以上は経っていそうに見えました。</div><div>　紙の状態から、貸し出し日は一九五〇年ではなく昭和五〇年ではないかと感じた。本の間へ挟まれていたお陰であまり劣化しなかったというのを差し引いても、カードのデザインが後者の時代のものな気がする。</div><div>　廃校に六年四組は存在しないため、この図書カードも木至城小学校のものだろう。</div><div>　本の中身は古い怪談を子供向けに書いた児童書だった。『花のおよめさん』というタイトルで、表題作と三、四篇の物語が収録されている。斜め読みしたので細かいところは違うかもしれないが、花のおよめさんの内容はこうだ。</div><div>​</div><div>　とある村で、結婚式の数日前に花嫁が死んでしまった。</div><div>　身寄りのない花嫁の家は空き家になり別の誰かが住むようになったが、幽霊が出ると言ってみんな家を出て行く。</div><div>　この話を聞いた花嫁と結婚するはずだった男が、幽霊でもいいから一目会えるならばと花嫁の家へ行くと、その晩に花嫁の幽霊が現れた。二人は夜通し話し、いつの間にか寝落ちしていた男が目を覚ますと花嫁がいた場所に真っ白な花が生えていた。</div><div>​</div><div>　もっとウォーリーをさがせとか楽しいえほんを置いておいて欲しかった。</div><div>　作文は既に「ヤスミさま」の文字が見えていたのでこれも回収対象として、折り紙はどうしようとライト(小)を当てる。藤色の小さいサイズの折り紙で、やはり少し色褪せている。その花の方に、よく見ると黒い線が入っていた。</div><div>　汚れというより、裏側にインクが滲んだような、文字のような。</div><div>　私はライト(小)をテーブルへ置き、花を広げた。紙はパリパリと乾燥していて、けれど崩れるほどではなくしっかりしていた。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/3D793BFC-8BDF-44E8-B7A5-449B4307535C.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633356601/" alt="" /></a></div><div>　折り鶴の方には何も書かれていなかった。</div><div>　文面からして明らかに何らかのおまじないだ。</div><div>　十中八九これも木至城小学校関連のものだろうと判断し、これも回収することにした。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/FF1C29AA-9ADA-49EB-842A-911137461665.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633356696/" alt="" /></a></div><div>　この作文用紙はライト(小)のせいではなく、元から変色のない白色をしていた。</div><div>　本の下敷きになっていた作文用紙はこの一枚だけだった。一行目の文章からして、これより前の原稿用紙があるはずだ。<div>　これの前後の用紙がないかと机の下を覗き込んでみたが、それらしいものはなかった。<br />
　仕方なく、起の欠けた作文に目を通す。</div></div><div>　事務室横に貼ってあった禁止の紙には書かれていなかった作法がこちらにはある。また、かぎ括弧や幾つかの文字が反転していたり、先生に提出するものだろうに禁止されているヤスミさまを行ったことを書いていることに引っ掛かりを覚えた。</div><div>　振り返って窓から外を見る。</div><div>　校門からグラウンドを迂回して正面玄関へ続くアプローチに寄り添う空っぽの花壇と、駐車スペースの植込へ取り残された桜の木。</div><div>​</div><div>　図書室にあったのはこれくらいだった。</div><div>　事務室で荷物を整理して廃校を退出し、玄関のガラスドアへ施錠する。</div><div>　校門へ向かって歩きながら一瞬、図書室の窓を確認して明かりがあったら見えるかどうか確認しようか悩み、けれどあと二日残っているからと振り返らなかった。</div><div>　現状、深夜の廃校を歩き回れているのはなんやかんやでまだ決定的なものを目撃していないからだ。</div><div>　余計な藪をつつきたくはなかった。</div><div>​</div><div>​</div><div>　見学三日目。</div><div>　台風が接近していた関係でスケジュールを一日短縮し、この日を最終日にした。進路からは外れていたが、Аさんからも「古い建物で万が一があってはいけないから」と止められた。</div><div>　ということで、二日かけて回る予定だった場所を今日だけで回るべくいつもより二時間早く廃校へ乗り込んだ。</div><div>　残っているのはクラス教室棟と体育館とプール。</div><div>　体育館は建物が新しく、置き去りにされたボールカゴへ何故か卒業証書の筒が一つだけ入っていた(写真を撮ってありましたが、ホテルに戻って確認したら何故かこの写真だけありませんでした)。</div><div>　プールはかなり年代物で、プールサイドの地面は石板が割れてところどころ地面が露出していた。プール内は水が抜かれ、多少の落ち葉はあったが定期的に掃除をしているようだった。</div><div>　外渡り廊下を逆走してクラス教室棟へ戻る。</div><div>　クラス教室棟の構成は一フロアに教室が六つと予備用の空き教室が一つ、トイレが二つ。それが三階分積み上がっている。</div><div>　教室内は至って普通の、教卓と教師用のデスク、ファイルなどを収納する棚、生徒の机と椅子があって、窓際にオルガンがあって、教室後部へ生徒ロッカーと掃除道具ロッカーという構成。クラスによっては生徒ロッカーの上へ水槽があったり、日本史の漫画をブックスエンドで挟んであったりした。</div><div>　体育館への外渡り廊下から近い二年三組の教室を後ろから入って見学し、前からでて次の教室の後ろから入る。それを六度繰り返して、二階へ上がる。二階は三年一組の前から入って後ろから出て&hellip;&hellip;向こうの端まで進んで行く。</div><div>　異変があったのは四年三組の教室だった。</div><div>　上部に正方形の曇りガラスが嵌め込まれた引き戸を開ける、と目の前へ何かが滑り落ちた。</div><div>　心臓がエグい音を立てたせいで一瞬死んだかと思ったものの生きていたので、ライト(小)をそれへ向ける。落ちてきたのは『整理整とん』と書かれた藁半紙で、戸口のすぐ右手にある掲示板に貼られていたのが振動で剥がれたようだった。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/04FA2F81-13A6-4F54-899F-48EEF2172AF8.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633358175/" alt="" /></a></div><div>　画鋲で念入りに掲示しておいてくれ頼む。</div><div>　貼り直しておいた方がいいかなとしゃがみ込む。紙の表面にはテープがくっついておらず、じゃあ裏かと深く考えずにひっくり返す。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/B041B805-511E-4E2E-B8F6-62584E1E0E5F.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633358244/" alt="" /></a></div><div>　うわ出た、と思わず嫌そうな声が口をついて出た。</div><div>　裏面には二〜六学年に別々のヤスミさまのルールのようなものが書かれていた。どれも禁止の紙にはなかった内容だ。もしかしたら、禁止の紙のあれが基本の手順で学年ごとにローカルルールのようなものがあるのかもしれない。</div><div>　それにしても、木至城小学校も謎だがヤスミさまの扱われ方も謎だった。</div><div>　学校側でヤスミさまを禁止されていたら生徒はバレないようにするはずだ。学年ごとに異なるルールがあるのも、口伝で語り広まるうちに細分化したと考えれば得心がいく。</div><div>　しかし禁止の貼り紙や作文など、学校側の人間の目につく場所でヤスミさまに触れられている。単に生徒の悪戯かもしれないが。</div><div>　私は整理整とんの紙をもっとよく見ようと立ち上がる。教卓へ置こうと歩み寄って、そこへどこかで見たような折り紙を見付けた。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/A6188C0B-1F4B-40CB-B961-A18A3EB7C039.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633358450/" alt="" /></a></div><div>　昨日に図書室で見付けたものと色も形も同じ。ということは、これにも何か文字が書いてあるのかもしれない。</div><div>　内側に織り込まれた端を破らないように引っ張り出して開く。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/968F46B1-E98E-4805-9CDF-26F95BD347D6.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633358485/" alt="" /></a></div><div>　『赤い紙　青い紙</div><div>　　かごめのつるの</div><div>　　紫の紙</div><div>　　██先生が流産しますように』</div><div>　██の部分は先生の苗字で、どちらの紙にも同じ名前が書いてあった。</div><div>　図書室のものと同じ呪文、願い事の部分は異なる。</div><div>　赤い紙青い紙と言えばトイレの怪談の走りともなったあの話だが、確か紫と答えると赤と青の両方の紙を選んだことにさせられるとかいう亜種があった気がする。あれとは関係のないおまじないだろうか。</div><div>　なんにせよ発見した二つの願い事の内容がエグすぎるので、やばめの呪術ではありそうだ。</div><div>　私は貼り紙と折り紙の写真を一通り撮り、四年三組内の探索を始めた。</div><div>　といっても教室にあるものは他と同じで、生徒ロッカーも木製のオープンロッカーだからすぐに見終わる。</div><div>　このまま後ろの方まで移動して次の教室へ行くだろうし、と貼り紙たちも持って移動した。</div><div>　そうやって引き戸のところまでやって来て、廊下側最後尾の机にまた折り紙があった。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/5F0F23C4-9722-422A-9688-1A26423E4348.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633358651/" alt="" /></a></div><div>　適当に掴んで置いたような、赤色の花が五つ。</div><div>　パッと見で既に中に何か書いてあることが分かって、ヤスミさま禁止されたから代わりに流行ったのかな？　と呑気なことを考えながら開いた。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/8595EBEE-D1DC-4EEE-ACD0-2BF50AC825B2.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633358720/" alt="" /></a></div><div>　先生の名前はさっきの藤色の二つと同じだった。</div><div>　紙の二辺の切り口が細かく毛羽立っていて、大きなサイズの折り紙を四つに切ったのだろうと思った。</div><div>　赤色の花は五つあった。</div><div>　<a target="_blank" href="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/File/9A95B034-31A0-495B-B16E-177ABEA1E3C8.jpeg" title=""><img src="//ghostinmug.blog.shinobi.jp/Img/1633358787/" alt="" /></a></div><div>　この一枚だけ、他よりも変色が激しかった。毛羽立つのは左側の一辺だけで、何かしらの紙から切り離されたのは確かだが他四つとは別の紙。書いてあることもこれだけ異質だ。</div><div>　七枚の折り紙を並べて、ふと、唐突に閃く。</div><div>　これは花じゃなくて、くすだまのパーツじゃないか？</div><div>　つい最近にどこかで見かけたくすだまが確かこんな形をしていた気がする。</div><div>　ということは、何人もの子供が██先生の流産を願って、折って、それをひと塊にしようとしていた。そこに一枚だけ『鬼花』と鳥居の書かれたパーツが紛れ込んでいて。</div><div>　考えていたよりずっと不気味なことが起きていると思った。</div><div>　耳を塞ぐイヤホンの曲と曲の隙間を縫って、ガタガタと風が窓を揺らす。</div><div>　木至城小学校から"おまじない"が持ち出されている。</div><div>　何とも形容しがたい重たい空気が溜まる胸を抱え、私は紙をひとまとめにして持つと戸口へ向かった。</div><div>　歩き出してすぐ、机の角へコードが引っかかって左耳からイヤホンが抜ける。</div><div>　キュッ。</div><div>　遠くで高い音がした。</div><div>　リノリウムの床を上履きの底で擦った時のような音。</div><div>　はっと息を呑んで、引き手へ指先を差し込んだまま体が固まる。</div><div>　肩口から落ちたイヤホンからシャカシャカと音楽が漏れる以外は静寂が続く。さも初めからなんの音もしていませんでしたとばかりの沈黙をゆっくり数えるうちに、緊張と恐怖が解けて何度か忙しなく瞬きをした。</div><div>　左耳へ再びイヤホンを押し込み、素早く引き戸を開閉すると早足で階段を目指す。上下に二つ分岐するそれを迷わず下り、薄目で夜とすれ違いながら廊下を走る。</div><div>　耳の中で鳴るアップテンポの音楽はもう味方ではなくなった。音圧がふっと抜ける一瞬に、外から誰かの声が聞こえた気がする。今まで何度も聴いていた曲なのに初めて聞き取った音が、自分の名前を呼ぶ声のように脳へ引っかかる。</div><div>　渡り廊下の角を曲がり、少し先に事務室の明かりが見えてからはそれだけにピントを合わせて光の中へ転がり込んだ。</div><div>　今日までに回収した木至城小学校関連のものを入れた茶封筒の表面へ『Аさんへ　木至城小学校関連のものです』と大きく書き、今日の分も追加して一番戸口に近いデスクの引き出しへ入れる。</div><div>　ホテルへ持ち帰りたくないし、こんな時間にАさんの家に持って行くことも出来ない。</div><div>　廃校まで取りに来る手間をかけさせてしまうが、Аさんには「怖すぎて無理でした」と正直に謝ろうと決めて廃校を出た。</div><div>​</div><div>　暇になった四日目にこの文章を書いています。</div><div>　前評判通りめっちゃ怖かったです！！！</div><div>　すずりは怪談好きのド素人なのであまり考察とかは出来ませんが、なんとなくあの廃校に持ち込れた木至城小学校関連のものは誰かが作ったやつじゃないかなぁと思いました。</div><div>　あれらは、木至城小学校かはたまた違う名前の小学校かに『ヤスミさま』という交霊術があって、それを外に広めるためのものだった。前にも書きましたが生徒向けの禁止の貼り紙が大人の目線の高さにあったこと、禁止されているのに学校側に知られるようなところでヤスミさまの存在が語られていること、情報が断片的なようでいて『ヤスミさまは六年四組に所属していた生徒で、誰かに殺された』という結論に分かりやすく収束することに意図的なものを感じるというか&hellip;&hellip;。</div><div>　そうだとして、何故大っぴらに公開されていない廃校に情報を撒いたのか、折り紙のおまじないはなんだったのかは謎です。</div><div>　体育館の卒業証書の筒も、開けていたら中にヤスミさま関連の何かが入ってたかもしれませんね。</div><div>​</div><div>　今回は色々な方の優しさで廃校見学が実現しました。</div><div>　知人のКさん、快く許可を下さったАさん、バス乗り場を笑顔で教えてくれた交番のおまわりさん、美味しいラーメン屋さんを教えてくれたタクシーの運転手さん&hellip;&hellip;本当にありがとう御座いました。</div><div>　あと二十年くらいは夜の廃校は歩きたくないです！！！！！</div><div>　おわりでーす＾◯＾</div>]]>
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    <pubDate>Mon, 04 Oct 2021 15:04:47 GMT</pubDate>
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