忍者ブログ
瑞呱岬の汞洞検証凸 - https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8614293
夏だし海回やろ!と思って浜を作っていたら、
時代が全く違う昔のおばけが時間と共にモダナイズしていくのをやりたくなって書きました。


瑞呱岬:
 折浦村では赤ん坊が生まれると父親が岬から石をひとつ持ち帰り、それに赤ん坊の名前を書く。
 その石は水呱石と呼ばれ、病や事故から赤ん坊を守る身代わりとされていた。
 水呱石はお宮参りの際に海の水で名前を流してからお堂へ納められる。
 折浦村は大きな町から離れた場所にあり、村人も訪れる人も少ない小さな集落だったため、
 子供が生まれることはとても喜ばしいことだった。
 海神(氏神のように信仰されている)が赤ん坊の産声を吉兆として祝福するという言い伝えから、
 瑞呱岬の名前や水呱石の風習が生まれたとされる。
 瑞呱岬は新道を道なりに進むと左手に見える。見晴らしはいいが何も無いので、村人以外は立ち寄らない。


お堂(海神堂):
 折浦村の氏神として信仰する海神(海神様)が祀られたお堂。
 お堂横にある石は水呱石。
 お堂へ行くための道は電子ゲートで封鎖されているため、外部からの観光は不可能。


汞洞:
 折浦村近くの浜へ外国の船が立ち寄った際、食料や水を分けたお礼にと「不死の薬」を譲り受けた。
 その薬は海神堂に供えられ、年月が経つうちに「海神の加護がある不死の薬」と言われるようになる。
 ある年、体の弱い赤ん坊を産んだ女がこっそり薬を盗んで赤ん坊に与えた。
 しかし一向に体は良くならず、何度か薬を与えるうちに赤ん坊は死亡。
 女は海神を恨んで汞洞内で自殺。
 その時に不死の薬が女の血と混じって毒になり、汞洞の水に触れると死ぬとされた。
 それがやがて「不死の薬のせいで化け物になった赤ん坊(虚子/ウツゴ)に祟り殺される」といったような話になり、
 ウツゴ様という存在が一人歩きし、
 あの洞窟に妊婦や赤ん坊が入ると死ぬ話になり、
 赤ん坊を洞窟に棄てる人間が後を絶たなくなったため、汞洞への道を封鎖。


チュウジョウ様:
 200年くらい前に突然インターネット上で囁かれるようになった謎おばけ。
 折浦村にチュウジョウ様の伝承はなく、都市伝説的な感じで噂が出回った。
 汞洞が子捨て洞窟として使われることで穢れが溜まり、
 海で死亡したものや流された厄などがぐちゃぐちゃに混ざって爆誕した穢れの塊。
 洞窟内は海面よりも低くなっているため、流れ込んだ海水が一定量溜まると外へ流れ出るようになっている。
 そのため波に乗って流れついたものが流動せずに洞窟内の澱となり、元から悪いものが溜まり易い環境だった。
 チュウジョウ様は自分の赤ん坊を探している。
 水呱石(海子石)は赤ん坊の身代わりとして赤ん坊と繋がる形代でもある。
 それが洞窟内にもたらされることで、チュウジョウ様が赤ん坊の気配を察知して探しに出てくる。
 石を沈めた人間を見つけると「これは自分の赤ん坊じゃない」ってなって潮溜まりに帰る。
 ので、肝試し凸した人が『チュウジョウ様が諦めて消えた』と思っている時、
 チュウジョウ様はその人の真後ろに立っている。
 凸審神者の時に中々消えなかったのは、
 「悪いものから隠す」という刀剣の加護があって見つけられなかったから。
 逃げ出す時に動いたので発見出来たが、赤ん坊(石)を置きっぱなしで帰ったため
 赤ん坊を取りに来いと凸審神者の前に現れていた。
 調書で「俺じゃない」と発狂していたのは「自分は父親じゃない」というニュアンス。
 凸審神者にしか見えなかったのは、様々なものの寄り集めという複雑怪奇な構造をしていて
 普段知覚している隠世のものとは感覚が違うせいで感じ取れなかったため。
 霊力を持ってる人ほど分からない。
 水呱石を沈めることでチャンネルが合って感知できるようになる。
 洞窟で主様の手を握り返したのはチュウジョウ様。
 ねこちゃん音声に入っていた声もチュウジョウ様。
 なんか赤ちゃん生まれそうだけどこいつの父親まだ帰ってこないんですけどどうなってるんですか?_?
 というチュウジョウ様のきーもち。


7人死んだやつ:
 ウツゴ様に食われた。


ウツゴ様:
 実はほんとに居る。
 洞窟内に捨てられて死んだ赤ん坊のふわふわした意識に「ウツゴ様」という名前が与えられ、
 人々の畏怖という信仰によって形になったもの。
 水呱石を潮溜まりに沈める肝試し凸によって、水呱石がウツゴ様の災厄を吸い、
 力を多くの形代へ分散させることで少しずつ存在が消えていっていた。
 7人溺死事件の時は削り取られて飢えていた時に、なんかいっぱい来たので食べた。


うまれた:
 いつもは短時間で石が引き上げられ、お堂へ納められて海神によってゆっくり浄化されていく。
 それが何日にも渡って放置されたので、形代に収まりきらなくなって割れた。
 これが普通のおばけであれば、吸われた分の力がまたおばけに戻って終わるが、
 石から「赤ん坊の怪異」が出てくることで「赤ん坊が生まれる」のをなぞらえてしまった。
 最後の泣き声は生まれでた新ウツゴ様の産声。
 本来のウツゴ様とも違う存在として生まれたそれが、どんな風になるかは現時点では不明。
 割れた時点で水呱石はただの石に戻ったため、赤ん坊が消えた判定でチュウジョウ様は帰還。
 凸審神者に汞洞関係で今後なにか起こるといったようなことは無い。
 ウツゴ様は赤ん坊に関係ある怪異だけど、チュウジョウ様の探している赤ちゃんではないので
 また水呱石を潮溜まりに沈めたら現れてくれる。
 ただしこれから先はウツゴ様の残滓と、ハッピーバースデーしたウツゴ様のような何かもいるので
 たぶん軽率に凸ったらえらいことになる。
PR